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レーヴァティン

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第百六十七話 近江に入りその十二

「信濃は国人が非常に多いな」
「信濃は広かとよ」
 香織はこのことから話した。
「他の国とば比べても」
「広さでいけばかなりだな」
「越後と同じかその次位にとよ」
 そこまでというのだ。
「広かとよ」
「そしてだな」
「盆地ばかりたい」
 香織は今度は信濃の地形について話した。
「あちこちにそれがあってたい」
「それぞれの地域の独立性が高いな」
「そうたい、だからたいな」 
「そこも考えてだな」
 信濃の広さそしてそれぞれの地域の独立性をというのだ。
「勢力を拡大していくことになるな」
「信濃の掌握は時間がかかるかと」
 謙二は英雄に謹んだ声で述べた。
「やはり」
「どうしてもそうなるな」
「確かに多くの盆地があり」
「その盆地ごとにだな」
「それなりの勢力が存在します」
「大名と言うべきな」
「勢力は大きいもので数万石程ですが」
 それでもというのだ。
「信濃の各地に割拠していまして」
「それぞれの勢力にどう対していくか」
「それが問題かと」
「そうなっていくな、信濃については」
「はい、それでまずはです」
 謙二は英雄にさらに話した。
「信濃に入る為にはです」
「木曽だな」
「あの地を手に入れないと」
 そうしなければというのだ。
「話がはじまりません」
「その通りだな」
「ですからまずは」
「基礎の国人達を獲り込むか」
「そして取り込めないなら」
 その時はというと。
「攻めてです」
「降す」
「そうして木曾を我々のものとし」
 そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「中山道を進み」
「領土を拡大していきましょう」 
 こう言うのだった、謙二は話しつつ今度は信濃の地図を頭の中に描いていた。それは英雄も同じだった。そうして話しているのだ。
「今度は、そしてです」
「信濃を完全に掌握してな」
「その次はです」
「甲斐だな」
「あの国です、甲斐に進むことは」
「信濃を完全に手に入れてな」
「それからでいいかと」
 こう英雄に話した。
「暫くはです」
「信濃攻略に時間がかかるな」
「必要とあればです」
「三河や遠江からもだな」
「兵を進めてもらって」
 そうしてというのだ。 
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