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レーヴァティン

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第百六十話 伊勢の神託その三

「神託を伺うか」
「そうしますね」
「この世界の神託は違う」
 起きている世界のそれとはというのだ。
「かなり確かだ」
「それだけにですね」
「聞くべきだ、だが」
「はい、神託を伺うにはです」
 紅葉は英雄に話した。
「それなり以上の資質が必要です」
「神の声を聞く者にもな」
「そして神の言葉もです」 
 その神託もというのだ。
「そうおいそれとはです」
「下りない」
「まさに然るべき人がです」
「然るべき時に聞かないとな」
「聞けないものです」
「そうだな、だが」
 それでもとだ、英雄は言った。
「今な」
「ここで、ですね」
「聞く」
 そうするというのだ。
「その様にする」
「それでは」
「丁度今内政に専念していてだ」
「そちらで多忙ですが」
「それでもな」
「時はありますね」
「伊勢や出雲に行って神託を伺う位はな」
 それ位はというのだ。
「ある」
「それなら」
「近いうちに伊勢に行ってだ」
 そうしてというのだ。
「伺おう」
「出雲ではないんやな」
 耕平はこの地も候補に出ていたことから問うた。
「そっちでは」
「少し考えたがな」
「伊勢にしたんかいな」
「神無月なら行っていた」
 つまり十月ならというのだ。
「そうしていた」
「そやったか」
「その月にはあそこに神々が集まるからな」
 その為出雲では神有月となる、この国に神々が集うからだ。
「だからな」
「それでやな」
「そうしていたが」
 それでもとだ、英雄は耕平に話した。
「今はな」
「神無月やないからか」
「そちらにすることにした」
 この国にというのだ。
「天照大神にお聞きしたい」
「主神様にか」
「この国のな」
 そう考えてだというのだ。
「だからだ」
「伊勢やな」
「そうだ、それにあの地も神々が集うな」
「そやろな、主神が座す社やから」
 それだけにだ、耕平も話した。
「自然とな」
「そのこともあってだ」
「あそこにするんやな」
「そうだ、ではな」
「時間を見てやな」
「全員で伊勢に行こう」
「すぐに行けるしな」
 移動の術でとだ、耕平は笑って話した。
「ほなな」
「伊勢に行くぞ」
「そうしよか、そして伊勢でな」
 耕平は笑ってこうも言った。 
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