レーヴァティン
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第百六十二話 普通の難しさその十
「そうした教師が存在出来る」
「そうでありますか」
「だからだ」
それでというのだ。
「クビにならないかというとな」
「ならないでありますか」
「そしてそうした教師がだ」
英雄はさらに話した。
「日本の教育を腐らせている」
「現在形で」
「もっと言おう、現在進行形だ」
英雄は峰夫の言葉をこう訂正して述べた。
「それでだ」
「では今こうしている間にも」
「そうした教師は暴力を振るってな」
生徒に対してだ。
「傷付けてのうのうと教壇に立っていてだ」
「教育を腐敗させているでありますか」
「俺が見た体育会系はそいつだ」
その教師だというのだ。
「だからだ」
「それで、でありますか」
「全否定している」
「そうでありますか」
「今もな、しかしな」
「しかし?」
「別に体育会系でなくてもな」
それでもとだ、英雄はこうも言った。
「スポーツが出来ることはわかった」
「というか体育会系は日本だけだろ」
桜子が言ってきた。
「ああしたのは」
「そうだな」
「他の国にはね」
「ないな」
「多少軍隊的なものはあっても」
それでもというのだ。
「ああしたバンカラなのはね」
「古い言葉を使うな」
「バンカラだね」
「随分とな」
「そうだね、けれど実際にだろ」
「体育会系は、だな」
「バンカラの世界だね」
こう英雄に話した。
「そうだね」
「確かにな」
「ああしたのはね」
体育会系イコールバンカラの空気はというのだ。
「日本だけでね」
「他の国はスポーツマンシップだ」
英雄は言い切った。
「それがある」
「そうだね」
「上下関係や理不尽な不文律よりもだ」
「それがあるね」
「そのことはいいことだ」
「体育会系がハバを利かせてないだけに」
「精神論も無闇に強い」
体育会系の世界ではそうだというのだ。
「そして無駄に無理もさせる」
「正座させたりね」
「正座を長い時間して何の意味がある」
英雄は問う様にして言った。
「足が痺れるだけだ」
「意味がないんだね」
「正座をする位ならだ」
それを罰則とするならというのだ。
「走らせた方がずっといい」
「トレーニングにもなるし」
「その方がいい」
「罰則にもですね」
「そうだ、ただの正座なぞだ」
それこそというのだ。
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