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ヘタリア大帝国

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TURN44 インド独立その二

「ナマステ。サフラン=ヴェーダです」
「あんたもだな」
「はい、東インド会社の社員です」 
 サフランはイギリスに淡々とした口調で話す。
「宜しくお願いします」
「こっちの娘は何かな」
 イギリスはサフランと少し話してからまたクリオネに言った。
「無口だな」
「実はです」
 ここでだ。クリオネは少し困った感じの顔でイギリスに答えた。
「この娘は色々とやりにくくて」
「そうみたいだな」
「何かと手を焼いています」
「胸が大きい人は好きじゃないですから」
 サフランはクリオネの豊かな、スーツの上からでもわかる胸を一瞥してから述べた。
「クリオネさんには恩義を感じていますが」
「本当に?」
「はい」 
 抑揚のない言葉での返答である。
「そのことは確かです」
「だといいけれど」
「ですが」
 ここでこうも言うクリオネだった。
「その胸は好きではありません」
「胸は関係ないでしょ」
「胸の大きな人は敵です」 
 感情が見られないだけに余計に迫力のある感じだった。
「私にとっては」
「まあ。何だな」
 イギリスはサフランとクリオネのやり取りを見てからまた述べた。少し微妙な感じの顔になり首を捻ってから。
「東インド会社も色々あるんだな」
「はい、人材的にも」
「それで頑張ってくれよ。正念場だからな」
「僕頑張りますから」
「私も」
 アグニとサフランは好対照な感じでイギリスに応える。
「クリオネさんの為にも」
「保険入ってますけれど怪我はしないようにします」
「ああ、戦死してもらったらこっちも困るからな」
 イギリスはサフランの言葉に微妙なものも感じながら応えた。
「けれどとにかくそろそろ日本軍が来るからな」
「戦力はこちらの方が上ですね」
「そうだ。五倍以上あるからな」
 イギリスはアグニの問いにこう返した。
「しかも艦隊の上下には砂嵐があってな」
「守りもありますね」
「地の利もこっちのものだからな」
「勝てますよね」
「普通にやれば絶対にな」
 勝てるとだ。イギリスも確信していた。
「だから安心してくれよ」
「わかりました。それじゃあ」
「私も仕事ですから」
 lここでもサフランは感情を見せない。
「やらせてもらいます」
「ああ、あんたにも頼むな」
「サフラン、貴女はもう少しね」
 そのサフランにクリオネが見るに見かねたという感じで後ろから言ってくる。
「やる気を見せたら」
「やる気はあります」
「本当に?」
「あるけれど表には出さないだけです」
「そうかしら」
「ではこれから乗艦に戻ります」
 クリオネにも人形の様な態度で返す。こうしたやり取りを経てだ。
 サフランは実際に自分の乗艦に戻った。そしてアグニも。
 その二人を見送ってからだった。イギリスは微妙な顔になってクリオネに対して問うたのだった。その問うことは。
「アグニって子はいいさ」
「サフランですね}
「ああ、ちょっとな」
「ああいう娘なんです。だからやりにくいんです」
 クリオネも微妙な顔で自身の祖国に話す。
 
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