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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十六話 董卓、赦されるのことその二

「この時代に何で女ものの下着とか今の時代の俺達の服があるんだろうな」
「それがあまりにも妙だ」
 マルコもそのことについて言及する。
「どういう世界なのか」
「そういう世界だって簡単に考えたらどうかしら」
 今言ったのは孫策だった。
「確かにわからないことだけれどね。お互いにね」
「そう考えるべきじゃな」
 山田十兵衛である。
「綺麗なお姉ちゃんが一杯いるとのう」
「むっ、そういえば御主」
 袁術はその山田を見て怒った顔で言った。
「昨日七乃が風呂に入る時に風呂場の周りをうろうろしていたな」
「それは気のせいじゃ」
 自分ではこう言う山田だった。
「わしはそんなことはしておらんぞ」
「信用できんのう」
 袁術はそのことを本能的に察して述べた。
「絶対に覗こうとしておったな」
「ああ、この爺さんな」
 ビッグベアが山田について話す。
「実は若くて可愛い女の子が何よりも好きなんだよ」
「おい、ここでそれを言うか」
「だからな。あんたその癖止めろよ」
 ビッグベアは呆れる顔で山田に注意する。
「全く、いい歳してな」
「わしはまだ七十じゃぞ」
「わしより年上ではないのか?」
 タンがその山田に言う。
「わしは六十九じゃからのう」
「ええい、人生は七十からじゃ」
「ったく、この爺さんは」
 ロックも山田のその言葉に呆れる。
「歳を取っても悪い意味で元気だな」
「人間七十だともう」
「古稀だけれどな」
 顔良と文醜がひそひそと話す。彼女達の世界でもだ。この時代はそうなのだ。
「それでこうって」
「ある意味凄いよな」
「わしは二百まで生きるぞ」
 また言う山田だった。
「そうしてずっと女の子と一緒に遊ぶのじゃ」
「それはいいとしまして」
 袁紹はその山田を醒めた目で見ながら話した。
「貴方が若しセクハラをすれば」
「セクハラとな」
「その時は容赦しませんわよ」
 こうだ。山田を見据えて言うのである。
「打ち首ですわよ」
「打ち首とな」
「ええ。セクハラは死罪」
 袁紹の言葉は厳しい。
「我が軍の軍律ですわ」
「ううむ、恐ろしい軍律じゃな」
「婦女子への乱暴を禁じるのは当然のことよ」
 曹操も山田に話す。
「それと一緒よ」
「せちがらい世界じゃ」
「だから爺さんは爺さんらしくしろ」
 ロックは今度は山田に強く忠告した。
「さもないと本当に首と銅が生き別れだぞ」
「それは困った」
「まあそれで反省する様には見えないけれどな」
「ああ、この爺さんの辞書にはそんな言葉ないからな」
 ビッグベアがロックに話す。
「そのことは安心してくれよ」
「安心することか?それは」
「まあそう考えてくれ」
「それはそうとしてじゃ」
 タンがここまであれこれ雑談してからだ。袁紹達に尋ねた。
「その董卓殿じゃが」
「あの娘のことですわね」
「してどうするつもりなのじゃ?」
 タンが彼女達に尋ねるのはこのことだった。
「やはりここは」
「あの娘が見てから考えますわ」
 これが袁紹の今の言葉だった。
 
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