祖母が言うと

「もう妊娠してたぞ」
「そうだったんだ」
「ああ、だからな」
　祖母と一緒にハナコを病院に連れて行った兄が弟に話した。
「不妊手術はな」
「子供が生まれてからなんだ」
「それからだな、あと生まれた子供は」
「うちで飼うんだね」
「その子達もな」
「それお祖母ちゃんが決めたね」
「ああ」
　その通りという返事だった」
「そうだよ」
「やっぱりね」
「じゃあな」
　それでというのだ。
「これからハナコはな」
「子供達とだね」
「うちの家族だ」
「そうなるんだな、しかしな」
　ここで弟は兄にこんなことを言った。
「ハナコって何か俺達に懐かないな」
「お祖母ちゃんには懐くけれどな」
「他の家族にはな」
　祖母以外にはというのだ。
「全然懐かないな」
「そうだな、お父さんやお母さんにもな」
「懐かないしな」
「お祖父ちゃんにもだし」
「本当にお祖母ちゃんだけに懐くか」
「他の猫も皆お祖母ちゃんに一番懐いてるな」
「やっぱりあれなんだな」
　徹は浩太に言った。
「自分達を助けてくれて一番面倒見てくれているからな」
「お祖母ちゃんがそうした人だからか」
「やっぱり懐くんだな」
「そうだろうな、うちの猫達にはお祖母ちゃんは神様みたいな存在なんだろう」
「神様だからか」
「一番懐いてるんだよ」
「そういうことか」
　兄弟でそうした話をした、そしてだった。
　ハナコは無事に子供、五匹全員生まれた。三匹が雄で二匹が雌で雄猫達は三匹共白猫で雌猫達は三毛だった。
　父親はわからないと思われたが。
　家族で多分家の白い雄猫のキンタだと話した、実際に子猫達はキンタに懐いていた。だがハナコは子供達を産むと。
　体調を崩し動かなくなった、浩太は産後のひだちが悪くて身体を壊したと思った。それでハナコを病院に連れて行こうとしたが。