戦国異伝供書
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第九十三話 安芸の掌握その二
「その様にする」
「そうされますか」
「もうそれは決めてある」
「そうでしたか」
「では両家に仕掛けていくぞ」
「それでは」
「そしてな」
元就の話は続く、その話の続きはというと。
「その後で武田家となるが」
「あの家ですか」
「もう吉川家と小早川家を組み入れるとな」
「武田家も敵ではないですな」
「左様、兵の差がかなり開く」
それでというのだ。
「互角以上に戦える様になる」
「だからこそ」
「ここはな」
何としてもというのだ。
「両家を組み入れる様にする、ではお主達にもな」
「はい、それぞれですな」
「両家に対して仕掛け」
「組み込んでいくのですな」
「そうするのですな」
「そうしてもらう、二郎と四郎が聡明であることを教え」
吉川家と小早川家両家にというのだ。
「そしてじゃ」
「両家の家臣のお歴々を組み入れる」
「我が毛利家に」
「そうしてですな」
「二郎様と四郎様を迎えられる様にして」
「そのうえで、ですな」
「そうじゃ、二人を入れるのじゃ」
それぞれの家にというのだ。
「わかったな」
「わかり申した」
「それではです」
「我等もその様に動きます」
「そしてそのうえで、ですな」
「この安芸も」
「我等のものとする」
こう言ってだった、元就は吉川家と小早川家を毛利家に取り込むことを進めだした。ことは実に容易に進み。
元就は血を流すことなく吉川家の跡継ぎを二郎にすることを決めることが出来て小早川家も一つにして四郎を入れることが出来た。これでだった。
「よいな」
「はい、吉川家と小早川家は当家に入りました」
「そうなりましたな」
「無事に」
「両家の領地も兵もそのまま入り」
「家臣のお歴々もですな」
「入った、よきことじゃ」
まさにというのだ。
「実にな」
「左様ですな」
「それではですな」
「次は武田家ですな」
「あの家ですな」
「あの家はな」
その武田家についてもだ、元就は話した。
「まずは主な家臣達を引き込むかな」
「いなくなってもらいますか」
「その様にしますか」
「そうしますか」
「うむ、そして武田家の力を弱め」
そのうえでというのだ。
「確かな力の差になればな」
「その時は、ですか」
「これよりですか」
「攻めますか」
「その様にしますか」
「その時はな、では次は武田家じゃ」
こう言ってだった、元就は吉川家と小早川家を毛利家に組み入れるとすぐに武田家に対して仕掛けた。すると。
武田家は次から次にだった。
家臣達が離反していった、そうして。
毛利家と武田家の力の差は歴然となった、それで元就は家臣達に言った。
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