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ヘタリア大帝国

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TURN43 インドカレーへその一

                    TURN43  インドカレーへ
 東郷は日本達と昼食を摂っていた。その昼食のメニューは金曜ということもあり海軍お決まりのあの料理だった。
 そのカレーを食べながら東郷は日本に尋ねた。
「祖国さんもカレー好きだよな」
「はい、非常に素晴らしい食べ物だと思います」
 日本は銀色のスプーンでそのカレーを食べながら頭語うん答える。
「美味しいですしそれに」
「栄養もあるからな」
「お野菜もお肉もたっぷりとあります」
「元々栄養のことを考えて取り入れた料理だからな」
「そうですね。栄養のことも考えて」 
 まさにそれで、だった。
「海軍が取り入れたものです」
「エイリスからな」
「そこが少し気になっています」 
 秋山がここで東郷と日本に怪訝な顔になって述べた。
「あのエイリスですから」
「料理のことか」
「私もエイリスに行ったことはありますが」
「こと料理についてはか」
「お世辞にもよいとは言えません」 
 かなりオブラートに包んだ言葉だ。
「そのエイリスから取り入れたということが」
「ですが本当のことです」
 日本がいぶかしむ秋山に答える。
「私はこうしたお料理をイギリスさんから教えてもらいました」
「イギリス殿から。あの」
「そうです」
「信じられません」
 まだ言う秋山だった。
「あの御仁の料理はとても」
「食べられたものじゃないんだな」
「素材を全く生かせていかせん」
 東郷にだ。イギリスは例えどれだけ素晴らしい料理の素材があってもそれを駄目にしてしまうと話したのだ。
「何一つとして」
「あの、それは幾ら何でも」
「ですが事実です」
 日本にもだ。秋山は言う。
「どうしようもありません」
「しかしだ。このカレーにしてもだ」
「多くの料理がですか」
「イギリスから入ってきているからな」
「ビーフシチューもです」
 日本はこの料理のことも言った。
「あれもイギリスさんが教えてくれたものですから」
「それはその通りですが」
「ですから」
 だからだというのだった。
「そこまで邪険にされることもないと思いますが」
「失礼、とかくエイリスの料理には嫌な思い出がありますので」
「お口に合いませんでしたか」
「どうにも」
「まあ個人の好き嫌いはあるな」
 東郷は曇った顔で述べる秋山にこんなことも言った。
「このカレーも日本のカレーだからな」
「エイリスのカレーとはまた違いますね」
「向こうはパンだ」
 米は基本的に主食ではない。
「カレーをパンにつけて食べる」
「シチューやスープの様にして」
「ああ、そうして食べるからな」
 だからだというのだ。
「そこが大きく違う」
「インドからエイリスに入った時にそう変わったのですね」
「そういうことだ。それでだが」」
 東郷はここで話を変えた。その話は。
「インドのカレーはどうだ」
「エイリスに向かう途中にインドに入ったこともあります」 
 秋山はそのことも話した。
「その時にインドのカレーも食べましたが」
「日本のものとは全く違うな」
「そしてエイリスのものとも」
「とにかく全く違うからな」
「別の料理と言っていい位です」
 日本、エイリス、インド、それぞれでだというのだ。
「インドのものがはじまりにしても」
「インドのカレーは基本的に鶏肉だ」
「牛肉は入れません」
「宗教的な問題からな」
「はい、それはほぼ確実です」
「しかしエイリスと日本のカレーは牛肉を入れる」
 特にエイリスのカレーは確実に、である。
 
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