ドリトル先生の競馬
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第十二幕その十一
「生きているんだ」
「神道の考えかな」
「そうだよ」
「やっぱりそうなんだね」
「素晴らしい考えだと思うよ」
「そうだよね」
「このお酒も」
先生は日本酒を飲んでからまた言いました。
「その中にあってね」
「命があるんだね」
「お米の中にね」
「そういうことだね」
「だから有り難いと思って」
そうしてというのです。
「飲んでいこうね」
「それじゃあね」
「このお酒は」
サラも日本酒を飲みつつ言います。
「もう一度飲んだらね」
「サラ日本酒好きだね」
「大好きになったわ、つまりね」
先生にこうも言うのでした。
「一度飲んだら病みつきになる」
「そうなるんだね」
「そう言うわ」
まさにというのです。
「私は」
「そういうことだね」
「そうよ」
「ウイスキーやワインとはまた違いますからね」
トミーも日本酒を飲みつつ言います。
「日本酒は」
「ええ、本当にね」
「エールやジンとも」
こうしたお酒ともというのです。
「違っていて」
「独特の味があって」
「私は大好きよ」
「そうですよね」
「うちも人も好きで」
日本酒をというのです。
「よく飲んでいるわ」
「そうですか」
「だから今回日本に来られなくて」
それでというのです。
「残念がっているわ」
「そうなんですね」
「どうにもね」
「じゃあお土産に」
サラに今のお話を聞いてです、先生は言いました。
「一本でもどうかな」
「日本酒の瓶をなのね」
「そうしたらどうかな」
「いいわね」
サラは先生の提案に笑顔で頷きました。
「それじゃあね」
「ご主人のお土産にね」
「日本酒の瓶を一本ね」
「買っていくね」
「ええ、そうしてね」
それでというのです。
「飲んでもらうわ」
「そうしたらいいよ」
「兄さんの言う通りね」
「うん、しかしサラには」
「私には?」
「結構会うね」
「だってよく来日してるから」
だからとです、サラは先生に答えました。
「それならね」
「結構会うのもだね」
「当然でしょ、それぞれ離れて暮らしていても」
イギリスと日本にです。
「それじゃあよく会うのもね」
「道理だね」
「そう、私が日本に来てね」
そうなってというのです。
「それも道理よ、それで兄さんいつもね」
「いつも?」
「幸せそうね」
「実際に幸せだよ」
「そのことが何よりよ」
こう先生に笑顔で言うのでした。
「本当にね」
「健康だし皆がいてくれて」
「それでなのね」
「本当に幸せだよ」
「それが何よりよ、じゃあね」
「これからもだね」
「ずっと幸せにいてくれてね」
先生に笑顔でお話しました。
「いいわね」
「そうなる様にしていくよ」
「是非ね」
「じゃあ今は幸せになる為に」
王子が皆に言いました。
「もっと飲んで食べて」
「楽しむことだね」
「そうしようね」
こう言って実際にでした。
先生もサラも皆と一緒に今はすき焼きと日本酒を楽しみました、そうしてそのうえで今も幸せになるのでした。
ドリトル先生の競馬 完
2019・9・11
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