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ドリトル先生の競馬

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第十二幕その七

「本当によかったよ」
「イギリスにずっといたけれど」
 ここで言ったのはチーチーでした。
「その時はどうなっていたかな」
「ちょっと想像つかないわね」
 ガブガブはチーチーの言葉に首を傾げさせました。
「その場合は」
「ずっとあのままだったかな」
「患者さんの来ない病院で一緒にいて」
 チープサイドの家族は少し考えました。
「時々お話が来て旅に出て」
「また病院に戻って静かな生活かな」
「あの生活のままずっとだと」
 老馬も想像していました。
「先生も僕達もこんなに色々経験していないかもね」
「今の僕達は色々あるからね」
 トートーも言います。
「イギリスにいた時と比べて遥かに」
「日本のあちこちに行ったりして」
 そしてと言ったのはジップでした。
「素敵な日々を過ごせているからね」
「そうしたことも考えると」
 ポリネシアの口調はしみじみとしたものでした。
「私達は日本に来てよかったわ」
「そうしたことを思うと」
「僕達が日本に来たのは神様のお導きで」
 オシツオサレツも考えました。
「先生に素晴らしい出会いと旅をさせてくれて」
「幸せにしてくれる為だったんだ」
「この幸せは」
 まさにと言ったダブダブでした。
「神様の贈りものだね」
「そうだね、日本にいて悪いことは」
 それはといいますと。
「何一つない位だからね」
「そうだよね」
「こんないいことはないよね」
「そうした生活を送ってもらう為にね」
「神様は先生を日本に送ってくれた」
「そうなんだね」
「そう思うと」
 先生は暖かい笑顔になって言いました。
「神様に感謝せずにいられないよ」
「全くだね」
「その通りだね」
「じゃあね」
「今はね」
「神様に感謝しながら」
「この幸せを満喫しましょう」
 皆も先生に笑顔でお話します。
「そしてそのうえで」
「王子のお家にも行って」
「そしてね」
「すき焼きも食べましょう」
「是非ね」
 こうしたことをお話しているとでした、先生の携帯の音楽が鳴りました。電話に出るとサラからでした。
「兄さん、また近いうちにね」
「日本に来るんだね」
「今度は私一人でね」
「おや、ご主人は一緒じゃないのかい?」
「うちの人その時はベルギーに行くから」
 それでというのです。
「今回はね」
「サラ一人でなんだ」
「そう、来日するから」
 そうするというのです。
「だからね」
「サラだけが来るんだ」
「そうなの」
「それで何時かな」
「その日はね」
 何時かとです、サラは先生にお話しました。すると先生はサラに笑顔になってこう答えたのでした。 
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