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ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)

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迫りくる光速

ゼロside 海上

「霧は晴れ、空は麗らかいい気分・・・・・釣り竿でも持ってくればよかったなぁ。」

潜水艦の上でジャイアンは仰向けになりながら青々とした空を見上げていた。

「ジャイアンはいつも気楽でいいなぁ・・・・」

反対にスネ夫は、不安の表情で空を眺める。

「ん?何だありゃ!?」

前方から何かが多数接近してくるのを見てスネ夫は目を大きく開く。

「渡り鳥の群れじゃないのぉ?」

「ちょっと待って。」

スネ夫の隣にアイリスが顔を出し、双眼鏡で正体を確認する。そこには地球で見た飛行機の部隊と共に背部にプロペラを取り付けて飛行しているドクロボットたちの姿が見えた。

「敵よ!?しかもすごい数・・・・・・」

「「なっ!?なんだって!?」」

アイリスの報告に驚く二人を他所に急に潜水艦が潜水を開始し始めた。

「あっ!?船が沈んで行く!」

「お、おい!?俺がまだ入っていないぜ!?」

「ジャイアン早く!」

ジャイアンは慌てて飛び起きて船の中へと入る。

「ハア・・・・・びっくりした。急に沈みだしたんだから。」

「見た目は玩具だがちゃんとした造りになっているようだな。機能もほとんど本物と何の違いもない。」

ゼロはレーザー反応を見ながら警戒している。

「でも、勝手に潜るのは迷惑だよ(汗)。」

「そりゃそうだ。全くいい加減なんだから・・・・・・」

「アイリス、手伝ってくれ。操作の一部をマニュアルに切り替える。」

「えぇ。」

ゼロに言われてアイリスはコンピューターの操作を一部マニュアルに切り替え、潜水艦をさらに深く潜水させる。

「お、おい!なんでもっと深く沈むんだよ!?」

「潜望鏡から海中を見てみろ。潜っている敵がいる。」

「えっ?」

スネ夫は潜望鏡で潜水艦の上を除く、海上では船と隣接して空中を飛んでいるのとは別のオプションを装備したドクロボットが泳いでいた。

「ど、ドクロボット!?」

スネ夫は、思わず潜望鏡から離れて尻餅をつく。

「どうしたスネ夫!?」

「ジャイアン、ドクロボットが上を泳いでいるよ!!」

「ドクボボット?」

「ドクロボット!!『ロックマン3』に出てきたあれだよ!!」

「何だって!?」

ジャイアンも見てみる。確かに海上ではかつて自分たちがファミコンで遊んだゲームに登場したドクロボットが数機泳いでいた。

「どうなってんだこりゃ?」

「おい、二人とも何を騒いでいるんだ?」

「ゼロ、大変だよ!ドクロボットが・・・・・・」

「だから何だ?そのドクロボットというのは?」

「あっ、ゼロはあのロボットがいた時代のことは知らなかったんだった。」

スネ夫は落ち着いて話す。

「ドクロボットって言うのは、『ロックマン3 Dr.ワイリーの最後!?』に出てきたEXボスで敵のボスの能力をコピーして使う事ができるロボットなんだ。しかも、この世界だと100年前の機体でもう存在しないはずなんだ。」

「100年前?しかもここはチャモチャ星だぞ?偶然似ているだけじゃないのか?」

ゼロは、スネ夫の話を聞きながら言う。

「でも、あまりにも似すぎるよ・・・・・・こんな調子で目的地にたどり着けるのかな?」

幸いドクロボットたちはこちらに近づいてくる様子はなかった。ゼロたちは警戒しながらも目的地へと進んで行く。

























一方、その上では

「霧が出てきた!もうすぐ北極海だ!ブリキン島は近いぞ!!全艦、全速力!!」

ネジリン将軍は気候の変化を確認しながらも各艦に指令を出す。


『グワァアアァアア!!』

「ぬっ?」

その自分たちの艦隊の上空を巨大な影が飛行して行く。その姿は濃くなってきた霧の中でもはっきりとはわかり、その先端には誰かが乗っていた。

「あの方か・・・・・・・あの方が付いていれば心強いものよ。全艦、小さい物影一つも見逃すな!!」

ネジリン将軍率いる艦隊はさらに北へと前進する。




















そんな大艦隊が迫りつつあることを知らずにエックスたちは地下の大迷宮を進んでいた。

(ドラえもん・・・・・待っててくれ。必ず助けてみせるから・・・・・)






























ゼロside 潜水艦内

「アン、ンムンム・・・・・俺たち今どの辺にいるのかな?」

ジャイアンは操縦席でゼロとアイリスが捜査している中、特にやることがなかったため、持ってきた食料を食べていた。

「さあね、ずっと潜りっぱなしだから見当もつかないや・・・・・」

その隣では、スネ夫が呆れた様子で言う。彼はこんな事態だというのにいつも通りでいられるジャイアンが羨ましいと思った。

「潜望鏡からなら何か見えるんじゃないか?」

「見れば?」

「お前が見ろ!」

「わ、わかったよぉ・・・・・」

スネ夫は、渋々潜望鏡を覗こうとする。

「さっきから食べてばっかりなんだから・・・・・・」

「退屈しのぎだ。仕方ねえだろ。」

スネ夫は潜望鏡で海上の様子を見てみる。

「あっ!」

海上にはまだ遠いが街が見えていた。

「あれが首都のメカポリスかな?」

「何ッ!?俺にも見せろ!」

ジャイアンもスネ夫から代わって潜望鏡を覗く。

「おぉ!!目的地は近いぞ!」




























メカポリス近くの海岸

潜水艦を海岸近くに停泊させるとゼロ達四人は、街へ乗り込む準備を始める。

「エネルギーに関しては問題ないな・・・・・・こんな時にバスターが本調子ならいいんだが。」

ゼロは右腕をバスターに変形させながら言う。

ブリキン島の施設でケインにチューンアップしてもらったのだがやはりチャージショットは撃つことができず、発射までのタイムラグは僅かしか短縮できなかった。

せめてもの形として以前イレイズ事件で製作したソウルパーツをベースに製作した強化パーツをバスターに組み込んで少しながら改善してみたがそれでも心もとない。

「ごめんなさい、私にバスターを組み込む時にゼロのものを使っちゃったから・・・・・・・」

「いや、あれは元々前の俺のボディに合わせて調節されたものだから仕方ない。サポートの時は頼むぞ、アイリス。」

「はい。」

「ジャイアン、大丈夫かな?」

「心配ねえって!」

かくして四人はメカポリスへと向かって行く。





























エックスside ラビリンス

「だいぶ上り下り繰り返しているけど、研究室まではまだ半分も行っていないのかい?サピオ。」

フォースアーマーを展開して、ホバリング飛行で降下しながらエックスはサピオに聞く。

「えぇ、おそらくまだ四分の一も行っていないでしょう。・・・ただ一度で辿り着けないのは先祖もわかっていたのかあちこちに休憩所が設けられています。ケインさんや玉美さん、しずかさんも疲れるでしょうから何回か休憩を挟んで進みましょう。」

しばらく移動するとその休憩所の部屋があった。

「3時間歩いたので、軽食を取って1時間ここで休みましょう。」

「んん?そうか?儂はまだいけるが。」

「休憩するときはするもんよ。歩けなくなってもおぶってやらないんだから。」

「冷たいのう・・・・(涙目)」

一同は部屋の中に入りテーブルを囲んでいる椅子に座る。

「タップ、食べ物を出して。」

サピオが言うとタップは先ほど口に放り込んでおいた食料をエックスたちに配る。

「しかし、タップはすごいわね。そんな小さい体で何でも出しちゃうなんて。」

「まるでドラちゃんのポケットみたい。」

「あぁ・・・・・・」

しずかの言葉を聞いてエックスは少し寂しそうな顔をする。

「ドラえもんって・・・・皆さんにとってとても大切な友達なんですね。」

「もちろんさ、俺にとってもみんなにとってもかけがえのない親友さ。・・・・だから、何としても助け出したいんだ。もう、あんなことにならないように・・・・・・・・」

「・・・・・・ドップラー博士の反乱の時ね。」

「・・・・・そんな友達を持てるなんて・・・・羨ましいです。」

「何を言っとるんじゃ。もう、サピオ君もタップたちも立派な仲間ではないか。」

ケインは笑いながら出してもらったハンバーガーを頬張る。

「ケインさん・・・・・・」

「んん・・・・・んっ!?」

ケインは顔を真っ赤にした。

「タップ・・・・・・・これ・・・・・」

「あっ、間違えてピリ辛チキンバーガー出しちゃったみたい。」

「もう・・・・・・」

頭をボリボリして申し訳なさそうに謝罪するタップを見ながらケインは手元のジュースを勢いよく飲む。

「ブホッ!?ゲホッ、ゲホッ!!」

「もう・・・・食べる前に確認しなさいよ。」

咳き込んだケインの背中をマーティはまるで娘のように擦る。口では冷たいように言うが接する態度はその正反対なのがサピオの目から見ても明らかだった。

「ふう・・・・ん?」

その直後エックスに通信が入った。

「こちら、エックス。」

『エックス隊長!緊急事態です!!』

通信先からビートブードの慌ただしい声が聞こえてくる。

「どうしたんだ、ビートブード?」

『ホテルの探知機に複数の反応を確認して三人で外に出てみたんですが敵の大群です!今はバグホールで攻撃を何とか凌いでいるのですがこのままでは・・・・・ブツッ!』

「ビートブード!ビートブード!?」

同時に部屋を振動が襲った。

「こ、これは!?まさか!?」

サピオも状況を理解した。

「みんな!早く移動するぞ!敵が攻撃をしてきた!!」

エックスは急いで休憩所を後にして移動を再開する。


























ブリキン島 地上

「撃て撃て!!ブリキン島を吹き飛ばせ!!」

ネジリン将軍の命令で艦隊はブリキン島へ向かって砲撃を開始する。

「チャージバグホール!!」

ビートブードは、周囲に小型ブラックホールを発生させ、砲弾をホテルに直撃させまいとするが島には続々とドクロボットたちが上陸する。

『・・・・・・・(ターゲット確認、ウェポン選択・・・・・・クラッシュボム。)』

『・・・・・・・(ウェポン選択・・・・・・エアーシューター。)』

『・・・・・・・(ハードナックル。)』

ドクロボットたちは、同じ外見でありながらそれぞれ違った武器で攻撃を開始する。

「ぐっ!?」

「ビートブード!?」

ブートブードが攻撃を受けたことによりブラックホールの威力が弱まり、ホテルに砲弾が命中し始める。

「まずい!?パラスティックボム!!」

ホーネックは小型ハチ爆弾を周囲に展開し、ドクロボットたちを次々と爆破していく。

「ブラララアアアアァアアァアァ!!!」

マンドリラーは腕をドリルに変形させ、ドクロボットたちが武器を使う前に数体同時にその脇腹を抉り取り、艦隊の方に向かって放り投げる。ドクロボットは火花を散らしながら、艦にぶつかり周囲の船諸共爆発する。

「ぬうぅ!?おのれ!攻撃の姿勢を緩めるな!!航空機動部隊、爆撃開始!!」

続いてはドクロボットを加えた航空部隊が爆弾を投下し始める。

「くっ!このままでは・・・・・・!?」

ホーネックは一瞬、背後から凄まじい殺気を感じ、距離を取る。

「い、いつの間に!?」

そこには、頭部に三日月の角を持った全身オレンジの体色のレプリロイドが立っていた。霧のせいで視界が悪かったこともあったが気配を一切感じることもなく自分に近づいたことにホーネックは恐怖を感じた。

「・・・・・・・奴はどこだ?」

「!?」

口を開いたロボットに対して、ホーネックは思わずゾッとした。

奴とは誰なのか?

よくわからなかったが敵である以上戦うしかない。

「そんなこと知らん!パラスっ!?」

次の瞬間、ロボットは一瞬にしてホーネックの背後に回り先ほどまで持っていなかったブーメラン型サーベルで彼を斬りつけた。

「があぁ・・・・・・・ぜ、ゼロ隊長・・・・・・アイリスさん・・・・・・・」

「ホーネック!!」

倒れたホーネックを見てビートブードは動揺する。

先ほどの動きは自分にも見えなかった。

あの速さは、今のイレギュラーハンターは愚か今は亡き自分の兄であるクワンガーすらも上回るスピードだというのは言うまでもない。

「ブラアアアァアアァァアア!!」

そのロボットの背後をマンドリラーがドリルをもって飛び掛かる。ドリルに電流を流し、伝導率を上げて相手に突き刺そうというのだ。

「マンドリラー、止せ!」

「・・・・・・・・・・」

「あらっ!?」

ロボットは瞬時にマンドリラーの攻撃を回避し、ドリルを切断した。さらに高速で彼の背後に回り斬りつけ、ダウンさせてしまう。

「そんな・・・・・・バカな・・・・・・・」

マンドリラーもまともにダメージを与えることができずに倒れてしまう。残されたのはビートブードのみだ。

「そんな・・・・・・」

元とは言え、自分も含めて特A級ハンターが3人もいたというのにこの一瞬で二人も倒されてしまった。一方のロボットの方はほぼ無傷だ。

「・・・・・・・・」

(あのロボット・・・・・・本当に連中の仲間なのか?あの速さは死んだ兄貴よりも速かった。あの速さで移動しながら何ともないのか?)

「・・・・・・・奴は・・・・・・末弟(ゼロ)は・・・・・・どこだ?」

「ぜ、ゼロ隊長だとっ!?」

ロボットはサーベルを構え直しながらビートブードに近づいてくる。

(こいつにはバグホールでの攻撃は意味がない!近づいた瞬間を迎え撃つしかない!)

ビートブードはバスターからブーメランカッターを展開して発射せずに構える。

「・・・・・・・」

答える気がないと分かったのかロボットは足を止める。

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」


























ガッ





「・・・・・・・・」

「・・・・・・・ぐうぅ・・・・・」

一瞬の出来事でビートブードはその場に倒れる。その腹部には大きな切傷ができ、火花を散らしていた。一方のロボットの方は、右腕にブーメランカッターが突き刺さっていたがすぐに引き抜く。

「す、すみません・・・・・・・・・エックス隊長・・・・・俺は・・・・俺たちは何も・・・・・・・」

ビートブードはそのまま倒れて気を失ってしまう。

「・・・・・・・・・・エックス。それが奴の後継機か。」

ロボットは、彼の元にブーメランカッターをそっと置くと攻撃が激しくなる前に乗ってきたメカドラゴンに乗り、一旦島から離れた。













その頃、攻撃が強まると察知したエックスたちは、急いで地下の方へと移動をしていた。

「早く、地底深くまで潜らなくては!」

「みんな、急げ!!」

いくつかの階段を下り、エックスたちは通路へと差し掛かる。

しかし、空爆で上部のホテル部分が破壊されたため、爆発の衝撃で壁の一部が吹き飛び土砂が通路を塞ごうとする。

「みんな急げ!」

そう言った矢先に自分のすぐ隣で玉美を背負いながら走っていたマーティが土砂に呑まれそうになる。

「マーティ!」

エックスは彼女を突き飛ばして呑み込まれるのを阻止したものの代わりに自分が土砂に呑まれてしまった。

「うわあぁああ!?」

「お兄ちゃん!?」

「エックス!?」

マーティは、玉美を抱えたままエックスの手を掴もうとするが全員そろって土砂に流されていった。
 
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