ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
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エレキテル・ナマズロス
ハンターベース
「え、エックス!?」
ボロボロの状態で運ばれてきたエックスを見てケインは、言葉を失う。
「じいさん、早く修理を!」
「・・・・お、おう。分かっておるわい!」
作業台に寝かせると彼は、早速エックスの損傷具合を確認し始める。
「むう・・・・・」
「ねえ、エックス大丈夫よね?」
「・・・・・・・」
「お兄ちゃん大丈夫!?」
「のび太は助かるよな!?」
「どうなの!?」
「えぇーい!みんな揃いに揃ってやかましくて集中できんわ!全員外に出ておれ!!」
ケインに怒鳴られるとマーティたちは、メンテナンスルームから追い出されてしまった。
「お兄ちゃん・・・・・・」
玉美は、不安そうな顔で扉の方を見ていた。
「・・・・大丈夫よ、エックスのことだもん。明日になればきっと元気な姿で出てくるわよ・・・・・」
マーティは、励ますように言うがその彼女の表情も著しくなかった。
???
「・・・・・ん?ここは?」
エックスは、暗闇の中で意識を取り戻した。周囲は暗闇に閉ざされており、何があるのか確認することができない。
「・・・・・そうだ!玉美は?玉美!」
『お兄ちゃーん!』
後ろからの声を聴いてエックスは振り向く。
「玉美!」
『助けてー!』
「待ってろ!すぐに・・・・・!?」
その直後、走って逃げている玉美のすぐ後ろに何かが現れた。
「シグマ!?」
『ファーハッハッハッハ!!』
シグマはサーベルを展開して玉美を背後から斬った。
『きゃあぁああああ!!!』
「玉美!!」
『エックス!』
「はっ!?」
また違う方へと向くとマーティがボロボロになりながら自分へと近づいて来ていた。
「マーティ!」
『た・・・・・助け・・・・・』
その瞬間、マーティは、背後からの攻撃で蜂の巣にされて倒れる。倒れた彼女の後ろにはVAVAが立っていた。
「VAVA!」
『クックックックッ・・・・・・』
「くそぉおおおおおお!!!」
エックスは、バスターでVAVAとシグマに向かって撃つ。
『ぐおぉ・・・・・・』
『があぁ・・・・・・・』
「やった・・・・・・!?」
しかし、撃った直後シグマとVAVAの姿は消え、体に穴が開いたジャイアン達だった。
「ジャイアン・・・・・スネ夫・・・・・・・しずかちゃん・・・・・・・」
エックスは体を振るえさせながら自分のバスターを見る。
「お、俺が・・・・・・・俺が殺ったのか・・・・・・」
『のび太くん!』
「!?」
聞き覚えのある声にエックスは振り向こうとする。
「ドラえも・・・・!?」
しかし、そこに立っているのはかつての親友ではなく巨大な顔のシグマだった。
「うわあああああああああああ!!!」
『ファーハッハッハッハッハッハッハッ!!!』
メンテナンスルーム 作業台
「はっ!?」
「おぉ!エックス!意識が戻りおったか!」
目を覚ましたエックスを見てケインは安堵の表情を浮かべる。エックスは周囲を確認しながらケインの方に向き直る。
「け、ケイン博士・・・・・・?」
「全く運のいい奴じゃわい。ここまでボロボロになっても意識を取り戻すとはのう。」
「お、俺は確か・・・・・」
「VAVAに負けて動けなくなったお前をみんなが運んできてくれたんじゃ。」
「・・・・・・・っ!」
エックスは、思わず上半身を起こす。
あの夢に起こったことがどうしても頭から離れない。
そんな彼に対してケインは、そっとまた彼を作業台に寝かせる。
「無理はよせ。お前は今目を覚ましたばっかりなんじゃ。しばらく体を休ませなくてはならん。」
「し、しかし・・・・・・・・・」
「マーティが心配しとったぞ。大丈夫なのかって。」
ケインの言葉を聞き、エックスは、夢のことがまだ現実に起きていないことを聞いて少し落ち着きを取り戻す。
「・・・・・彼女たちは?」
「あぁ、今日眠っておるお前を見た後、電力管理センターへと向かったわい。」
「そ、そんな!?・・・・グッ!?」
「心配するな、ビートブードとマンドリラーも一緒に行ったんじゃ。」
「・・・・・・・そうですか。」
エックスは、再び目を瞑る。
「今日は一日ゆっくり休め。お前が倒れたらあの子が一番悲しむんじゃからのう。」
「・・・・・・・」
エックスは、スリープモードへと切り替えまた眠りについた。
電力管理センター
一方電力管理センターでは・・・・・
「うぉぉぉおおおおおおお~!!」
「うおぉおおお~!!!」
何故かジャイアンと一体のナマズ型レプリロイドが一緒に号泣していた。
「何と悲しい事だったんだ~!本当は歌手になりたかったのに発電機として使われるなんて~!!」
「おめぇはわかってくれるか!オデがどれだけ自分の夢を潰して人に尽くしてきたのかを~!」
このイレギュラー エレキテル・ナマズロスは、確かにドップラーの手によってイレギュラー化している。
しかし、一同がセンターに来て驚いたことはセンター全体がライブ会場(?)に改造されていることだった。そしてひどいう・・・・・ではなく歌を歌っていたナマズロスを発見し、訳を聞くと同じ歌手志望であるジャイアンが同情して泣いているという事だった。
「俺もわかるぜ!その気持ち!自分の歌を否定されたとき、どんなに辛いことか!」
「そうだども!オデは歌が好きなんで歌う事を否定する奴らの気が知れねえんだぁ!」
「・・・・・ねえ、みんな。ここはジャイアンに任せて僕たちは帰ろうよ・・・・・・・」
スネ夫は、不安そうな顔でみんなを見る。しずかも何かを察しているようだった。
「アンタ達、なんでそんなに怯えているの?」
「う~ん~あんな風に花を咲かせているのがそんなにおかしいのかな?」
「おかしい以前の問題だよ!?早くここから離れないと・・・・・・」
「おーい、スネ夫、しずかちゃん!」
「「!?」」
ジャイアンに声を掛けられて二人はゾッとする。
「悪いんだけどよ着せ替えカメラ出してくれよ。」
「な、何するのジャイアン?」
「俺は、新たな友、ナマズロスとチームユニットを組んでプロを目指すことにした!これからのアイドルはグループが主題だからな!よって、ここで俺たちチームの初リサイタルを開く!」
「ん?」
「リサイタル?」
「やっぱり来た・・・・・・・」
スネ夫は、顔を青くしながら言う。
“ジャイアンリサイタル”
それは、スネ夫たちにとってある意味で拷問に近い物であり、かつて町内では地獄のイベントともいえる。
それはジャイアンのこの世のものとは思えない恐るべき歌を何時間も聞かされるという悪夢のライブ・・・・ここ数年学生生活でリサイタル活動が行われなかったため諦めたのかと思われていたが・・・・・・その沈黙の時を得て復活しようとしている。
「スネ夫、俺に似合うデザインで頼むぞ!」
「わ、わかったよ・・・・・」
スネ夫は、いやいや衣装のイラストを描き始める。
ちなみにこの現場に玉美とビートブードはいない。
ラッシュが何かを嗅ぎつけたらしく途中で別れたためである。
「で、できたよ・・・・・」
スネ夫は二枚の絵を着せ替えカメラに入れる。そして、2人に向かってシャッターを押すとジャイアンとナマズロスは、たちまち今どきの暴走族のような格好になる。
「おおう!活かすデザインじゃねえか!」
「うおぉお!燃えて来たどー!!」
2人のやる気にスネ夫としずかは怯える。
「それじゃあ、早速剛田武&エレキテル・ナマズロスによるグループユニット『ストロング・スパーキングズ』の初リサイタルを開催する!!」
「「お、おう・・・・・・」」
「一体どんなものなのよ・・・・・・・・」
微妙な空気の中恐るべきリサイタルが開催されようとしていた。
「では、早速俺の新曲『恋はマルチメディア』からいくぜ~!」
「おうおう!」
2人が深呼吸をし、スネ夫たちは腹に力を入れて備える。
「「こぉおおおおいぃい~はぁ~~マルチメディィイイアァ~~~!!」」
「「!?」」
この世のものとは思えないひどい歌声にマーティとマンドリラーは思わず飛び上がる。
「な、なんなのよ!?この歌は!?」
「頭が痛くなってきたよ・・・・・・」
「「おぉお~!!」」
「うぅ・・・・・相変わらずひどい・・・・・っていうかパワーアップしている・・・。」
スネ夫は、意識が吹き飛ぶのではないかと思いながらもなんとか二人の歌を聴き続ける。
四時間後\(^o^)/
「ふう!久しぶりに歌ったからつい歌いすぎちまったぜ!」
「おんめえもなかなかいい声してんでねえか!」
歌い終えて満足そうな二人に対してスネ夫たちは伸び切っていた。
「あ・・・・危なく意識が吹き飛ぶかと思った・・・・・・」
ちなみにマーティは既に気を失っている。
マンドリラーは、途中で考えるのをやめたのか眠っていた。
「ふう・・・・・おかげでなんか吹っ切れたような気がするど・・・・・あんがとな、友よ!」
「おう!また、一緒に歌おうな!」
「あれ?みんな、どうしてのびちゃっているの?」
そこへ玉美たちが何かを持って戻ってきた。ビートブードは倒れているマーティを見て思わず飛び上がる。
「ふ、副隊長!?どうしたんですか!?」
思わず抱き上げるがマーティは完全に意識を失っている。
「タケシよ。オデ、ちゃんと反省して捕まるよ。出所したらまた組もうな。」
ナマズロスは、満足そうに言いながら投降する意思を見せる。
「おっ?玉美ちゃん。なんだその鎧みたいなのは?」
「何か白いお髭のおじいちゃんがお兄ちゃんのパワーアップの奴なんだって。」
玉美が持っていたもの、それはライト博士から受け取ったボディパーツだった。どうやらラッシュは、カプセルの反応をキャッチしていたようだ。
「ところでなんで武お兄ちゃんそんな格好しているの?」
「これかい?俺、今この人とリサイタルしていたんだ!!」
「りさいたる?」
「今度またやるからその時は玉美ちゃんにも聞かせてやるよ!」
「うん!わかった!」
何も知らない玉美は嬉しそうに答える。
「無知とは・・・・・時に恐ろしいものを知らないから怖いものだ・・・・・・・」
スネ夫はさりげなく独り言を言った。
ハンターベース
「ただいま!」
玉美は、ボディパーツを持ってメンテナンスルームへと走ってきた。
「お兄ちゃん!」
エックスが眠っているはずの部屋に入ったが眠っているはずのエックスの姿が見当たらない。
「お兄ちゃん?」
玉美はエックスを探し始める。しかし、どの部屋にもエックスの姿は見当たらない。玉美はどんどん不安になってくる。
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!?」
部屋に戻ったのではないかと玉美は半泣きの状態でメンテナンスルームを出ようとする。
すると、ちょうど入り口からゼロが入ってきた。
「おっ、お前もエックスを探しに来たのか!?」
ゼロは泣きかけている玉美を見て言う。
「お兄ちゃん・・・・・・どこいったの?」
「俺にもわからないんだ。アイツ、あんな体で何処へ行きやがったんだ・・・・・」
玉美の頭を撫でながらゼロはエックスのことを不安に考える。
「・・・・・・・・・」
そして、エックスは一人、イレギュラーが占拠している造船所へと乗り込もうとしていた。
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