ヘタリア大帝国
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TURN44 インド独立その八
エイリス軍も何とかビームを放とうとする。しかしそれはまだ陣形が整っておらず散発的なものだった。それに対して。
日本軍は組織的、軍全体で攻撃を浴びせる。これでは例えどれだけ数が違っても勝負にならなかった。
東郷は長門の艦橋からだ。こう命令していた。
「戦艦、そしてミサイル艦をだ」
「集中的にですね」
「攻撃するのですね」
「そうだ。まずはそうした艦艇からだ」
攻撃をするというのだ。
「倒していく。ここでのエイリス軍はビームやミサイルを使う艦が多い」
「だからこそですね」
「そうした艦艇をまず潰しますか」
「そうする。まずは戦艦を倒せ」
第一はそれだった。
「そしてだ」
「そしてですね」
「そのうえで」
「鉄鋼弾攻撃も用意する」
それもだというのだ。
「酸素魚雷だ。いいな」
「了解です」
今東郷に応えたのはエルミーだった。
「それでは今から」
「今回はネルソン提督のヴィクトリーよりもだ」
「他の艦をですか」
「狙ってくれ」
そうしてくれというのだ。
「いいな。それではな」
「わかりました。それでは」
エルミーは東インド会社軍の二隻の戦艦を見た。その戦艦に対してだ。
照準を合わせた。潜望鏡でその戦艦達を見ながら部下達に話す。
「では今からです」
「はい、攻めますね」
「これから」
「魚雷発射用意です」
エルミーは言う。
「いいですね」
「攻撃目標は」
「あの戦艦達です」
丁度目の前にいる二隻の戦艦だった。既に照準は合わせている。
その戦艦達を見ながらだ。エルミーはまた部下達に言った。
「ボタンは私が押します」
「では司令、お願いします」
「ここは」
「はい」
エルミーは彼等の言葉に頷きそうしてだった。
ボタンを押した。忽ちユーボート達から魚雷が放たれた。
魚雷は至近距離で二隻の戦艦の側面を直撃した。それによってだった。
その戦艦達は航行不能に陥った。クリオネはその一部始終を見て瞬時に叫んだ。
「サフラン、アグニ!」
「大丈夫です」
「僕達は生きてますから」
「そう、よかったわ」
二人がそれぞれモニターに出て来たのを見てだ。クリオネはまずはほっとした。
それからだ。こう言ったのだった。
「二人共大丈夫なのね」
「ですが乗艦は航行不能になりました」
「僕の方もです」
「攻撃もできません」
「戦闘不能です」
「うう、辛いわね」
主力兵器である戦艦が二隻も行動不能になってはだ。クリオネにしても困ったことだった。
それで頭を抱えることになった。だがここで。
クリオネの周囲の艦艇も次々と太平洋軍も攻撃を受ける。それを見て叫ぶクリオネだった。
「まずい、このままじゃ!」
「全軍の損害が三割を超えました!」
「大変です!」
「社長、ここはどうしますか!?」
「今は!」
「戦うしかないわよ!」
クリオネはヒステリックに言葉を返した。
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