ロックマンZXO~破壊神のロックマン~
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第六十九話 バイオラボ
前書き
個人的に最弱ボス。
漫画版でもヴァンに一刀両断されていた。
アルバートの研究所にあったトランスサーバーから、ミッションレポートと共にデータディスクをレギオンズ本部に送り、そのままハンターキャンプに帰還した。
ハンターキャンプに戻ると、どこか通ったことがない場所はないかと探していた所、ある噂を聞いた。
地下にロックされた扉があり、そこの近くが子供達の遊び場になっていたのだが、危険と言う理由で封鎖された場所があるとのことだ。
その場所をハンターから聞いたアッシュとグレイは教えられた場所に向かい、封鎖用のブロックをモデルFで破壊すると、地下水路に降りることが出来るようになった。
地下水路には緑色の扉があり、早速扉を開けて中に入ると、悪臭が二人を襲う。
「うわっ…凄い臭いだ…。ただの下水じゃないぞ、この奥から流れてきてるのか?」
「オイラには臭いって良く分からないな…ライブメタルで良かったよ」
「これ、オイルか何かの臭いよね、こんな所にいたら臭いが付いちゃうわ。早いとこ調べて帰るわよ!」
あまりの悪臭にアッシュは顔を歪めながらもモデルLに変身し、グレイはモデルHに変身する。
モデルLのサーチ能力を使って進み、アッシュはハルバードで、グレイはダブルセイバーでイレギュラーを斬り伏せながら前進する。
奥のシャッターを抉じ開けると、明らかに人の手が入っている工場が目に入り、そして、あの悪臭の原因を理解した。
「ここから流れた工業排水があの臭いの原因だったようね」
「しっかり整備されてるし、どう見ても遺跡って感じじゃないな。行くか、この施設の正体を暴いてやろうぜ」
先に進んでいくと、見覚えのある規格の穴がある。
グレイが少し先を調べると塞がっており、アッシュはカイゼミーネに変身して下半身部分を穴に入れると、勢い良く持ち上げると通れるようになった。
他にもカイゼミーネの能力が必要になるところがあり、それを何とか突破して奥へと進むことになる。
途中の工業排水の中に飛び込むのは少々躊躇したものの、意を決して飛び込み、カイゼミーネで障害物を退かし、次のスライムのような物を発射する砲台も何とか突破する。
そして氷のトゲをかわしながら奥に進むとシャッターを発見してそれを潜り抜けると、信じられない光景が目に入った。
土偶型の大型メカニロイドが大量に製造されていたのだ。
戦闘力に関してはアッシュやグレイが生身の状態でも倒せるくらいだが、それでも一般市民からすれば一溜まりもない物だ。
「…大型メカニロイドがこんなにたくさん!」
「奥にもたくさんあるぞ!」
もし、これだけのメカニロイドが解き放たれれば大変なことになる。
完成する前に破壊してしまおうと、二人がロックマン・モデルAに戻り、ギガクラッシュで全てを粉砕しようと、それぞれがレーザーショットとバスターショットを構えた時であった。
「驚いたか?彼らはこの施設で生まれた兵士だ。いつの日か現れるであろう、ロックマンの王に仕える兵士達なのだ!」
声に反応して振り返ると、大型の鰐を彷彿とさせるフォルスロイドの姿があった。
「アルバートの奴、こんな所にまで研究所を作ってやがったか!」
「儂の名はバイフロスト…眠れる兵士立場の番人だ。新たな世界が生まれる時、彼らは目覚め、古き者達を滅ぼすという役目がある。ロックマン・モデルA…彼らに代わり、この儂が貴様を滅ぼしてくれよう!骨一本、螺一つ残さずこの儂が噛み砕いてくれる!」
バイフロストと名乗ったフォルスロイドは巨大な口を開いてアッシュとグレイに襲い掛かる。
咄嗟にかわす二人だったが、バイフロストは二人がいた場所の分厚い壁を容易く噛み砕いてしまった。
もし命中したらと思うと、思わずゾッとする。
しかし、初擊でバイフロストの属性が分かった。
牙に触れた瓦礫が凍結しており、バイフロストは氷属性のフォルスロイドなのだろう。
アッシュとグレイはモデルFに変身してバイフロストを迎え撃つ。
「メガトンクラッシュB!!」
アッシュがナックルバスターを構えてフルチャージ攻撃の爆弾を発射し、バイフロストに直撃させる。
「やったのか……うわっ!?」
爆煙を切り裂いて飛んできたのは巨体な丸鋸である。
グレイは咄嗟にナックルバスターのショットを連射して破壊する。
しかし、それは囮であり、バイフロストは見た目に寄らずに高く飛んでグレイを踏みつけた。
「グレイ!?」
「ぐうう…!」
バイフロストが踏みつけた床は陥没しており、見た目に相応しい重量があり、グレイがロックマンの状態でなければ即死の威力であった。
アッシュが助けに向かおうとするが、バイフロストは口を大きく開いて牙の氷弾を発射して妨害してくる。
しかしグレイもこのままではない。
「メガトン…クラッシュW!!」
ナックルバスターのフルチャージ攻撃をバイフロストに叩き込むと、バイフロストの巨体が火柱に呑み込まれる。
「ぬうっ!?」
「喰らいなさい!!」
アッシュはモデルZXに変身してZXセイバーを構えて突撃し、チャージセイバーで追撃を加える。
衝撃波によりバイフロストは体勢を崩し、グレイは何とかふらつきながらも抜け出すことに成功した。
「アッシュ、ありがとう…助かったよ」
「どういたしまして…図体だけの敵ってわけじゃないようね」
「彼らの眠りを妨げる事は、この儂が許さん!滅びよ!」
再び氷弾を発射してきたバイフロストに対し、アッシュはセイバーで、グレイはナックルバスターのショットでそれを破壊しながら後退する。
「グレイ!」
「分かった!」
二人はロックマン・モデルAに戻ってレーザーとバスターを構えてレーザーサイトを出すと、ホーミングショットで氷弾を破壊していく。
そして時間差で発射した丸鋸が二人の動きを止め、バイフロストは二人を噛み砕こうとする。
「噛み砕いてくれる!」
バイフロストの標的はアッシュであった。
丸鋸で動きを妨害されたアッシュは回避出来ずにバイフロストに噛み砕かれるかと思われたが、紅い残像が割って入り、セイバーによる斬擊で一刀両断する。
「どうやら、このメモリは本当だったようだな。」
バイフロストの爆発を背にしながら、アッシュを助けた人物…ヴァンが笑みを浮かべた。
「ヴァン!どうしてここに!?」
「パンドラが俺にアルバートの使っていた施設の場所の座標データが入っているメモリをくれたんだ。何が狙いなのかは分からないけどな、来てみたら君達がやられそうになっててな」
「やられそうになんてなってないわ。ここから反撃する予定だったんだから」
素直ではないアッシュの言い方にヴァンとグレイは苦笑し、モデルAは溜め息を吐くのであった。
そして状況を見ていたトーマスから通信が入った。
『トーマスだ。君達が見つけたデータファイルの解析に成功した。これは特殊なトランスサーバーの起動キーと、どこかの転送座標のデータが組み合わさった物だ。今までのデータを組み合わせて、完全に修復する事が出来たよ。トランスサーバーで受け取ってくれ』
「「了解」」
「ここを探索していた時に起動しないトランスサーバーがあった。多分、それのことだろう」
「なるほどね、それじゃあ一旦、ハンターキャンプに戻りましょうか。準備はしっかりしないとね」
バイフロストのデータをコピーして、奥の部屋のブロックをバイフロストの噛み付きで破壊し、別のトランスサーバーで起動キーを受け取りながら、一度ハンターキャンプで準備をすることになった。
そして準備を終えて、再びバイオラボに訪れた三人は早速バイオラボにある特殊なトランスサーバーに起動キーを挿し込んだ。
《………………………………起動キー確認、座標データ確認。アクティブモードへ移行》
「よし!上手くいったな!」
パネルに表示されたメッセージにモデルAが確認しながら言う。
「ここから先はアルバートのアジトだ。恐らく警備は厳重なはずだ。二人共、覚悟はいいか?」
「「勿論」」
ヴァンが端末を操作すると、三人は転送の光に包まれる。
「…行こうぜ!アルバートのアジトに殴り込みだ!」
三人はアルバートのアジトへと転送され、アルバートが起こした最強のロックマンを決めると言う運命のゲームの最後の戦いが近付いていた。
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