X Dimensions SoldierS Re: Xros Rays
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沢田綱吉・ヴェルジネルート
第7話A タネモンの村を守れ! 風の闘士フェアリモン
前書き
8/8 タイトル変更、アニューのララモンの進化をサンフラウモンからフェアリモンに変更しました。
深夜にスナイモンの襲撃を受けると言うトラブルがあったものの、スティングモンに進化したワームモンとツナの活躍によりその襲撃を何とか退け、ツナ達は無事に朝を迎えた。
ツナ・アインス・ワームモンは昨日の夜にあったことを他の面々に正直に話し、多少注意されたりしたが何とか許して貰えたのだった。
そして、現在ツナ達はアニューが作った朝食を食べながらこれからのことを話し合っていた。
マリア「これからの行動だけど、まずは逸れた翼達を探すことに専念しましょう。元の世界に帰る方法を見つけるのはその後よ」
アインス「賛成だ。仮に元の世界に帰る手段を見つけられたとしても、主達がいないのでは意味が無いしな」
フェイト「そうだね。それじゃあ、朝ごはん食べ終わったらファイル島内を回ってみよっか♪」
クリス「うへえ〜マジか……また歩き詰めかよ……」
アンジュ「あんたは体力不足なところ
があるんだから、訓練だと思って頑張んなさい」
フェルト「そう言えば、ツナ君はこの後どうするの?」
アニュー「確か友達を探してるのよね?」
ツナ「はい。とは言え、アインスさん達のことも放って置けないし、俺とブイモンだけでファイル島を回るのは限界があると思うんで、出来れば一緒に行動させて欲しいんですけど……良いですか?」
ツナはアインス達にそう申し出ると……
フェイト「勿論だよ♪」
アニュー「寧ろこちらからお願いしたいくらいだわ♪」
アンジュ「そうね、見かけによらず頼りになるし♪」
アインス「うん。それに野生のデジモンを倒せる程までに強いからね♪」
マリア「ええ、心強い限りだわ♪」
マリア達はツナをべた褒めする程快く歓迎するのだった。
ツナ「あ、いや、そんなことは……!///」
クリス「そう謙遜すんなって。実際頼りになってんだからさ♪」
フェルト「うん、そうだよ。そう言う訳で、改めてよろしくねツナ君♪」
ツナ「は、はい、こちらこそ!(買い被り過ぎだと思うけどなあ……)///」
勉強や運動がてんでダメで、気弱で頼りないことから『ダメツナ』と呼ばれて来た来た身としては、フェルト達の評価は買い被りすぎだとツナは内心思う。
とは言え、ツナ自身リボーンのスパルタ教育や様々な視線を潜り抜けて来たこともあり、今では精神的に逞しくなり、勉強や運動も昔に比べたら見違える程に成長しているので、今ではツナの事情を知らないクラスメイトでさえもダメツナと呼ばなくなっていたので、あながちフェルト達の評価は間違ってはいない。
何はともあれ、ツナは親友の炎真を、フェルト達は逸れた仲間達を探すと言う同じ人探しを目的にファイル島内を回ることした一行は朝食を食べ終え、路面電車内にあった道具や毛布、湖周辺で調達した食料等、必要最低限の荷物の支度を済ませ、湖を後にするのだった……
湖から出発して数時間後、森を抜けたツナ達は現在広大な草原の中を歩いていると……
ツナ「ん?」
アニュー「どうしたの、ツナ君?」
ツナ「あれ、村じゃないですか?」
アニュー「え?」
ツナが何かを見つけ、彼の指差す方にアニュー達も視線を向けると、小さな屋根が整然と並ぶ村らしきものが視界に入るのだった。
アニュー「本当だわ。あそこってデジモン達が住んでる村なの?」
ララモン「ええ、そうよ♪ 基本的にデジタルワールドの村には幼年期のデジモン達が暮らしてるんだけど、力が弱い成長期や成熟期のデジモン達が暮らしてる村もあるわ」
アニュー「そうなのね。そう言えば、ララモンの幼年期ってどんな感じなの?」
ララモン「私の幼年期はタネモンと言って、頭から植物の芽の様なものが生えてるデジモンなの♪ まあ私と同じ姿をした別個体の子達の場合バドモンから進化するのが多いんだけど、正直私はバドモンからの進化じゃなくて良かったわ」
アニュー「え? どうして?」
ララモン「バドモンは体に毒を持ったデジモンだから、もし私の幼年期がバドモンで退化するようなことがあったら、アニューに触れなくなっちゃうし……」
アニュー「なるほど……けどねララモン、例え貴女が何者であっても、私は貴女のこと大好きよ♪」
ララモン「アニュー……ありがとう♪///」
アニューに優しく抱き抱えられたララモンは嬉しそうに、愛嬌のある笑みを浮かべながら感謝の言葉を口にした。
そんなアニューとララモンをツナ達を微笑ましく思う一方……
ツナ「言われてみると、ブイモンの幼年期って見たこと無いから、見てみたいかも♪」
マリア「私も。アグモンの幼年期って、どんな感じなのかしら?♪」
アインス「ワームモンの幼年期……是非見たいな♪」
フェイト「ドルモンの幼年期、可愛いんだろうなぁ♪」
フェルト「義姉さんには悪いですけど、プロットモンの幼年期には敵わないと思います♪」
アンジュ「聞き捨てられないわね。パタモンの幼年期がダントツで可愛いに決まってるじゃない。成長期でこんなに可愛いんだし♪」
クリス「寝言は寝てから言えよ。成長期で可愛さが爆発してるテリアモンの幼年期がぶっちぎりで可愛さトップなのは目に見えてんだよ♪」
パートナーデジモン達の幼年期を見たことが無かったツナ達は見てみたいと口にしたり、どんな姿なのか想像したり、中には幼年期の姿を見たこと無いのに1番可愛いと勝手に想像して張り合ったりもしていた。
パートナーデジモン達(な、何か恥ずかしい……///)
パートナーデジモン達は自分達の幼年期のことで盛り上がるツナ達を見て、何となく恥ずかしさを覚えるのだった。
アニュー「ふふふ♪ それじゃあ、情報収集と休憩を兼ねてあの村に立ち寄りましょうか?」
ツナ「そうですね♪」
ツナ達は情報収集と休憩を兼ねて目の前にある村へ向かうのだった……
ララモン「ここ、タネモン達の村だわ」
アニュー「あれがタネモン……可愛いわね♪///」
ツナ達が辿り着いた村は先程ララモンが説明した、頭部から植物の芽の様なものが発芽している幼年期の球根型デジモンーー『タネモン』達が住む村であった。
タネモン達が住む住居は葉っぱや蔦等植物で作れられた簡易的なものであった。
村全体を見渡すとタネモン達が畑を耕しており、畑に植えられているのは野菜と……
フェルト「お肉……?」
漫画で出てくるみたいな骨付き肉だった。
プロットモン「へえ〜、ここだと肉の種がよく採れるのかしら?♪」
フェルト「え? 肉の種……?」
プロットモン「どうしたのフェルト、変な顔して? お肉は畑で採れるのは常識じゃない。フェルト達の世界では違うの?」
呆然としているフェルトにプロットモンは不思議そうな顔をする。
マリア「ええと……私達の世界ではお肉はお店に行かないと手に入らないのよ」
ツナ「俺の世界も同じだよ。雑草の時と同じように畑から肉は採れないよ」
ブイモン「お店に行かないと手に入らないって変な世界だなあ」
アグモン「そうだね〜」
ブイモンとアグモンが微妙そうな顔をしてそう言う。
ドルモン「肉畑で取れた新鮮な肉は美味しいんだよ♪」
フェイト「そ、そうなんだ……」
ツナ(それにしても肉畑かあ……ルフィさんが見たら目を輝かせて食い付きそうだなぁ〜)
ツナはかつて『Jスター』と呼ばれる者達による闘技大会ーー『Jバトルフェスティバル』に試験管として参加した時に出会った麦わら帽子の海賊ーー『モンキー・D・ルフィ』のことを思い出し、もし彼がタネモン達の耕した肉畑を目にしたら目を輝かせて食い付きそうだと内心苦笑するのだった……因みにツナはある女神が開催する闘技大会にて、ルフィを始めとしたJスター達に再会することになるのだが、それはだいぶ先の話となる。
一方、タネモンらは村にやって来たツナ達……特にララモンに気付くと、彼女を取り囲んで質問をしていた。
タネモン達『ララモン、どうやって進化したの?』
ララモン「ん〜……アニューが来るのを待っている内に、いつの間にか進化したの♪」
タネモン達『へえ〜っ!♪』
どうやらララモンがどうやって進化したのかが気になるらしく、ララモンはタネモン達にそう答えた。
アニュー「ララモン、タネモン達ともう馴染んでるわね♪」
ツナ「やっぱり幼年期が同じだと馴染みやすいんでしょうね♪」
ララモンとタネモン達の様子を微笑ましく見ていると……
ララモン「アニュー! タネモン達がご馳走してくれるって!♪」
ブイモン「やった〜!♪」
アグモン「ご馳走だ〜!♪」
ララモンのその言葉にブイモンとアグモンが大喜びするのだった。
マリア「アグモンとブイモンはよく食べるわね……朝もあれだけ食べたと言うのに」
アニュー「ふふふ、よく食べるのは良いことです。丁度お昼だし、御馳走になりましょう♪」
ツナ「あはは、そうですね♪」
大食いなブイモンとアグモンに苦笑しながらツナ達はタネモン達の厚意に甘えようとした……その時。
タネモンD「たいへんだ〜!! タスクモン達がきた〜!!」
タネモン達『ええええっ!?』
マリア「タスクモン?」
アグモン「乱暴で食いしん坊な野生のデジモンなんだ」
マリア「食いしん坊なのはまだ愛嬌があるけど、乱暴も加わるとタチが悪いわね」
タネモンA「わたし達の畑の肉や野菜を狙って何度もやってくるの!」
タネモンB「いつもは罠をしかけて何とかしのいでたけど……」
タネモンC「今回はまだ罠をしかけてないの!」
タネモンD「しかもタスクモンはすぐそこまで来てるの〜!」
テリアモン「えええっ!?」
クリス「おいおい、タイミング悪過ぎだろ!?」
タネモン達の畑の野菜や肉を狙って村に向かって来ている『タスクモン』と言う野生のデジモンに対しての準備が出来ておらず、しかもすぐそこまで敵が来ていると言う最悪の状況を聞いたツナは……
ツナ「タスクモンはどの方角から来てるの? あと敵の数も教えてくれるかな?」
タネモンD「え? あっちの方からで、数は3体だけど……」
ツナ「ありがとう♪ ブイモン、タスクモンは成熟期のデジモンかな?」
ブイモン「え? うん、そうだけど、何でそのことを……そっか! 俺達で迎え撃つんだね!」
ツナ「うん、タネモン達の村がめちゃくちゃにされるのを見過ごす訳にはいかないからね。だから、その前にタスクモン達を倒そう」
ブイモン「OK! やろう、ツナ!♪」
マリア「ツナ、私とアグモンも一緒に戦うわ。アグモンは進化できるし、人手は多い方が良いでしょ?」
アグモン「任せてよ!♪」
ツナ「マリアさん、アグモン、ありがとう♪」
成熟期であるタスクモン相手に、ブイモン・マリア・アグモンと共に迎え撃つことにするのだった。
アインス「では、私とワームモンは万が一の為にこちらで待機してるよ」
フェイト「タネモン達の避難誘導は私達に任せて」
ツナ「お願いします」
アニュー「頑張ってね、ツナ君」
フェルト「無茶はしないでくださいね」
ツナ「はい!」
クリス「あたしらの分まで頼んだぜ、マリア!」
アンジュ「タスクモンをしっかり懲らしめてやりなさい!」
マリア「ええ、任せなさい!♪」
進化できるワームモンをパートナーに持つアインスは、まだパートナーが進化出来ないアニュー達と共に村に待機してタネモン達を守ることにし、ツナ・ブイモン・マリア・アグモンはタスクモンが来ている方角に向かうのだった。
敵を迎え撃つ為に村の外へ出たツナ達は……
?『グオオオオオッ!!!』
ツナ「っ! あれか!」
ブイモン「うん! 間違いないよ、タスクモンだ!」
タネモン達の村に向かって来る、双肩から巨大なツノを生やし、緑色の体をした超重量級のイメージがある成熟期の恐竜型デジモンーータスクモン達を視認する。
タネモン達の言っていた通り、数は3体であることを確認したツナ達は……
ボウッ!!
超ツナ「行くぞ、ブイモン! デジメンタルアップ!」
ブイモン→フレイドラモン「おう! ブイモン、アーマー進化ーー!! 燃え上がる勇気! フレイドラモン!!」
マリア「アグモン、お願い!」
アグモン→グレイモン「任せて! アグモン、進化ーー!! グレイモン!!」
ツナはハイパー化し、ブイモンは勇気のデジメンタルでパワーのあるフレイドラモンに、アグモンはグレイモンに進化した。
超ツナ・フレイドラモン・グレイモン『うおおおおっ!!』
ツナ・フレイドラモン・グレイモンは3体のタスクモンに突撃し……
超ツナ「はああっ!!」
フレイドラモン「ナックルファイア!!」
グレイモン「メガフレイム!!」
タスクモン達『グオオオッ!?』
ツナとフレイドラモンは炎の拳を、グレイモンは口からの火炎を3体のタスクモンに食らわせ、怯ませた。
タスクモン達『グルルルル……ッ!!』
とは言え流石に超重量級なだけあって、ツナ達の攻撃に耐えたタスクモン達は目の前のツナ達を睨み付ける。
超ツナ「ここから先は通さない……!」
フレイドラモン「俺達が相手だ!」
マリア「あなた達のような乱暴者が、タネモン達から奪って良いものなんて1つも無いわよ!」
グレイモン「絶対に死守する!」
タスクモン達『グルルルルッ、グオオオオオッ!!!』
超ツナ・フレイドラモン・グレイモン『行くぞっ!』
ツナ達とタスクモン達の戦闘が開始された。
一方、村での待機組であるアインスやアニュー達は……
クリス「こっちだ!」
フェイト「足元に気をつけて!」
フェルト「慌てないで、落ち着いて前に進んで!」
アンジュ「大丈夫よ、あなた達は私達がちゃんと守るから!」
村の中にあるシェルター代わりとなる地下倉庫へタネモン達を避難誘導していた。
アインス「取り敢えず、まだタスクモンはこちらに来ていない様だな」
アニュー「ええ、ツナ君達がタスクモンを抑えてくれているおかげですね。だけど、万が一突破される恐れがあります。急いでタネモン達を避難誘導させましょう」
アインス「ああ、そうだな」
そんな時であった。
?「ギャオオオオッ!!!」
空から大きな咆哮が響き渡る。
アインス「っ! 今の咆哮は! まさか、タスクモンがツナ達を突破したのか!?」
ワームモン「いや、違う! 今のは空から聞こえたよ!」
ララモン「タスクモンは空を飛べないから、きっと違うデジモンの鳴き声よ!」
アニュー「ええっ!?」
ワームモンとララモンにそう言われ、アインスとアニューが空を見上げると……
?「ギャオオオオオオッ!!!」
巨大な赤い翼を生やした青いドラゴンのようなデジモンがいた。
アインス「先程の咆哮は奴からか!
ワームモン「あれは、エアドラモン!? 滅多に見かけない幻竜型デジモンだよ!」
ララモン「だけど、どうしてエアドラモンがここに!?」
上空にいる成熟期の幻竜型デジモンーーエアドラモンが何故タネモン達の村に現れたのか疑問に思っていると……
エアドラモン「ギャオオオオオオッ!!!」
瞳を妖しく赤く光らせながらエアドラモンは巨大な翼を羽ばたかせ、下にいるアインス達に向けて鋭利な真空の刃ーー『スピニングニードル』を放つ。
アニュー「っ! 避けて!!」
アニューの言葉でアインス達は回避行動を取り……
ワームモン「うわぁっ!?」
ララモン「きゃあっ!?」
アインス・アニュー『くっ!』
何とかエアドラモンのスピニングニードルを回避した。
アインス「今の攻撃、明らかに私達を狙ってる!」
アニュー「でも、どうして私達を!?」
ワームモン「わからないけど、ここでエアドラモンに暴れられたらタネモン達の村がめちゃくちゃにされる! アインス!」
アインス「ああ! ワームモン、進化だ!」
ワームモン→スティングモン「うん! ワームモン進化ーー!! スティングモン!!」
ワームモンはスティングモンに進化し、アインスを自身の肩に乗せると飛翔し、空中にいるエアドラモンと戦闘に入る。
アインス「アニュー! エアドラモンは私とスティングモンで何とかする! 君は皆と一緒にタネモン達を頼む!」
アニュー「わかりました! アインスさん達も気をつけて!」
アインス「ああ! 行くぞ、スティングモン!」
スティングモン「うん!」
エアドラモン「ギャオオオオオオッ!!!」
エアドラモンは向かって来るアインスとスティングモンに対し、スピニングニードルを放つが……
スティングモン「ムーンシューター!!」
スティングモンはムーンシューターを連射し、エアドラモンの真空の刃を相殺する。
アインスとスティングモンはエアドラモンと交戦しながら、エアドラモンをタネモン達の村から引き離して行くのだった。
ララモン「アニュー、私達も地下倉庫に向かいましょう」
アニュー「ええ」
アニューとララモンが避難場所である地下倉庫へ向かおうとした……その時。
「きゃあああああっ!?」
地下倉庫のある方から悲鳴が聞こえて来たのだ。
ララモン「っ! 今の悲鳴って!」
アニュー「フェルトさん!? まさか、地下倉庫で何かあったんじゃ……!」
ララモン「急ぎましょう!」
アニュー「ええ!」
アニューとララモンは急いで地下倉庫の方へ向かうのだった。
一方、3体のタスクモンと交戦しているツナ達はと言うと……
超ツナ「Xカノン!!」
タスクモン「グッ、グオオオッ!!」
ツナがタスクモンの1体にXカノンでダメージを与えて行くが、タスクモンはそれに構わずツナに向かって突撃し、超弩級のパンチ『パンツァーナックル』を繰り出すが……
超ツナ「遅い!」
ツナはXグローブの炎の推進力による高速移動でタスクモンの攻撃を躱し、懐に入ると……
超ツナ「獅子戦吼!!」
タスクモン「グオオオオオッ!!?」
掌底を放つと同時に獅子の形をした闘気をタスクモンに叩きつけ、超重量級であるその巨体を大きく吹き飛ばした。
フレイドラモン・グレイモン『す、凄い!』
マリア「あんな巨体を吹き飛ばすなんて……」
ツナがタスクモンを吹き飛ばしたことに、他のタスクモンと交戦しているフレイドラモンとグレイモンは勿論、後ろで見守っているマリアも驚いていた。
『獅子戦吼』……虹の代理戦争後の修行時に、修行の手伝いとして日本へ来ていたリボーンと同じ元嵐のアルコバレーノである『風(フォン)』との修行により、人間の体にある『気』と言うエネルギーをコントロールする術、そして気の一種である『闘気』を外へと放つ技術を身に付けたツナは、その修行の成果としてこの技を編み出したのである。
よって、ツナが巨体のタスクモンを吹き飛ばせたのは腕力では無く、彼自身の強大な闘気によるエネルギーが巨大な衝撃波となり、タスクモンの巨体を軽々と吹き飛ばせたのだ。
タスクモン「グ、グオオ……ッ!」
ツナの獅子戦吼を受けたタスクモンは倒れた状態から起き上がろうとするが、思いの外ダメージが大きいのか痛みで立ち上がれずにいた。
そんなタスクモンに……
超ツナ「悪いが……そのまま退場して貰う! X(イクス)レオバズーカ!!」
タスクモン「ッ! グオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」
ツナは獅子戦吼の強化技で、両手の掌底から獅子戦吼の時より強大で、炎を纏った獅子の闘気を放ち、敵を吹き飛ばすと同時に爆炎で焼き尽くす『X(イクス)レオバズーカ』をタスクモンに放ち、その技を受けたタスクモンは遥か遠くへ吹き飛ばされ、星となった。
その光景を見たマリア達は……
マリア「…………」
フレイドラモン・グレイモン『…………』
タスクモン達『…………(ガクガクッ、ブルブルッ!)』
唖然としており、残った2体のタスクモンに至ってはツナに対する恐怖でガチ震いしていた。
超ツナ「よし、あと2体だ。フレイドラモン、グレイモン、加勢するぞ!」
フレイドラモン「だ、大丈夫だよ、ツナ! 俺達の相手は俺達で倒すから!(じゃないと、俺達の活躍が無くなる!)」
グレイモン「う、うん! ツナはマリアを頼む!(僕達このままじゃ影が薄くなっちゃう!)」
自分達に加勢しようとするツナを、フレイドラモンとグレイモンは自分達の活躍が無くなる可能性を危惧し、必死に止めるのだった。
超ツナ「そ、そうか、わかった。だが、もし危なくなったら加勢するからな」
フレイドラモン・グレイモン『わ、わかった!(ぜ、絶対に負けられない!!)』
ツナの言葉でさらなる闘志を燃やしたフレイドラモンとグレイモンは……
フレイドラモン「うおおおおっ!! ナックルファイアーーーーッ!!」
グレイモン「でりゃああああっ!!」
タスクモン達『グオオオオオッ!?』
フレイドラモンは炎を纏った拳で、グレイモンは爪や尻尾でタスクモン達に猛攻を仕掛け、押して行く。
押されているタスクモン達は反撃とばかりにパンツァーナックルを繰り出すが……
フレイドラモン・グレイモン『甘い!』
フレイドラモンとグレイモンはタスクモンの拳を躱すと同時に腕を掴むと……
フレイドラモン・グレイモン『うおりゃああああああああっ!!』
タスクモン達『グオオオオオオオオオオッ!!?』
ジャイアントスイングの要領でタスクモン達を上空へ投げ飛ばした。
そして……
フレイドラモン「これで終わりだ!! ファイアロケットーーーーッ!!!」
グレイモン「メガフレイム!!!」
タスクモン達『ッ! グオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!』
フレイドラモンとグレイモンはそれぞれ必殺技を放ち、タスクモン達を遥か彼方へぶっ飛ばし、星にするのだった。
フレイドラモン・グレイモン『勝ったああああああああっ!!』
超ツナ「2人ともやるな。俺が加勢する迄も無かったな♪」
マリア「そ、そうね……(まあ、ツナが無意識に発破をかけたおかげなのもあるけど……)」
超ツナ「さてタスクモン達は退けたし、村に戻ると……」
ツナがタネモンの村に戻ろうと言おうとした……その時、突如村から爆発音が聞こえて来るのだった。
超ツナ・マリア・フレイドラモン・グレイモン『っ!?』
ツナ達は村から爆発音が聞こえたことに驚く。
超ツナ「今の爆発音は、村の方からか!?」
マリア「まさか、タスクモン以外にも村を襲撃しているデジモンがいるの!?」
フレイドラモン「ツナ!」
グレイモン「マリア! 早く村へ戻ろう!」
マリア「ええ!」
超ツナ「行こう!」
ツナ・マリア・フレイドラモン・グレイモンは急いで村へ戻るのだった。
一方、エアドラモンと激しい空中戦を繰り広げるアインスとスティングモンは……
スティングモン「ムーンシューター!!」
エアドラモンにムーンシューターの連射を浴びせながら……
スティングモン「はああっ!!」
エアドラモン「ギャオオオッ!?」
懐に入って、エアドラモンを大きく蹴り飛ばした。
エアドラモンは手足が無いことから格闘戦は不得手で、懐に入られたら為す術が無いのだ。
スティングモンがエアドラモンにこのまま止めを刺すべくスパイクを展開したところで……
アインス「待て、スティングモン。エアドラモンの体に刺さっているあの『黒い歯車』は何だ?」
スティングモン「黒い歯車?」
自身の肩に乗るアインスがそう言って来たので、エアドラモンの体を凝視すると、尻尾辺りに『黒い歯車』が刺さっているのだった。
その黒い歯車は一見何の変哲も無い様に見えるが、良い感じがする物では無かった。
スティングモン「あの黒い歯車が何かはわからないが、エアドラモンが僕達だけを攻撃して来たことに関係があるかもしれない……破壊してみよう!」
アインス「ああ、頼む!」
エアドラモンの撃破では無く、黒い歯車の破壊に切り替えたスティングモンはスパイクを展開したままエアドラモンに猛スピードで向かって行く。
エアドラモン「ギャオオオオオオッ!!!」
エアドラモンは悪あがきとばかりにスピニングニードルを放つが、スティングモンはその攻撃を巧みに回避し、一気にエアドラモンに肉薄すると……
スティングモン「スパイキングフィニッシュ!!」
パキーンッ!
スパイクによる刺突をエアドラモンに刺さっている黒い歯車に当て、黒い歯車を真っ二つに破壊するのだった。
体に刺さっていた黒い歯車が無くなった後、エアドラモンは……
エアドラモン「ギャオッ?」
瞳の赤い光が消え、先程まで凶暴だったのが嘘のように大人しくなり、エアドラモンはそのまま何処かへと飛び去るのだった。
アインス「黒い歯車を破壊した途端に大人しくなった……と言うことは」
スティングモン「あの黒い歯車がエアドラモンの正気を失わせていたと見て間違いないね」
アインス「そうだな。さてと、エアドラモンは何とか追い払ったし、村に戻ろうか……」
アインスがタネモンの村に戻ろうと言おうとした……その時、突如遠くから爆発音が聞こえて来るのだった。
アインス・スティングモン『っ!?』
アインス達はその爆発音が聞こえたことに驚きの表情を浮かべる。
アインス「今の爆発音は……まさか村の方からか!?」
スティングモン「まずい、エアドラモン相手に時間をかけ過ぎた! すぐに戻ろう!」
アインスとスティングモンは村に向かって猛スピードで飛翔するのだった。
一方、村の地下倉庫でタネモン達の避難誘導をしていたフェルト達は……
?「グオオオオオッ!!」
ドルモン・テリアモン『うわああああっ!!!』
フェイト「ドルモン、大丈夫!?」
クリス「テリアモン! しっかりしろ!」
ドルモン「う、ぐう……くそっ……」
テリアモン「ご、ごめん、クリス……僕達じゃ歯が立たないや……」
タスクモンやエアドラモンとは違う敵……鼻先にサイの様なツノを生やし、ツノの部分と体の半分を硬質な黒い物質で覆っている成熟期の鎧竜型デジモンーー『モノクロモン』の襲撃を受けていた。
モノクロモンは草食性で性格は比較的おとなしいが、今のモノクロモンは瞳が赤く光っており、凶暴なデジモンと化していた。
ドルモンとテリアモンがいち早くモノクロモンを迎え撃つも、強固な防御力を持つモノクロモンに2人の必殺技は効かず、逆にモノクロモンの必殺技である火炎弾『ヴォルケーノストライク』を受けて返り討ちに遭い、それぞれフェイトとクリスに抱き抱えられていた。
そして、襲撃して来たモノクロモンと一緒に……
?「ガハハハッ!! 選ばれし乙女とそのパートナーデジモン、どんなもんかと思ってたがてんで大したことねえな!!」
手に骨棍棒を持ち、鬼のような姿をした成熟期の鬼人型デジモンーー『オーガモン』の姿があった。
アンジュ「あんた達、何者よ!?」
オーガモン「俺様はオーガモン!! いずれこのデジタルワールドを支配する『デビモン』様に仕える悪いデジモンだぜ!!」
フェイト「デビモン? それにデジタルワールドを支配って……!」
クリス「要するに悪の親玉とその子分って訳か!」
フェルト「あなた達は何故この村を襲って来たの!? まさか、タネモン達の村を支配下にするつもりなの!?」
オーガモン「はあ〜? 何で俺様がそんな理由でこんなチンケな村まで来なきゃいけねえんだよ? 俺様の目的は……デビモン様の野望の妨げとなるてめえら選ばれし乙女達とパートナーデジモン達の命を奪うことだ!!」
フェイト「え、選ばれし乙女達……?」
クリス「あ、あたしらのことを言ってんのか!?」
オーガモン「何だてめえら、自分達の立場を理解してねえのか? まあいい、どの道てめえらはここで死ぬ運命にあるんだからな! 殺れ、モノクロモン!!」
モノクロモン「グオオオオオッ!!!」
オーガモンの命令で、モノクロモンはフェルト達に向かって突撃する。
プロットモン「フェルト達はやらせないわよ! パピーハウリング!!」
モノクロモン「グオオオッ!?」
プロットモンがパピーハウリングでモノクロモンの動きを止め……
パタモン「エアショット!!」
モノクロモン「グ、オオオ……ッ!!」
パタモンが連続でエアショットを放ち、モノクロモンに少しずつダメージを与えて行くが……
オーガモン「つまらねえ真似すんじゃねえ!! 覇王拳!!」
プロットモン「きゃあああああっ!!!」
フェルト「プロットモン!!」
オーガモンが拳から必殺技を放ち、プロットモンを戦闘不能にする。
それにより動ける様になったモノクロモンは……
モノクロモン「グオオオオオッ!!!」
パタモン「うわああああああっ!!!」
アンジュ「パタモン!!」
必殺技のヴォルケーノストライクをパタモンに直撃させ、パタモンを戦闘不能にするのだった。
フェルトとアンジュはそれぞれプロットモンとパタモンに駆け寄り、抱き抱えた。
そして、オーガモンとモノクロモンがじりじりとフェルト達に迫っていた。
オーガモン「さあて、そろそろ御陀仏の時間だ……覚悟しな!!」
モノクロモン「グオオオオオッ!!!」
フェルト・フェイト『っ!』
アンジュ「くっ!」
クリス「くそったれ、ここまでか!?」
万事休すかと思われた……その時。
アニュー「ララモン!」
ララモン「シング・ア・ソング!!……〜♪」
オーガモン「っ! ぐっ、ああ……っ!?」
モノクロモン「グ、オオオ……ッ!?」
アニューとララモンが駆けつけ、ララモンはシング・ア・ソングをオーガモンとモノクロモンに向けて放ち、オーガモンとモノクロモンはララモンの歌により激しい睡魔に襲われ、その動きを止めた。
アニュー「皆さん、無事ですか!?」
フェルト「アニューさん!」
アンジュ「ありがとう、助かったわ♪」
フェイト「あれ、アインスとワームモンはどうしたの? 一緒じゃないの?」
アニュー「アインスさんとワームモンは新たに襲撃して来たエアドラモンと言うデジモンの相手をしていて、今は村の外で戦ってます。それよりあのデジモン達は一体……?」
クリス「あの棍棒を持ってる奴はオーガモンって言って、デジタルワールドを支配しようとしているデビモンって悪の親玉の手下だ。何でもあいつのボスのデビモンは自身の野望の妨げになるあたしらの命を奪おうとしてるみたいだ……!」
アニュー「私達の命を……事情は大体わかりました。あの2体はどちらも成熟期の様ですし、ツナ君達が戻って来るまでこのままララモンの歌で……!」
アニューは成熟期であるオーガモンとモノクロモンは今の自分達では倒せない為、このままララモンのシング・ア・ソングで2体を眠らせようとするが……
オーガモン「俺様を……舐めんじゃねええええっ!!」
アニュー「っ!?」
オーガモンが気合いで睡魔を跳ね除けると、シング・ア・ソングを放つララモンに向かい……
オーガモン「覇王拳!!」
ララモン「きゃあああああっ!!!」
アニュー「ララモン!?」
覇王拳を放ち、ララモンを吹き飛ばした。
アニューは吹き飛ばされたララモンの元へ駆け寄り、抱き抱える。
アニュー「ララモン! しっかりして!」
ララモン「あ、アニュー……ごめん、なさい……私の力が、及ばないばかりに……」
アニュー「そんなことないわ! 貴女は私の自慢のパートナーよ! さっきまでオーガモンを後一歩まで追い詰めて……!」
オーガモン「おい、誰が俺様を後一歩まで追い詰めたって?」
アニュー「っ!」
アニューが視線を向けると、オーガモンとモノクロモンが自身とララモンの近くまで迫っていた。
オーガモン「てめえら……随分と舐めた真似してくれたな、ええっ? 危うく眠っちまうとこだったじゃねえか……もう許さねえ!! てめえらから血祭りにあげてやる!! 殺れ、モノクロモン!!」
モノクロモン「グオオオオオッ!!
オーガモンはアニューとララモンに対してモノクロモンをけしかけ、モノクロモンは猛スピードで2人に向かって行く。
フェルト「アニューさん!!」
フェイト「アニュー! ララモン! 逃げて!!」
ララモン「あ、アニュー……私に構わず、逃げて……!」
アニュー「そんなことできないわ……私は魔導師であると同時に医者よ! 消えそうな命を見捨てたりなんかできない! それが大切なパートナーの命なら尚更よ!」
ララモン「アニュー……!」
アニューの医者としての誇りから来る、ララモンを見捨てないと言う強い意志の言葉に応えるかの様に……
ドクンッ……!
アニュー「っ!」
アニューは何かが鼓動するような感覚を感じた。
それはマリアやアインスがアグモンとワームモンが進化する前に感じたのと同じものであった。
その直後に、アニューのデジヴァイスから眩い光が放たれる。
モノクロモン「グオオッ!?」
オーガモン「ぐあっ!? 何だこの光は!?」
アニュー「私のデジヴァイスが、輝いて……!」
ララモン(温かい……アニューの優しい心が、私の中に入り込んで、力が漲って来る……!)
その光によりモノクロモンとオーガモンが怯むのと同時に、ララモンの体が輝き出し、痛む体が癒えて立ち上がる力が漲って来るのだった。
そして……
《挿入歌:With The Will / Be The Winners》
※お好きな方を脳内BGMとして再生してください。
ララモン→フェアリモン「ララモン、進化ーーーー!! フェアリモン!!」
ララモンは古代デジタルワールドの危機を救った伝説の英雄達ーー『十闘士』の力を宿した、風の能力を持つ成熟期の妖精型デジモンーー『フェアリモン』へと進化するのだった。
本来ララモンの成熟期はヒマワリの姿をした植物型デジモンーー『サンフラウモン』なのだが、アニューのララモンは伝説の十闘士の内の1体ーー『エンシェントイリスモン』の遺伝子を受け継いでいたことから、本来ハイブリット体であるフェアリモンに成熟期として進化することができたのだ。
フェアリモンはアニューを腕に抱き抱えながら空に浮いていた。
アニュー「ら、ララモンが……!」
オーガモン「し、進化しただとおっ!?」
フェアリモン「ありがとう、アニュー。貴女の優しい心が、私に新しい力を、私の命を再び輝かせてくれた……この命の輝きと共に、私は貴女と一緒に戦う!」
アニュー「フェアリモン……ええ、一緒に戦いましょう!」
姿は可憐な妖精だが、ララモンの時より感じる頼もしさにアニューは笑みを浮かべて応える。
モノクロモン「グオオオオオッ!!」
モノクロモンはフェアリモンに向けて必殺技のヴォルケーノストライクを放つ。
妖精型のフェアリモンが炎の技を受ければ大きなダメージになるが、フェアリモンは軽やかにその攻撃を躱し、アニューを安全な場所へ下ろすと同時に……
フェアリモン「ブレッザ・ペタロ!!」
モノクロモン「グオオオオッ!?」
フェアリモンは両手の指から小さな竜巻を起こし敵をなぎ払う遠距離技『ブレッザ・ペタロ』をモノクロモンに向けて放ち、モノクロモンに直撃させると同時に大きく吹き飛ばす。
アニュー「っ!」
アニューはその時モノクロモンの体にある不自然なものを見つける。
それはモノクロモンの尻尾に刺さっている黒い歯車であった。
そして瞳を赤く光らせ、何処か苦しそうにしているモノクロモンの様子からアニューはある仮説へと辿り着く。
アニュー「フェアリモン、モノクロモンの尻尾に刺さっている黒い歯車を狙って! 恐らくモノクロモンはあの黒い歯車の所為で正気を失っている可能性があるわ!」
フェアリモン「なるほど、大人しいモノクロモンが何で凶暴化してるのか疑問だったけど、そう言うことだったのね……わかったわ!」
アニューの仮説を信じ、フェアリモンはモノクロモンの尻尾にある黒い歯車を破壊すべく飛翔する。
オーガモン「させるかよ! 覇王……!」
フェアリモン「ブレッザ・ペタロ!!」
オーガモン「うおおっ!?」
フェアリモンは妨害しようとして来たオーガモオーガモンをブレッザ・ペタロで退け、モノクロモンに向かって行く。
モノクロモン「グ、グオオオオオッ!!」
吹っ飛ばされて倒れていたモノクロモンは起き上がり、迫り来るフェアリモンに向けてヴォルケーノストライクを連続で放つが、フェアリモンは軽やかに躱す。
モノクロモン「グオオオオオッ!!」
モノクロモンは悪あがきとばかりに、向かって来るフェアリモンに突進を仕掛けるが……フェアリモンはその突進をひらりと躱すと同時に……
アニュー「フェアリモン!」
フェアリモン「決めるわ! トルナード・ガンバ!!」
パキーンッ!!
フェアリモンは逆立ちした状態で手で体を高速回転させ、そのまま空中に浮かび上がりながら敵に繰り出す回転キック『トルナード・ガンバ』をモノクロモンの尻尾の黒い歯車に向けて放ち、見事命中させて黒い歯車を破壊したのだった。
黒い歯車を破壊されたモノクロモンは……
モノクロモン「グオッ?」
瞳の赤い光が消え、先程まで凶暴だったのが嘘のように大人しくなるのだった。
アニュー「やった! 予想通りモノクロモンが大人しくなったわ♪」
フェアリモン「やったわね、アニュー♪」
フェルト「凄いです、アニューさん♪」
アンジュ「やるじゃない♪」
アニュー達がモノクロモンを大人しいデジモンに戻せたことに喜ぶ中……
オーガモン「く、くそったれが! これが選ばれし乙女達の力だってのか!? 他の奴らまでこんな力を発揮されたら厄介だな……なら!」
オーガモンはパートナーが戦闘不能になっているフェルト・フェイト・アンジュ・クリスに視線を向けると……
オーガモン「厄介な力を発揮される前に、てめえらを皆殺しだあああっ!!」
フェルト・フェイト・アンジュ・クリス『っ!』
アニュー「皆さん!」
パートナーを進化させられる前に倒そうと、オーガモンはフェルト・フェイト・アンジュ・クリスの4人に向かって行くが……
オーガモン「ぐああっ!?」
突如横から猛スピードで現れた何かによって、オーガモンは大きく殴り飛ばされた。
オーガモンを殴り飛ばしたのは……
超ツナ「彼女達に……手を出すな!」
タスクモンとの戦闘から戻って来たツナであった。
アニュー・フェルト・フェイト・アンジュ・クリス『ツナ(君)!』
アニューやフェルト達は頼りになる少年の登場に顔を綻ばせる。
オーガモン「な、何だ、てめえは!? 邪魔を……!!」
さらにそこへ……
フレイドラモン「ナックルファイア!!」
グレイモン「メガフレイム!!」
スティングモン「ムーンシューター!!」
オーガモン「うおおおっ!?」
フレイドラモン・グレイモン・スティングモンの3体が現れ、オーガモンに集中砲火を浴びせる。
マリア「皆、大丈夫!?」
アインス「戻るのが遅くなってすまない!」
アンジュ「マリア!」
フェイト「アインス!」
クリス「ったく、戻るのが遅えよ……」
フェルト「でも、皆無事で良かった……」
アニュー「ええ、本当に……」
マリアとアインスも駆けつけ、アニューやフェルト達は安堵の表情を浮かべる。
ツナ達が戻って来たことにより成熟期クラスのデジモンが4体、そしてその成熟期と同等またはそれ以上の力を持つツナを含めた5vs1と言う形で一気に形勢逆転となり、先程まで優勢だったオーガモンは劣勢に立たされる。
オーガモン「くっ、くそったれが! 形勢逆転されるなんて……!」
超ツナ「フレイドラモン……この棍棒を持ったデジモンは俺がやる。フレイドラモン達はフェルト達を守ってくれ」
フレイドラモン「ツナ……ああ、わかった!」
グレイモン「任せて!」
スティングモン「皆は必ず守る!」
オーガモン「……は?」
ツナのその指示によりフレイドラモン・グレイモン・スティングモンはオーガモンを無視して、フェルト達の傍に駆け寄る。
オーガモン「おいいいいいっ!? てめえら、俺様を無視するとは良い度胸じゃねえか!? 舐めてんのかゴラァッ!?」
超ツナ「フレイドラモン達がお前の相手をする迄も無い。お前の相手は俺1人で十分だ」
オーガモン「ああっ!?」
超ツナ「最も……お前は俺には勝てない。戦わなくてもわかる」
ツナのその言葉に……
オーガモン「は……はは……はははははっ!! 面白いこと言うなぁ、お前……俺様がお前に勝てないって? 戦わなくてもわかるって?……ふ……ふざけんなああああああっ!!!」
キレたオーガモンはツナに向かって駆け出し……
オーガモン「このオーガモン様を舐め腐ったことを後悔させてやるぜ!! 覚悟しやがれええええええええっ!!!」
手に持つ骨棍棒をツナに向けて勢いよく振り下ろすが……ツナはオーガモンの骨棍棒を物ともせずに左手で受け止めるのだった。
オーガモン「な……っ!?」
超ツナ「……これがお前の全力か? だとしたら、拍子抜けだな」
オーガモン「く、くそっ……!」
オーガモンはツナに受け止められたことに驚きながらも、骨棍棒に力を込めるが……骨棍棒はピクリとも動かなかった。
オーガモン(う、嘘だろ!? 俺様の骨棍棒がピクリとも動かねえ!? こ、こいつ、見かけによらず何て腕力と脚力をしてやがるんだ!?)
オーガモンは自身の骨棍棒を受け止めて、微動だにしないツナの細身に似合わない腕力と脚力に戦慄を覚えていた。
ツナがオーガモンの骨棍棒を片手で受け止めて微動だにしない理由は、かつて10年後の世界のミルフィオーレファミリーのメローネ基地で戦った『一番槍(アラッタッコ)』の異名と、ミルフィオーレ随一の突破力を持つ突撃兵ーー『デンドロ・キラム』の『雷槍(ランチャ・エレットリカ)』を正面から受け止めた時と全く同じである。
ハイパー化したツナ自身の腕力と脚力もあるが、右手のグローブから薄く放出され、目視さえ難しい柔の炎が支えとなっているのだ。
そのことは対峙しているオーガモンは勿論、その様子を見ているフレイドラモンやマリア達ですら気づいていなかった。
オーガモン「ぐっ、くそっ……!」
超ツナ「オーガモンと言ったか? お前、さっき俺に覚悟しろと言ったが……それはこっちの台詞だ!」
ボオオッ!!
オーガモン「っ!?」
ツナの静かな怒りと共に放たれた大空の炎にオーガモンは怯む。
そして……
超ツナ「俺の『仲間』を傷付けたことを……後悔しろ!」
オーガモン「っ!」
超ツナ「おらああっ!!」
オーガモン「ぐはあああっ!!?」
柔の炎から剛の炎へと変えた右手のXグローブによる鋭く、重い拳撃がオーガモンの鳩尾に叩き込まれ、オーガモンは大きく殴り飛ばされた。
オーガモンはこの後さらに戦慄することになる……1番怒らせてはいけない心優しき人間ーーツナの怒りに火を付けてしまったことに……
ツナの……大空の怒りの拳がオーガモンに炸裂する!
To Be Continue……
後書き
今回結構長くなったので、ツナとオーガモンの決着は次回に回します(^◇^;)
本小説のツナはJスターズ・ビクトリーバーサスのJバトルフェスティバルに参加し、ルフィや悟空等の他のジャンプ作品のキャラに会ったことがある設定です^_^
次回も応援よろしくお願いしますm(_ _)m
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