外道野郎への報い
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第三章
「先輩の稼いだ三十万と俺達の二十万ですけれど」
「どう使います?」
「あの屑に払う必要なくなりましたし」
「自由ですよね」
「だったらです」
「もう自由に使っていいですよね」
「ああ、どうせならな」
どうかとだ、松田は二人に答えた。今はペットショップで話していた。犬達もいて黒犬はクロ、白犬はシロ、茶色の犬はブラウン、白黒の犬はペンギンと名付けられた。シロ以外は皆雄で皆やはり雑種だった。
「ワン」
「ワンワン」
「ワーーン」
「ワフウ」
古館に虐待されていた犬達今は保護されている彼等を見てだ、松田は二人に言った。
「こいつ等の為に使うか」
「こいつ等の為に稼いだから」
「だからですか」
「どうせならですか」
「こいつ等の為に使いますか」
「そうするか、とびきりいいペットフードとか買ってやってな」
そうしてというのだ。
「こいつ等に虐待されていた分いい目見させてやるか」
「いいですね、じゃあ」
「金はこいつ等の為に使いましょう」
「どっちにしてもこいつ等の為に稼いだ金です」
「それじゃあですね」
「そうしてやろうな」
「いいことね」
オーナーは松田のその言葉を聞いて笑顔で述べた。
「じゃあね」
「はい、そうさせてもらいます」
「その心見せてもらったわ、じゃあ里親の人達が見付かるまでね」
「こいつ等はですね」
「しっかりと美味しいものを飲んで食べて他のサービスも受けてね」
そうしてというのだ。
「貴方達のお金で幸せに過ごしてもらうわ」
「そうさせて下さい」
松田は笑顔で応えた、そうしてだった。
三人で犬達の為に五十万の金を使った、それで思いきり幸せになった犬達は今度はそれぞれ心優しい飼い主達に貰われていった。松田は岡橋そして源五郎丸と共に彼等を笑顔で見送った。そうしてこんなことを言った。
「皆幸せになってよかったな」
「ですね」
「本当によかったですよ」
「俺はそれで満足だよ」
笑顔で言った、それは何の雑念もないとても澄んだ笑顔だった。外見は不良だがその中身は違うことがわかるものだった。
外道野郎への報い 完
2020・7・26
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