| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五十九話 先輩と神戸でその十五

「一緒にいてあげてね。あと私もお土産買うしね」
「ご家族に、ですね」
「あと実は」
 先輩は照れ臭そうに笑ってこうも言いました。
「今付き合ってる子がいて」
「あっ、そうなんですか」
「同じ歳のね」
「ひょっとして同じ大学の」
「そうなの。彼のお家は大阪だけれど」
「ひょっとして高校も?」
「高校は違うけれど」
 天理高校ではないというのです、付き合っている人が通っておられた大学は。
「けれどね」
「大学に入学されてからですか」
「同じサークルで知り合って」
 そうしてというのです。
「今付き合ってるの」
「そうなんですね」
「とてもいい子で。一緒にいてね」
 先輩は今度はにこりと笑ってお話してくれました。
「一緒にいて楽しいの」
「そうした人ですか」
「私のことも受け入れてくれて」
「先輩を」
「いい面も悪い面もね」
 その両方をというのです。
「そうした器の大きい人で」
「今は一緒にですか」
「そう、楽しくお付き合いしてるわ」
「それはいいことですね」
「そうよね、よかったわ」
 先輩は私にとても充実した笑顔で言いました。
「素敵な人とお会い出来て」
「それで交際出来て」
「それでね、それで私はね」
「ご両親とですね」
「その人にね」
 三人にというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧