工夫しないと老舗も
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第一章
工夫しないと老舗も
徳井美空旧姓古沢の彼女は二番目の姉で老舗のうどん屋に嫁いでいる三森亜希旧姓古沢からある夜携帯からこう言われた。
「今度あんたのお家のお店行っていい?」
「うちの?」
美空は姉にこう返した、尚美空達は四人姉妹で一番上の姉は佐々木冬香といい三番目の姉は橘田泉美という。四人共結婚してそれぞれので主婦をしてそれぞれ働いている。
その亜希に美空はこう言った、黒髪を短めにしていて目は大きい、童顔で肌も奇麗でツヤツヤしている。背は一五三程で胸はあまりない。
「食べに来るの」
「そうしたいのよ」
姉は妹にこう返した、黒髪を長くしていてはっきりとした大きな目で眉も勝気な感じだ。やはり肌は奇麗である。背は一六一程で全体的に気の強い感じである。
「ちょっとね」
「そうなのね、ひょっとして」
妹は電話の向こうの姉に言った。
「うちのお店の味から勉強したいの」
「ええ、そうよ」
姉は妹に否定せずに帰した。
「それで行きたいの」
「そうするのね」
「お店やってるなら当然のことでしょ」
「ええ、ただね」
妹は姉にこうも返した。
「お姉ちゃんのお店ってうどん屋さんじゃない」
「それがどうしたのよ」
「うちイタリアンレストランよ」
こう姉に返した、尚他の二人の姉はそれぞれサラリーマンに嫁いでいる。
「旦那がシェフ兼オーナーの」
「繁盛してるわね」
「ええ、ただお姉ちゃんのお店は」
「それでもよ、他のジャンルの食べものを食べて」
そしてとだ、亜希は美空に返した。
「それで勉強することも必要でしょ」
「おうどんばかりじゃ駄目ってことね」
「うちのメニューにカレー丼あるけれど」
「カレーは洋食ね」
「それを和食にしたし、たらこスパとか山葵風味のスパも」
所謂和風パスタもというのだ。
「そうでしょ、他のジャンルのお料理を勉強して」
「それを取り入れることも大事ね」
「そう、だから」
それでというのだ。
「今度ね」
「私のお家に来るのね」
「お客さんとしてね。旦那と一緒に」
「お客さんなら歓迎だし」
美空は亜希の言葉を受けて彼女に返した。
「勉強はね」
「いいことでしょ」
「ええ、じゃあ来てね」
「そうさせてもらうわね」
「けれどうち正統派のイタリアンレストランで」
それでとだ、美空は姉にまたどうかという顔と声で述べた。
「和風メニューないわよ」
「パスタにもピザにもよね」
「お肉やお魚のお料理にもね」
そちらにもというのだ。
「ないわよ」
「そういうの全部承知で行くって言ってるでしょ」
「イタリア料理をおうどんとか丼に取り入れるのね」
「あとお蕎麦にもね」
「全くピンとこないけれど」
これはどうしてもだった、そしてだった。
美空は姉夫婦の来店を待つことにした、すると亜希は店の休店日に早速夫を連れて店に来た、美空の店がラフな店なので普段の外出着のスラックスとブラウスで来た。彼女の夫の新之助は眼鏡をかけた黒髪の大人しそうな外見で背は一七六程で痩せている。その二人が来ると。
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