ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
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リベンジ
???
「あのタヌキめ!まさか最新式にしたイエローデビルシステムすら倒すとは!?」
モニターでイエローデビルを倒すドラえもんを見て、ミスターはどこのロボットかも分からぬ輩に対して思わず歯ぎしりをしていた。
「それに性能を極限までアップさせたコピーの小娘は何故途中で錯乱しよった!?性能は上のはずじゃぞ!?ゼロもメタルマンとの戦闘で疲弊していたにもかかわらず!!ぬうう~!!!」
ミスターは怒りのあまりにそこら辺の機械を蹴り飛ばすがしばらくすると息を荒くしながらモニターを切り替える。
「ハア・・・・ハア・・・・・・まあよい。後は改造をしたアイツがしばらくの間動けなくしたタヌキも含めてゼロたちの足止めをしてくれるはずじゃ。こっちももうすでに完成しておる。後は・・・・・おっと、いかん。収容所の方も忘れんようにせんとな。」
ミスターはコンピュータを操作しながら独り言を言い続ける。
人間収容所
ナンバーズの相手をエックスとスパイダスに任せ、マーティはサピオとタップ、しずか、玉美を連れてラッシュを先頭に収容所の中を移動していた。防衛に回っていたロボットたちも表の騒ぎでそれどころでなくなっていたため手薄になっていた。
『ワン、ワン!!』
ラッシュは、吠えながら一室の扉の前に止まる。サピオの臭いを事前にインプットしたため、一番近い両親の部屋を見つけたらしい。
「ここね。」
マーティは、扉に向かってバスターショットをチャージし、発射。槍を構えて破壊した扉の奥へと乗り込む。
「副隊長!?」
中ではガリオン侯爵夫妻たちを後ろに寄せて警戒していたビートブード達がいた。
「ビートブード!?アンタたち捕まったんじゃ・・・・・・」
「置き場所がないからと言ってここにぶち込まれたんです。幸い侯爵さんが修理してくれましたけど・・・・・・・・あっ、紹介します。我々イレギュラーハンター 第17精鋭部隊副隊長のマーティ副隊長です。」
ホーネックは、怯える侯爵夫妻を安心させるためにマーティの素性を明かす。
「あなたがサピオが連れてきたという・・・・・・・」
「サピオは・・・・サピオは・・・・・」
夫人の声を聴くとマーティの後ろからサピオが出てきた。サピオも久しぶりに見れた母の顔を見て思わず駆け出した。
「お母さん!お父さん!!」
「「サピオ!」」
サピオ親子は久しぶりの再会に思わず抱き合った。その様子を助けてもらったビートブードとホーネック、マーティは思わず感動していたがすぐに現実に戻る。
「時間がないわ。今、表でエックスがスパイダスと時間を稼いでいるから早いとこ他の人たちも連れてここから脱出するわよ。」
「スパイダス!?レプリフォースもこちらに来ているんですか!?」
「レプリフォースどころか、ハンターのほとんどがこっちに来てるわよ。尤もイーグリードたちが街でやってくれているからこっちが少し手薄になっているんだけどね。」
「侯爵さん、ここは副隊長の言うとおりに脱出しましょう。他の人たちも。」
「それもそうだ。隣の部屋には王様が、他の部屋にも何千人もの市民たちが捕らえられている。」
「アタシは、エックスの援護に戻るわ。しずか、ビートブード達と一緒に誘導お願い。」
「えぇ。」
マーティは、早速エックスに通信を入れる。
「エックス、聞こえる?こっちは市民の救出を始めたわ。今からそっちに・・・・・」
『こっちに来ちゃダメだ!!』
「えっ?」
通信先のエックスの叫びにマーティは思わず驚く。
「ど、どういうことよ!?何かあったの!?」
『クイックマンだ。今、奴と戦っている。君はそのまま一緒に避難誘導をしてくれ。』
「何言ってんのよ!そんなこと言ってまた暴走したら・・・・・・・」
言いかけた瞬間にエックスからの通信が切れる。
「もう!全く自分勝手なんだから!」
「それは副隊長も一緒じゃ・・・・・・」
「ん?」
「いえ、なんでもありません。」
「本当に・・・・・心配するこっちの身にもなりなさいよって。」
マーティは、ラッシュをジェット形態に変形させるとその上に乗る。
「あれ?副隊長、結局行くんですか?」
「何言ってんのよ?アタシはスパイダスを回収しに行くのよ。一緒に戦うって言う理由じゃないんだからエックスの命令には背いていないでしょ?」
「は、はあ・・・・・・・・」
「じゃっ、アンタたちも一緒に行ってエイリアたちの修理受けてきなさい。」
そう言うとマーティはラッシュと共にその場から離脱して行った。
エックスside
「チャージスピニングブレード!!」
エックスは、ヨーヨー状の巨大な円盤状カッターをクイックマンに向けて発射する。クイックマンは掠ることなく回避するがエックスは動いて回避することを予測し、回転したカッターを回してクイックマンを追尾させる。
「・・・・・前よりも動きを読めるようになったか。」
「ストライクチェーン!」
カッターからワイヤーに切り替えクイックマンの拘束を試みるがクイックマンはワイヤーを切り捨てると一気にエックスに接近し、サーベルを振り下ろす。
「!?」
しかし命中した瞬間、エックスが消えた。エックスは密かにソウルボディで分身を作り、クイックマンの背後に回っていた。
「チャージトルネードファング!!」
「くっ。」
ドリルを回転して突進してくるエックスをクイックマンは真っ向から受け止める。
「・・・・・・」
「うおおぉおおおおお!!」
エックスは攻撃でクイックマンに隙ができたのに生じて左腕に炎を纏わせる。
「昇龍拳!!」
「!」
クイックマンは、避けようとするが何かに引っ張られるかのように動きが一瞬鈍くなり、昇竜拳をモロに受けてしまう。
「ぐっ!?」
吹き飛ばされながらもクイックマンは体勢を立て直すが未だに体が急激な重みに襲われる。よく見てみると小型ブラックホールを発生させるバグホールがあちこちに配置されていた。
「・・・・・・・そういうことか。」
自分を攻撃しながらエックスは密かにバグホールを周囲に散開させて、クイックマンに一気に接近するところを狙って準備を進めていたのだ。
「ニードルキャノン!!」
エックスは怯んだクイックマンに隙を与えずにニードルキャノンを連射する。
「フン!」
クイックマンは、体の自由が利かないにもかかわらずサーベルでニードルキャノンの弾丸を弾いて行く。
「ホーミングトピード!!」
動きが戻りつつあるクイックマンに向かってエックスは誘導弾を発射し、武器を切り替えチャージを開始する。
「もらった!」
クイックマンはエックスの目に前にまで近づき、サーベルを振り上げる。
「チャージクリスタルハンター!」
「何っ!?」
クイックマンのサーベルがエックスの首元に触れようとした瞬間、周囲の時間の流れが急激に遅くなった。
「こ・・・・・これは・・・・・・・!?」
フラッシュマンのタイムストッパーとは異なる現象にクイックマンは一瞬、動揺する。エックスはその隙にサーベルを避け、彼の胸部にバスターを突き付ける。
「!」
「プラズマチャージショット!!」
近距離からのプラズマチャージショットにクイックマンは回避行動をすることができず、後方へと吹き飛ばされて行く。
「・・・・・・・・・」
直撃を受けて負傷しながらもクイックマンは起き上がろうとする。
「まだ動けるのか・・・・・・・・奴に限界はないのか?」
エックスは、バスターを構えながら起き上がってくるクイックマンに警戒する。
「・・・・・・・やるようになったな。」
クイックマンは、表情には見せないものの今のエックスとの戦いに不満はない様だった。逆にエックスはクイックマンの化け物染みたタフさに恐れを感じた。
(コイツを倒す方法なんてあるのか・・・・・・・スネ夫の話だと100年前に俺の兄さんにあたるロックマンが倒したって言うけど・・・・・・って言うか、兄さんどうやってコイツ倒したんだ!?)
クイックマンは、サーベルを拾うとエックスと距離を取りながら対峙する。バグホールの効力は既に切れ、体は自由になっているのだが予想以上に体に負荷がかかったこととエックスに対して迂闊に接近するのは危険と判断したのか距離を保っていた。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
双方は無言で距離を詰めていく。
カッ
両者は一瞬で距離を詰め、交互に交えた。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・クッ!」
エックスは右腕を押さえながら膝をつく。
「・・・・・・・・・」
対するクイックマンは、胸部にドリルを装填したエックスの右腕が突き刺さっていた。
接触する寸前、エックスは右腕をワザと切断させてクイックマンの胸部にチャージトルネードファングを突き刺していたのだ。
「・・・・・・・・・・・ゴフッ。」
口からエネルギーを吐き出しながら右腕を引き抜くとクイックマンはその場に倒れた。
「や・・・・・やったのか?」
エックスは、ゆっくりと歩きながら近づく。状態を見る限り、体は無理して動いたのが災いし、体のあちこちの配線が焼き切れていた。
「・・・・ここまで体を酷使して戦うなんて・・・・・・クイックマン・・・・・他のナンバーズとは比べ物にならないくらいの怪物だな。」
エックスが右腕を拾って、倒れているスパイダスの方へと向かおうとする。
「エックス!」
「マーティ・・・・・」
「あっ!?また、そんな無茶をして!!」
駆けつけたマーティは、エックスの状態を見て驚く。
「こんなにボロボロになって・・・・・・・・・って、アイツこの間ブリキン島に来た奴じゃない!?」
「何とか倒したよ・・・・・正直、少しでも遅く動いていたら右腕どころかゼロみたいに真っ二つになっていたよ。」
「・・・・・・はあ。エイリア、聞こえる?エックスが負傷したからスパイダスと一緒に転送して。幸い右腕が斬れただけだからすぐにくっつけ・・・・・!?」
「なっ!?」
通信中のマーティは、エックスと共にまるでゾンビのように体を起こしたクイックマンを見て驚愕する。
「・・・・・・・・・」
「そ、そんなバカな・・・・・・あそこまでダメージを受けて生きているなんて・・・・・」
「・・・・・・」
しかし、クイックマンはエックスを見ると無言で傷口を押さえながらその場を去って行った。エックスが武器である右腕を失っているため、標的と認めなかったのかそれとも自分の負けを認めたのかはわからない。彼は、外で待たせていたメカドラゴンに力尽きるように乗り込むとその場から離脱して行った。
「・・・・・・奴はまた目の前に現れるのかもしれないな。」
エックスは、クイックマンが落としていったサーベルを拾い上げる。自分の攻撃で酷使し続けていたにもかかわらずその刃は、未だに刃こぼれすらしていなかった。
「・・・・・・・でも、今度も負けはしない。絶対に勝ってみせる・・・・・!?い、いでででででで!?」
その直後マーティは、ワザとエックスの右腕の傷口を応急処置する。
「痛いじゃないかマーティ!」
「もう、傷口塞いでいるんだからしょうがないでしょ!すぐにベースキャンプに戻って修理するんだから我慢しなさい!」
マーティは、ふくれっ面しながら言う。しかし、その眼は怒っているのではなくむしろこれだけで済んでよかったと安堵していることがわかる。
「避難の誘導はしずかたちがやってくれているわ。アタシたちは、一旦戻りましょう。」
「・・・・・そうだね。このままだと丸腰で行くようなものだし。」
『エックス、マーティ?あなたたちの座標設定が終わったからこっちに転送するわ。問題ない?』
エイリアからの通信を聞いてエックスとマーティは負傷したスパイダスと共に一旦ベースキャンプへと戻って行った。
ゼロside
ナポギストラー王宮
コピーアイリスの最期を看取った後、ゼロとアイリスはドラえもんと合流するべく先を急いでいた。
「ドラえもんさん・・・・・無事だといいけど。」
「大丈夫だろう。俺たちと一緒に戦ってきたんだからな。」
しばらく奥へ進むとまたもや転送装置が設置されていた。二人は早速装置の中へと入り、次の部屋へと向かう。
「あっ!」
次の部屋に着いた瞬間、アイリスは目の前にあるものを見て唖然とする。
「ドラえもんさん!?」
そこには透明な結晶に閉じ込められたドラえもんがいた。
「んぐぐぐ・・・・・むぐ・・・・・」
「なんてことだ・・・・・一体誰がこんなことを・・・・・・・」
ゼロは結晶の膜を破壊しようとバスターを撃つがバスターの光弾は反射されて天井に跳ね返るだけだった。
「こいつはどうなっていやがるんだ?」
思わず二人で首を傾げていると二人の目の前に何かがゆっくりと舞い降りてきた。
「あれは・・・・・・」
よく見るとそれは丸い巻貝が回転しながら動いている姿だった。巻貝は床で軽く跳ね上がるとその中から知っているものが姿を現す。
「「マイマイン(さん)!?」」
現れたのはドラえもんと一緒に捕まっていたマイマインだった。しかし、その眼は虚ろになっており、額には「W」のマークが張り付けられていた。
「・・・・・・・」
「お前、こんなところで何をしているんだ?」
「・・・・・・・・・」
ゼロの問いに対してマイマインは答えることなく口から主武装「クリスタルハンター」を二人に向けて飛ばしてくる。
「避けろ!」
二人は避け、ジェルはドラえもんに付着する。すると結晶の膜が先ほどよりも大きくなった。
「さっきより結晶の膜が・・・・・・・」
「アイツの武器・・・・・・前よりも強化されているぞ!?まともに受けたらまずそうだ。」
「・・・・・・・・」
マイマインは見境なくクリスタルハンターを発射する。
「やめろ!俺たちはお前と戦いに来たんじゃない!!」
「ゼロ、そう言ってさりげなくドラえもんさんを盾にしたら・・・・・・・」
ドラえもんを盾にしながらゼロとアイリスは、バスターで威嚇射撃をするが殻にガードされほとんど意味がなかった。
「くっ・・・・・・・このままだとやられるのは時間の問題だ。やむを得ないがイレギュラーとして倒すしか・・・・・・」
「でも、彼は操られているだけよ?」
「・・・・・・・せめてドラえもんが動けるようになればな・・・・・・」
「・・・・・・・」
いつまで経ってもドラえもんの背後から出ようとしない二人に対してマイマインは殻に入り、回転しながら二人の方へ体当たりを仕掛けてくる。
「まずい!」
ゼロはアイリスと共に離れる。マイマインは動けなくなったドラえもんに衝突し、結晶は砕けた。
「プハッ!?た、助かった~!」
ドラえもんはマイマインの攻撃を受ける前にダッシュで二人と合流する。
「二人ともひどいよ。僕を盾にするなんて。」
「すまない、二人で隠れられる大きさだったからな。だが、おかげであいつを破壊せずに済みそうだ。」
三人はひそひそと短い作戦会議をし、すぐに三手に別れてマイマインへの威嚇攻撃を始める。
「・・・・・・・・・」
マイマインは、無言でクリスタルハンターを発射していく。ゼロとアイリスはできるだけ自分たちに攻撃を向けるように促す。その隙にドラえもんを背後に回らせ、ある武器をマイマインに付着させる。
「マグネットマイン!」
バスターから発射された機雷はマイマインの背中にくっつき、気付かず攻撃を続けていると爆発、衝撃で殻がはるか後方へと跳ね飛ばされてしまった。
「!?」
マイマインは、慌てて殻を拾おうと走り出す。
「今だ!」
「「えい!!」」
ゼロの合図と同時にアイリスとドラえもんに足を掴まれ、マイマインは盛大に転ぶ。起き上がろうとするとゼロが前に立っており、超微弱に弱められたアースクラッシュを頭部に撃ち込まれ、ショックで気絶する。
「ふう。」
気絶したのを確認すると三人は早速マイマインの頭脳回路を調べる。すると頭脳回路に「W」のマークがついたチップが埋め込まれていた。
「このチップのせいでコントロールされていたのか。」
ドラえもんの手の上にあるチップを見てゼロは顔をしかめる。
「ウィルスじゃないだけマシか・・・・・もっと詳しく調べたいが時間がない。急ぐぞ。」
ドラえもんは一旦スモールライトでマイマインを小さくしてポケットの中にしまう。
???
「ふむ・・・・・やはり、あの程度しか時間を稼げなかったか。まあいい、ここらで潮時だと思っておったしのう。」
ミスターは特殊回線を開く。
「全ナンバーズに通達、時は満ちた。全員、その場を離脱して引き上げじゃ。後は、ナポギストラーがコイツをまともに動かせるかどうかだ。」
それだけを言うとミスターは一つの透明なカプセルの中に入る。
「さて、新造したコイツのデータをどれだけ集めてくれるか・・・・・期待しているぞ、皇帝陛下殿。ヌッフッフッフッフッフッ・・・・・・ガッハッハッハッハッ!!」
次の瞬間、ミスターはカプセルの中から姿を消した。
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