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ロックマンZXO~破壊神のロックマン~

作者:setuna
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最終話 歴史の分岐

 
前書き
ZXAの隠しイベントはDASHを意識しているので、DASHに繋がるということは…ZX主人公達はトーマスを止められなかったってわけで… 

 
モデルVの反応をキャッチし、ヴァンとエールはアッシュとグレイに協力を要請してかつて人間の理想郷と呼ばれていたネオ・アルカディアだった遺跡に赴いていた。

「ねえ、ヴァン。本当にモデルVの反応があったの?」

「ガーディアンベースのレーダーは優秀だ。モデルVの反応なら尚更見逃すはずがない。」

アッシュの問いにヴァンは即答しながら通路を歩いていくと、奥からイレギュラーの大軍が現れた。

「こんなにも大量のイレギュラーが現れるなら…どうやらレーダーの故障と言うわけでもなさそうね」

「モデルVのオリジナルのことを考えれば復活も有り得ないことじゃないよ」

「?どういうことなんだ?それ?」

「モデルVのオリジナルは元々は人間だったが、数百年前の戦争よりも遥か昔…人間とレプリロイドの大半を死滅させた元凶として不死の体に改造されていた。それを基にしたモデルVもそうであってもおかしくはない」

オリジナルの過去のデータを持つモデルXとモデルZがそう言うと、四人はイレギュラーを迎撃した。

そして粗方片付けた後にプレリーからの通信が入った。

『ヴァン!そこにあなた達以外のライブメタル反応を複数キャッチしたわ!』

『この反応はモデルH達です!』

プレリーとフルーブの言葉に全員が気を引き締めた。

「モデルH達か…ということはあいつらもいるということか」

「正解!」

聞き覚えのある声に反応して上を見上げると、ヘリオス達がいた。

「逃れ得ぬ運命…やはりお前達か」

「今度は負けないよ!」

「今度こそお前達を倒す!」

「コレヨリ、完全破壊ヲ開始スル!!」

四人のロックマンが着地と同時に武器を構え、ヴァン達も武器を構えたが、聞き覚えのある声にそちらに意識が向いた。

「ここはかつて、ネオ・アルカディアと呼ばれ、人間の偽りの理想郷であった。」

「この声は…まさか…」

「三賢人、マスター・トーマス!?」

「偽りの英雄によって得られた偽りの平和の象徴とも言えた場所だ。」

姿を現したトーマスにアッシュとグレイは驚愕するが、ヴァンとエールはトーマスの握り締めている物に表情を歪めた。

「モデルV…お前がモデルVを復活させたのか!?」

「アルバートを倒したのにどうして…!?」

「いくらアルバートとは言え人間だ。全てのモデルVを掌握することなど不可能。私は秘密裏に入手したモデルVに手を加えた。」

「ちょっとマスター・トーマス!何でこんなことしてんの!?アルバートを倒すためにアタシ達を助けてくれたのに!?」

アルバートを倒すのに力を貸してくれたトーマスがアルバートのようなことをするなどアッシュは信じられずに叫ぶ。

「そうだ、あの時のアルバートは間違っていた。だからこそ私は君達に助力した。しかし、私は彼の行動に一つだけ同意出来ることがあった。この世界はリセットすべきだとな」

「黙って聞いていれば…ふざけるな!!」

アルティメットセイバーを構えてトーマスに斬りかかるヴァンの前にヘリオス達が立ちはだかる。

「邪魔はさせないよ!」

「退け!!」

テティスを殴り飛ばしてそのままトーマスの元へと突撃するヴァン。

「アタシ達も行くわよ!!」

「「う、うん!」」

エールとアッシュとグレイがヘリオス達を押さえ、ヴァンはトーマスにセイバーを振り下ろす。

「甘い」

「っ!それは!?」

モデルVのロックマンに変身しただけならば大して驚きはしなかった。

アルバートのDNAさえあればライブメタルでの変身が可能なのは自分達の存在が証明している。

驚いているのはトーマスが握っている武器だ。

それはトーマスが常に手にしていた剣型の杖のような形状をした武器はモデルVを遥かに上回るプレッシャーを放っている。

「ウロボロスだ。正確にはウロボロスだった物だがね」

距離を取ってウロボロスを一振りすると、凄まじい衝撃にヴァンは襲われる。

「ぐっ!?」

「耐えたか、アルバートはウロボロスなら勝てると踏んだようだが、この結果では怪しいものだな。まあ、破壊神とさえ言われた純粋な戦闘用レプリロイドのライブメタルと不死身とは言え人間のライブメタルでは当然と言えば当然だが」

「舐めるな!」

再び距離を詰めてヴァンとトーマスはセイバーとウロボロスをぶつけるが、武器の出力ではやはりセイバーではウロボロスには敵わない。

「君の力は素晴らしいな。この世界をやり直すためにその力を振るうつもりはないかな?」

「断る!何故この世界のリセットをしようとする!?あんたは数百年前の悲惨な戦争を経験したんじゃないのか!?」

「そうだ、当時の私は戦争が終わったばかりということで精神的な余裕がなかった。あのような小娘の案など受け入れるべきではなかった。このような偽りの世界などあってはならない」

「何が偽りだ!?みんなが、人間とレプリロイドが共存し、支え合っているじゃないか!?モデルVが消滅してイレギュラーが減少していたのに、ようやく人々が安心して暮らせる段階に入ろうとしているのにあんたは何が気に入らないんだ!?」

「これが本当の意味での人間とレプリロイドの共存と言えるのかな?あの小娘の案は人間に機械の体を与え、レプリロイドに寿命を与える。それは互いの悪い部分から目を背けただけだ。人間の短命と脆さとレプリロイドの永遠とも言える時間と向き合えてようやく本当の共存と言えるのではないのかな?」

「貴様はプレリーの姉さんがどんな思いで人間とレプリロイドの共存のために戦ったのか…その想いを知ろうとは思わないのか!?」

「私はこのような世界は認めない。この世界に至る個人の想いなど関係のないことだ。」

「貴様…!貴様がこの世界を認めようと認めまいと…貴様のやり方でたくさんの人が傷付く!そんなことを認めるわけにはいかない!貴様はここで倒す!」

話し合いで分かる相手ではないと断定、ヴァンはトーマスを倒さなければ大変なことになると、ウロボロスを受け止めていたセイバーを持つ腕の力をわざと弱めた。

「むっ?」

「ダブルチャージバスター!!」

バスターショットを構えて至近距離でのダブルチャージバスターがトーマスに直撃して吹き飛ばした直後、上空から光が溢れた。

誰もが上を見上げると、そこには純白の天使を彷彿とさせるアーマーを纏う一人の女性。

「見つけた…紅…破壊…」

「何だあいつは…?」

「なるほど、ミハイル。それが君の答えか」

ヴァンが突然現れた存在に困惑し、トーマスがミハイルの刺客であることを察した。

「え?誰?」

「女の人…?」

「あの顔…プレリーの部屋の写真にあったプレリーのお姉さんに…」

『お姉ちゃん!』

ガーディアンベースから聞こえてきたプレリーの声にヴァン達は驚愕した。

あれが、ガーディアンの初代司令官?

「本当なのかプレリー?」

『ええ、見間違えるわけない。シエルお姉ちゃ…』

シエルは腕をバスターに変形させてガーディアンベースにショットを直撃させた。

「「なっ!?」」

『お、お姉ちゃ…!?』

墜落していくガーディアンベースに追撃を加えようとするシエルにエールが阻止する。

「止めてっ!」

「っ…邪魔をするな…」

「あれはガーディアンの初代司令官じゃないのか!?」

「さっきトーマスがミハイルって言ってたわよね!?まさか…」

アッシュがミハイルに通信を繋ぐと、すぐに繋がった。

『儂じゃ…』

「ちょっと、あの白いのは何なの!?あんたの差し金なんでしょ!」

『そうか…Dr.シエルは無事に着いたか』

「何でガーディアンの初代司令官がロックマンみたいになってんのよ!?」

『みたいではない、儂が作ったライブメタルで変身したロックマンじゃよ。かつて、偽りの理想郷の主であった偽りの英雄。Dr.シエルが作ったレプリロイドを基にしたロックマンじゃよ』

ミハイルの言葉を聞いたアッシュが歯軋りする。

「ガーディアンの初代司令官とは繋がりがあるって聞いたことがあるんだけど…まさかあんた…」

『トーマスがこのようなことをするのを見越してじゃ…保護していたDr.シエルにアルバートのDNAを刻んでロックマンにした。』

「最低よ!」

ミハイルとの通信を切ると、アッシュはグレイと共にヘリオス達の相手をする。

「プレリー、聞こえるか!?プレリー!!」

『え、ええ…こっちは大丈夫…何とか不時着出来るわ…アッシュとマスター・ミハイルとの通信を聞いていたわ…お願い…シエルお姉ちゃんを…助けて…』

「分かってる…でもトーマスをどうにかしないと…エール、プレリーの姉さんを頼む!」

「ええ、任せて!」

ヴァンがトーマスを、エールがシエルの相手をする。

「紅…破壊…許さな…」

「…それでは始めようではないか。私の創る未来か、それとも君達の望む未来のための最後の戦争を!!」

ウロボロスを掲げながらトーマスは叫んだ。

「どいつもこいつも…どうして…大人しく平和に暮らせないのよーっ!!」

ヘリオス達と戦いながらアッシュは怒りを抑えきれずに叫び、その声が周囲に響き渡った。












この戦いの後には二つの未来がある。

一つは…。

「お姉ちゃん…」

「プレリー……大丈夫だ。必ずプレリーの姉さんは目を覚ます。」

「ええ、お姉ちゃん…今はゆっくり休んでね…お姉ちゃんが休んでいる間は…私が頑張るから…」

死闘の末にトーマス達を倒してモデルVを完全に消滅させ、ヘリオス達からモデルH達を取り戻して現在の世界が続く未来。

そして…もう一つの未来は…。











トーマスにヴァン達が敗北し、世界がリセットされてしまった遥か未来…とある遺跡の中で青いアーマーを纏った少年が佇んでいた。

『ロック……ロック…ロック?聞こえる?』

「聞こえるよ、ちょっと調子悪いけど」

『急に無線が途絶えたからびっくりしちゃった。』

「こっちは大丈夫。今、開けてるのが多分最後だと思う」

扉を抉じ開けて少年は奥へと向かう。

そこにあるお宝を目指して…。

これはトーマスによって世界がリセットされ、人々が新たな生命体へ取って変わられた未来であった。 
 

 
後書き
最後にちょいとばかしDASHシリーズの二人に出てもらいました。

シエルと言えばコピーエックスです。

オリジナルでコピーエックスライブメタルに出てもらいました。

多分オリジナルより強いと思う。 
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