ロックマンZXO~破壊神のロックマン~
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第七十一話 ウロボロス
前書き
前作のプレリーが出てこなかったの残念だった。
アルバートのアジトから無事に脱出したアッシュは急いでヴァンに通信を繋いだ。
「ヴァン!聞こえる!?返事して!」
もしかしてアジトに生き埋めになったのかと思ったアッシュだったが。
『ああ、俺だ。勿論聞こえてる…心配するな。お前達が使ったトランスサーバーとは別の物を使ったんだ。崩落寸前だったから座標データから大分ズレてるけど問題ない。少し時間がかかりそうだけどな』
「そう…なら、ハンターキャンプのエリア1で合流しましょう」
ヴァンとの通信を切ると、アッシュは安堵の息を吐いた。
そしてトランスサーバーの部屋を後にすると、ハンターの一人の叫び声が聞こえた。
「お、おい!何だあれは!?」
上を見上げると、浮上する謎の物体。
恐らくあれがアルバートのレポートデータにあった究極のライブメタル・ウロボロスなのだろう。
そしてその周りを囲む、見覚えのある大量のイレギュラーは恐らくバイオラボで既に量産されていた物だろう。
「あれが…モデルVが一つになった姿…ウロボロスか!」
「アルバートは…きっとあの中に…なあ、ハンターキャンプに飛行艇とか残ってないのか!?僕達をあそこに連れていってくれよ!」
あそこまで大量のイレギュラーがいるとなると、小型艇では近付くことも出来ない。
ハンターキャンプにある大型の飛行艇を借りれないのか尋ねてみたが、ハンターから返ってきた答えは最悪なものである。
「…もうここに飛行艇は一つもない…さっき現れたイレギュラーに全て破壊されてしまったんだ」
「打つ手…なしかよ…!」
「…いいえ、まだ手はあるわ。」
聞き覚えのある声に振り返ると、そこにはエールがいた。
「「エール!」」
「また会えたね、実は君達に見せたい物があるの…それしても…大変な事になったわね。あれが究極のライブメタル…ウロボロスってわけね、あれから出てきた凄い数のイレギュラーが各国を襲っているらしいわ。アタシもあの後、いくつかモデルVを潰してきたけど、焼け石に水だったみたい」
アッシュとグレイは宙に浮かぶウロボロスを見上げる。
そこでは今でもイレギュラーが飛び出しており、こうしている間にもイレギュラーは人々を襲っているのだろう。
「空の上から世界を見下すなんて趣味悪すぎだわ。どうにかならないの?」
「どうにかするためにエールは君達に会いに来たんだろ」
「あ、ヴァン…」
声のした方向をグレイが振り向くと、そこにはヴァンがおり、こちらに歩み寄ってきた。
「ヴァン…」
「説教は後にしてくれ。それより行くんだろ?」
キツくヴァンを睨むエールだが、ヴァンの言う通りだと溜め息を吐きながら空を指差す。
「ええ、行くわよ。どうにかするためにアタシと一緒に戦ってくれるあんた達を回収しに来たんだから」
指差した先にはガーディアンベースがある。
ガーディアンベースを見たアッシュとグレイは目を見開いた。
「「あ…あれは…!」」
「アタシと、アタシの仲間達の船…ガーディアンベース!残された手はただ一つ…ガーディアンベースでウロボロスに乗りこんでアルバートを倒すしかない!当然、ヴァンも手伝ってくれるんでしょ?」
「当たり前だろ」
早速ガーディアンベースに乗り込もうとした時、複数の足音が聞こえてきた。
「おい!待ってくれよ!親玉のとこに行くんだろ?俺達にも暴れさせろよ!」
「あのデカブツを仕留めたら、賞金どれぐらい出るんだろうな。ウズウズしてくるぜ!」
「ちょっとみんな待ってよ!?これはいつものミッションなんかじゃないのよ!?」
慌てて止めようとするアッシュだが、それを止める者が現れた。
「いや、これはレギオンズからの正式なミッションだ」
「あんたは…三賢人…マスター・トーマス…!」
トーマスが現れたことにアッシュを目を見開く。
「…逞しいな、君達は…こうでもしないと彼らが収まってくれないのだよ。最早レギオンズでも各国への対応が追いつかない状態だ。アッシュ君…グレイ君…君達に、全てを託したい」
「「みんな…!」」
「君達の仲間か…頼もしいじゃない!行くよ!アタシ達についてきて!」
エールとヴァンがガーディアンベースに向けて駆け出し、アッシュ達もそれを追い掛けて乗り込み、そしてガーディアンベースはウロボロスに向かって飛び立つのであった。
そしてガーディアンベースの司令室であるブリッジに集まり、ヴァンが作戦を説明する。
「ウロボロスに取り付いたら、イレギュラーが一斉に襲ってくるはずだ。ハンターのみんなはエールとガーディアンのみんなと一緒に何としてもこのガーディアンベースを守り切ってくれ!俺とアッシュ、グレイはウロボロスの中の掃除をしつつアルバートの元へ向かう!最後まで気を抜くなよ!必ず全員、生きて帰るんだ!」
「「了解!」」
ウロボロスの奥にいるであろう、アルバートの元へ向かうことになるアッシュとグレイが力強く頷いた。
「良いか、アッシュ、グレイ。俺達が必ず君達をアルバートの所まで連れていく。だから必ず勝つんだぞ」
「勿論よ!ここまで世話になって負けましたとかカッコ悪いしね!」
ヴァンの言葉にアッシュが威勢良く答えると、ヴァンが満足そうに頷き、ガーディアンベースがウロボロスに突っ込んだのと同時に司令室を飛び出そうとする。
「ヴァン」
「ん?」
今まで黙っていたプレリーがヴァンを呼び止め、振り返るヴァンを見つめた後に口を開く。
「行ってらっしゃい…必ず…帰ってきてね」
「…ああ」
今度こそ司令室を飛び出して激突の際に開いた穴の近くに降りる。
「それじゃあヴァン!アッシュとグレイをアルバートの所まで届けてね。アタシもここを守り切ったらすぐに追うわ!」
「ああ、お前も気を付けろよ。行くぞアッシュ!グレイ!」
「任せなさいって!さあ、アルバートに全部の借りを返しに行くわよ!」
「分かった!…行こう…モデルA!」
「おう!」
ヴァンが先頭を走り、アッシュとグレイはそれを追い掛け、そしてガーディアンベースに迫るイレギュラーをエールはハンターと共に守護する。
最後の戦いが始まろうとしていた。
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