レーヴァティン
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第百六十七話 近江に入りその一
第百六十七話 近江に入り
英雄は大群を率いまずは都に入りそこから近江に向かった、その近江に向かう途中で周りの者達に話した。
「都から次はだ」
「はい、近江に入り」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「まずは安土城に入り」
そしてというのだ。
「安土城及び彦根城を拠点としてな」
「美濃を攻める」
「そうされるのですね」
「そうだ、美濃の国人達に降る様に言い」
その戦略も話した。
「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「降った者達は組み入れていく」
「そうしていきますね」
「そうする、一度で降らない者にも何度か使者を送り」
そうしてというのだ。
「降る様促す、またこの軍勢もだ」
「喧伝するのですね」
「それも大いに」
「そうしていきますね」
「そうする、大軍が攻めてきている」
このことをというのだ。
「知らせてだ」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「美濃の国人達を恐れさせ」
「そうしてですね」
「降らせる、尾張もそうだが」
この国の話もした。
「両国の国人達の兵は多くて数百」
「対する我等は二十万」
「数が違い過ぎますね」
「それだけ数が違うと」
「相手もまた」
「その数を聞いてな」
それだけでというのだ。
「考えるだろう、自ら降った者達はだ」
「そのままですね」
「こちらに組み入れますね」
「使者を送らずとも」
「そうしていく」
まさにというのだ。
「いいな」
「はい、それでは」
「その様にですね」
「上様が以前より言われている様に」
「その様にしていきますね」
「戦わずして勝つ、特に美濃なら稲葉山だが」
この山のことも話した。
「あの寺にもな」
「降る様にですね」
「その様に勧めますね」
「そして自ら降れば」
「それならですね」
「それでいい」
彼等にしてもというのだ。
「構わない、ではな」
「それではですね」
「近江に入り」
「そこからですね」
「使者も送っていきますね」
「俺はそのまま兵を率いてだ」
そうしてとだ、英雄は周りの馬に乗り陣羽織を羽織っている者達に対して強い声で話した。当然彼も今は馬に乗り陣羽織を羽織っている。
「そうしてだ」
「美濃ですね」
「あの国ですね」
「あの国に入られますね」
「そうする、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「美濃で従わない者達がいればな」
「その時はですね」
「攻めますね」
「そしてですね」
「降しますね」
「美濃と飛騨を制し」
そしてというのだ。
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