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麗しのヴァンパイア

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第二百五十四話

               第二百五十四話  目にあるもの
 亜美は鏡で自分の目を見てから使い魔であるアルテミスとセレニティに対して考える顔になって話した。
「うちの目どないやろ」
「といいますと」
「何かありますか」
「いや、黒目がちやろ」
 二匹にこのことを話した。
「随分と」
「それでいいのでは」
「黒目がちなら」
「奇麗な目かと」
「悪いものではないと思います」
「そやったらええけどな」
 それでもとだ、亜美は二匹に応えた。
「睫毛と眉毛が気になるねん」
「その二つがですか」 
 アルテミスが応えた。
「気になられますか」
「ちょっとな」
 どうにもというのだ。
「睫毛もっと長い方がええかな」
「そして眉毛は」
「もっと細くて長い」 
 その様にというのだ。
「そういうのやったらな」
「いいといいますか」
「そう思うけどな」
 考える顔で言うのだった。
「どないかな」
「私は特に」
 セレニティも言ってきた。
「別にです」
「変えなくていいっていうんやな」
「はい、そう思います」 
「そうやろか」
「ですがお気になられますか」
「ちょっとな」
 亜美はこう答えた。
「最近」
「ううむ、そのままでいいとです」
「そう思いますが」
 今度は二匹で主に話した。
「ご主人の眉毛も睫毛も」
「そのままで」
「ううん、どやろな」
 亜美は鏡を見つつ考える顔になって述べた。
「もっとええ感じに出来るやろか」
「といいますと」
「睫毛は長くはわかりましたが眉毛の形は」
「どないしよか」
 腕を組み言う、実は亜美の考えはまだ決まっていない。これから考えることだった。


第二百五十四話   完


                  2020・4・12 
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