ドリトル先生の野球
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第十幕その九
「そうなると思うよ」
「そうなんだね」
「そしてハリー=ポッターの食卓も」
これもというのです。
「リメイクされた時にイギリス人以外のシェフの人が作ってくれたら」
「もっといいかな」
「そうじゃないかな」
「世界のネットで結構言われたんだよね」
「日本でもね」
映画の食堂の場面がです。
「えらく質素な食卓だって」
「寮の食事にしてもだね」
「その内容もね」
「変わって」
「そう、それでね」
そのうえでというのです。
「評判がよくなるかな」
「そこはリメイクに期待かな」
「リメイクして欲しいね」
「原作が面白くて映画もだからね」
「是非ね」
こうしたお話をしている間にその苺にフルーチェをかけたものが運ばれてきました、皆の分がそれぞれお皿の上に置かれています。
先生はそのスイーツを食べて言いました。
「うん、とてもね」
「美味しいですか」
「苺もフルーチェもね」
「そして二つの組み合わせがですね」
「凄く合ってるよ」
こうトミーにもお話します。
「本当にね」
「確かに。言われてみますと」
「この組み合わせはいいね」
「そうですね、苺と苺だけじゃなくて」
「苺に乳製品だしね」
「元々この組み合わせいいですし」
トミーはこのことからも言います。
「そういうことですね」
「本当にそうだね、そして組み合わせというと」
「何かありますか?」
「色々なお料理にも言えるけれど」
それだけでなくというのです。
「野球でも言えるんだ」
「そうなんですか」
「バッテリーでもね」
「あっ、そういえば」
「バッテリーの組み合わせでよくなるピッチャーの人もいるね」
「ボールを受けてリードしてくれるキャッチャーの人次第で」
「例えばね」
先生はトミーにスイーツを食べつつお話しました。
「昭和五十年代の近鉄には鈴木啓示という接待的なエースがいたけれど」
「四十年代から活躍していて」
「その頃もエースだったけれどね」
「確か五十年代からはそれまでの速球派から技巧派に変わりましたね」
「それまでは変化球はカーブとフォークだけだったけれど」
それがというのです。
「スライダーとシュートも覚えてね」
「技巧派になったんですね」
「その鈴木投手の主な相手はね」
バッテリーを組む相手はといいますと。
「正捕手の梨田昌考選手でなく有田修三選手だったんだ」
「その人が相手だったんですね」
「うん、どうも鈴木投手が有田選手と組む時は燃え上がったらしくて」
それでというのです。
「監督の西本幸雄さんがこの組み合わせでいくことを決めたんだ」
「そうだったんですか」
「他のピッチャーの人の時は梨田選手がキャッチャーの時が多かったけれど」
「それが、ですね」
「あえてね」
まさに、というのです。
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