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戦姫絶唱シンフォギア 英雄と奇跡と究極の王

作者:ナナシア
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戦姫絶唱シンフォギア
  第3話 助手はE/メダルはご利用は計画的に

 
前書き
王の前に新たな人物が現れた。

彼女の到来が、王の未来にどう影響があるか。

それは、まだ先のこと。 

 

 ある日、何の脈絡もなくキャロルに呼び出された。

「何だよ」

「総悟よ。こいつが今日から俺の助手になる『エルフナイン』だ」

「エルフナインです。よろしくお願いします」

 キャロルに紹介された、キャロルにそっくりな少女。『エルフナイン』
 廃棄予定のキャロルのホムンクルス。原作だと、キャロルにチフォージュ・シャトーを追い出され、SONGに拾われる。以降、彼らと共に行動をしていくが・・・。
 まさか、キャロルの助手になるとは。いや、ある意味そうあってほしい結果なのかもしれない。そう思ってしまう。これから先、キャロルの研究を協力していくのだろう。

「それで、エルフナインを助手にして何をする気だ?」

「実は、前から難航している事があるんだ」

「難航?」

 こいつが難航する程の事ってなんだ?よっぽどのものなのか?
 そう思っていると、キャロルが言った。

「コアメダルだ!」

 マジか・・・。こいつ、コアメダルを作ろうとしていやがった。
 コアメダルの作成を堂々と言ったキャロルに対して俺は言った。

「言い残すことはそれでいいんだな?」

 片手の指をボキボキと鳴らす。その音を聞いた、キャロルは青ざめた。

「ま、待て!これにはちゃんとした事情があるんだ!!」

「いや、そんなに何でもかんでも作られたらそりゃあキレますよ。しかも、コアメダルだって?それでグリードができたら、苦労するの俺じゃねえか。マジふざけんじゃねえですよ」

「お、落ち着いてください!!」

「貴様に朝日は拝ませねえ・・・」

「お前の握力は危険領域だから落ち着けええええ!!!」

 数分後、キャロルとエルフナインは必死に総悟を落ち着かせる。

「で?どうして今になってコアメダルなんだ?」

「ぜえぜえ。ああ、セルメダルの件だ」

「はあ?セルメダルがどうしたんだ??」

 今現在も各地からヤミーによる集金が政治家や企業の社長などから行われている。順調に溜まっているから大丈夫なんじゃないか?と俺は考えるが。実は、俺もキャロルも薄々感じていたことがあった。

「順調に溜まりすぎて置き場がない」

「やっぱり?」

 正直な話、溜める事はできるが。問題は消費が少ないことだ。
 今現在でセルを消費できるのは、聖杯を媒介にしているガリィくらいだ。ガリィがセルを補給し、セルのエネルギーを他のオートスコアラーに補給させる。それが、今までのことだったが。
 ファラやレイラもセルメダルを食べる事ができるが、それでも減りが少ない。
 需要と供給のバランスが完全にぶっ壊れている。欲望を搾取する機能がないミカにこの事を聞いたら。

「自分に搾取機能がなくてよかったゾー」

 などと腹立つことを言っていた。お前、ただでさえ消費量がでかいお前がそんなこと言うな。

「それとコアメダルの関係はなんぞ?」

「そこは僕が説明します」

 総悟の疑問に答えるエルフナイン。エルフナインは、俺が持っていた『仮面ライダーオーズ』のDVDを持って説明を始めた。

「『仮面ライダーオーズ』を見る限り、コアメダルの特徴はセルメダルよりも強力で何度も使用しても消滅することはありません。それで、間違いないですよね?」

「そうだな」

 コアメダルの事を説明しろと言われれば、どう説明すればいいか全くわからない。一応、エルフナインの言うの事も正しいかもしれない。
 動物たちのエネルギーを宿し、それぞれが強力な力を所持している。そして、同じ色を3枚揃えると、コンボとなりよりとんでもない力を発揮する。
 それがどうしたんだ?

「そこが問題なんです!」

 どこが問題だって?

「極論からすると、コアメダルは無限に使えるエネルギー物質。つまり!賢者の石の完成形に近いんです!」

 ・・・お前は何を言っているんだ?賢者の石ってそんな単純なことでいいのか?
 実際問題、仮面ライダーの世界において賢者の石の定義なんて滅茶苦茶。いや、ありとあらゆる創作物において賢者の石の完成された定義なんてあるはずない。人によって「それこそが正しい!」と思えば、すべてがまかり通る。
 故に、エルフナインの言うことも一理あるが。だたもう一度言いたい。
 お前は何を言っているんだ?

「だが、そんな物簡単には創れんよ」

 キャロルがそう言うが。

「・・・未来の鴻上ファウンデーションは、人工コアメダルの作成に完成していたぞ」

「未来だろうが!あれ、本編から何年かかったと思っているんだ!!」

 それもそうだ。

「なので、セルメダルのエネルギーを1枚に集中してコアメダルを創ろうという結論に至りました」

 マジで!?

「創って見せるさ!原作通りのコアメダルを!!」

「・・・意識コアだけは創るなよ。グリードの扱いなんて、ガリィ達以上に面倒だと思う」

「わかっている。オレとて嫌だからな」

「では、装置を創りたいと思います」

「俺たちがしばらく工房に籠る。用がない限り入ってくるなよ」

「わかった。頑張んなさいね」

 工房に向かう二人の背を見ながら思った。
 昔のあいつならともかく、今の状態だと何をしでかすかわからん。たまに見に来るか。







 ◇





 後日、どうも深夜まで製作を行っていたのか、深夜のテンションでおかしくなってコアメダルではなく。ウィザードリングの開発をしていた。
 流石に駄目だと思い、キャロルをジャーマンスープレックスを食らわし、お布団にダンクシュートした。

「やれやれだな。これが」







 ◇





 数日後…。


「できたぞ!」

「できました!」

「ようやくか…」

 テンションが高い二人は円盤型アイテムを持って工房から現れたに対し、額に青筋がでている総悟。

「…何で青筋が出ているんだ?」

「何でかわかるか?百閒は一見にしかりだ。こっちにこい」

 二人をチフォージュ・シャトーに連れていく。
 二人はチフォージュ・シャトーに着くと。

「「うわぁ………」」

 キャロルとエルフナインがドン引きした。
 二人が目にしたものは。
 黙々とメダルを噛み砕くガリィとレイアとファラ。恐らく、メダルが砕けて大量発生した屑ヤミー。それを笑いながら狩っていくミカ。
 もはやある種のチープなホラー映画のように見えるかもしれない。

「わかったかな?」

「ああ。大いに理解した。これはひどい」

「よ、予想外ですぅ…」

「と、言うわけで。とっとと始めてくれないか?3人が哀れだから」

 総悟の言葉を聞いて、二人は頷き装置を起動した。すると大量のメダルが装置に吸い込まれていく。
 と、その時!不思議なことが起こった!

「ん?」

 総悟が所持していた『オーズウォッチ』が彼の前に現れた。

「え?」

「は?」

 キャロルたちも驚く。
 オーズウォッチは、独りでに輝く。それと同時に、装置も同じように輝く。

「な!?」

「ふぁ!?」

「何だ!?」

 何人が驚くと。
 エルフナインは、すぐに装置を止めようとするとも。

「駄目です!制御不能です!」

 エルフナインの操作も受け付けづ、色とりどりに光輝く。そして、光は爆発した。

「うわぁ!!」

「キャロル!」

「くっ!」

 光が爆発した。光が消えていくと、装置は動かなくなった。
 すると、チャリンチャリンとメダルの落ちる音がした。
 それは、コアメダルだった。しかし・・・。

「何だと?」

 俺の足元にある。金色の縁で、赤く『タカ』の絵が描かれたものと。黄色で『トラ』の絵が描かれたもの。緑色で『バッタ』の絵が描かれたものがあった。

「『タカ』。『トラ』。『バッタ』。『タトバコンボ』に必要なメダルが3枚揃っているだと!?」

「そんな!この装置が作成できるメダルは、1枚が限界なはずです!」

 エルフナインが声を荒げて言った。
 どうやらあの装置が生成できるコアメダルは1枚だけ。しかし、現に俺が拾い上げたコアメダルは3枚ある。
 否、その3枚だけではなかった。

「おい!こっちにもあるぞ。こっちは、『クワガタ』に『カマキリ』だ」

 キャロルもメダルを見つけたようだ。『クワガタ』と『カマキリ』だと『ガタキリバコンボ』の完成か。
 だとしたら。俺は、他にもあると思い、近くにあるメダルを確認する。
 あった。黄色のメダル。『ライオン』と『チーター』、『ラトラーターコンボ』か。

「あの~。こっちにもありましたよ~」

 ガリィがそういうと、そこには確かにあった。
 キャロルとエルフナインが他のメダルも回収に走った。
 何故こんなにコアメダルが…。










 ◇








「『サコーゾコンボ』に『シャウタコンボ』。『クジャク』と『コンドル』で『タジャドルコンボ』。これでも十分のはずが」

 俺は、集められたコアメダルを見る。

「『プトティラコンボ』と『ブラカワニコンボ』まであるなんて」

 紫に橙のコアメダルまで作成されていた。

「どれもこれも、意識コアが入ってないのがすごいがな」

 確かに、既にオーズに必要なメダルが全てそろっている。
 これで、十分かなっと思ったその時。

「マスター。これもコアメダルでしょうか?」

 レイアがそう言ってきた。彼女の手にあったのは。『サソリ』の絵が描かれたメダルと、『サメ』が描かれたメダルだった。
 俺とキャロルは、それを見て驚いた。

「おいレイア!それはどこにあった」

「あのあたりに、地味にありました」

 レイアが指さしたところには、確かにメダルらしきものがあった。
 俺とキャロルは、すぐさまそこに向かい。驚愕した。
 そこには、確かにコアメダルがあったが。どれもこれも、見たことない…。いや、一部見たことがあるメダルだった。しかも、そこにあるメダルの色が全てバラバラだった。

「『エビ』に『カニ』。『クジラ』に『オオカミウオ』だと!?」

「他にもあるが、何だこれ?色に統一性が全くない。絵柄だけで判断するしかないぞ?」

 そこにあるのは、『シカ』『ガゼル』『ウシ』のメダル。『ムカデ』『ハチ』『アリ』のメダル。『セイウチ』『シロクマ』『ペンギン』のメダル。
 俺の知る限り、そんなメダルは存在しないはず。

「何でこんなメダルが…」

「恐らくですが、オーズウォッチが原因かと」

 後ろからエルフナインが、気まずそうに言ってきた。

「メダル作成装置とオーズウォッチが、何らかの共鳴反応を起こして、セルメダルをコアメダルに。しかも、多くのコアメダルを作成しました」

「オーズウォッチは、オレ達が何をしようしてるか理解したからこんなにメダルをか?ありえないだろ…」

 そう、ありえない。ウォッチにそんなことはできないはずだ。
 そう思案していると。

「おーい。これもコアメダルカー?」

 ミカが、そのデカい手に何かのメダルを持ってきた。
 待て、その手でコアメダルを掴めたのか?
 ミカが差し出してきた、メダルはおかしかった。
 だっておかしいだろ?
 金色のコアメダル(・・・・・・・・)なんてあるはずがない。

「・・・おいミカ。このコアメダルは、どこにあった?」

「端のほうにあったゾ」

「これ以外にあったか?」

「これしかなかったゾ」

 そんなやり取りを聞きながら、俺はその金色のコアメダルを見る。
 金の縁に、金色でラメ入りのようなメダル。描かれている動物の絵は。
 『ホウオウ』にも見える。 
 

 
後書き
おまけ


 チフォージュ・シャトーの廊下を歩いていると。

「我が魔王」

 後ろから声が聞こえた。

「ウォズか」

 俺の家臣の一人。ウォズだった。

「ウォズ。今回のこと、その本には書かれているのか?」

 俺がそう言うと、ウォズは自信が持つ本。『逢魔降臨暦』を開いた。

「この本によると、錬金術師キャロルとその助手エルフナインは、セルメダルをコアメダルに変換する装置を作り出す。すると、オーズウォッチが装置と共鳴し、全てのコアメダルを生み出した。っと、書かれています」

 そう言うウォズ。つまり、あれはすでに決まっていたことだった。
 だが・・・。

「じゃあウォズ。このメダルの事は、書いていないのか?」

 俺は金色のコアメダルをウォズに見せる。
 しかし、ウォズは。

「我が魔王。この本によると、そのメダルに関しての記述は、先の話になりますが?」

 そう答えられた。
 つまり、このメダルはまだ見ぬ未来にわかることのようだ。

「そうか」

 俺は、そう返すしかなかった。




おまけ2



「エルフナイン。お前に褒美をやろう」

「え、いいですよ。そんなの・・・」

「遠慮するな。こういうのは、有難く受け取っておくものだ」

「そうですか。わかりました!ありがとうございます。総悟さん」

「うん!じゃあ、キャロル」

「任せろ?」

「へ?」

 俺はエルフナインを羽交い絞めする。

「あ、あの~。総悟さん、何で僕を羽交い絞めに?「安心しろちょっとくすぐったいだけだ」え?何のことです?キャロル、そのメモリは?『GENE マキシマムドライブ!』はい?キャロル?「痛みは一瞬だ!」え、え!まってくださ「そおい!」アー!!!」


 おめでとう!エルフナインは おんなのこに なった! 
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