レーヴァティン
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第百六十五話 視察その二
「人はより先に進める、国もだ」
「同じですね」
「妥協せずより先に進むことですか」
「さらに豊かになろうと思うことですか」
「それがだ」
まさにというのだ。
「幕府を強くする、だからな」
「それで、ですね」
「我々もですね」
「先に進むことですね」
「だから堺もだ」
今見て回っているこの街もというのだ。
「より豊かにしていくぞ」
「商いを進めさせて」
「そして、ですね」
「そのうえで、ですね」
「工場もですね」
「今より多く造らせますか」
「刃物等鉄器をだ」
それを造る工場をというのだ。
「造っていくぞ」
「わかりました」
「それではですね」
「より多く造って」
「売っていきますね」
「その為に幕府は金を出し」
工場を造る者にそうするというのだ、そして造る職人達にも技術を身に着ける訓練を施していくつもりだ。
「色々とだ」
「助けていきますか」
「その様にしてな」
そしてというのだ。
「必ずだ」
「豊かな国にしていきますか」
「是非な」
こう言ってだった、英雄は堺を豊かにさせた。そして博多にも行ってだった。
博多の街を見て今度はこう言った。
「ここはよりだ」
「より?」
「よりといいますと」
「街を拡大させていく」
この街はそうしていくというのだ。
「幸い大きくする余裕があるからな」
「間隔はある」
「それで、ですね」
「街を拡大しますか」
「その様にしますか」
「狭くなってきた」
この街はというのだ。
「だからそうしていく」
「左様ですか」
「ではですね」
「街を拡くし」
「より栄える様にしますか」
「そうする様に奉行に言う」
博多奉行、彼にというのだ。
「堺もそうしたがな」
「はい、堺奉行もです」
「上様のお言葉に従い動いています」
「堺の商いを栄えさせ」
「工場も増やしています」
「金のことは気にするな」
一切、そうした言葉だった。
「必要なだけ出す」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「政を行わせる」
「そうしていきますか」
「そうだ、幸い金はある」
幕府にというのだ。
「だからな、ではいいな」
「わかりました」
「では博多奉行にもですね」
「その様に命じて」
「そしてですね」
「街を豊かにさせてだ」
英雄はさらに話した。
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