レーヴァティン
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第百五十九話 美酒その十一
「絶対にな」
「それっちゃよ」
まさにとだ、愛実は英雄の破産という言葉に応えて話した。
「お金は確かに使うものっちゃが」
「破産するまで使うとなるとな」
「駄目っちゃ」
「あくまで程々だ」
「そうっちゃ、使っても残す分は残す」
「それが大事だな」
「お金はそういうものっちゃ」
こう英雄に話した。
「それを忘れたら駄目っちゃ」
「わかっているつもりだ」
「ならいいっちゃ、ただ」
「それでもか」
「うち等の使い方は結構派手っちゃね」
「自覚している」
「だから破産しない様にっちゃ」
財政的にそうならない様にというのだ。
「していくことっちゃ」
「その通りだな」
「お金は何時必要になるかわからないものでもあるっちゃ」
「その分も考えておく」
「そういうことっちゃ」
まさにというのだ。
「だからっちゃ」
「そこは自覚している」
「だから置いてもいるっちゃな」
「その時に備えてな」
「ならいいっちゃ」
「そういうことでな」
「あんたは特に遊び人でもあるから心配になったっちゃ」
英雄が遊郭を好むことからも話した。
「だから言ったっちゃ」
「遊びか」
「そうっちゃ」
「俺は遊ぶが」
しかしとだ、英雄は愛実に冷静な目で返した。
「酒と女で博打はしない」
「そうっちゃな」
「そちらは興味がない」
博打の方はというのだ。
「どうもな」
「あれはね、欲を出したら駄目なんだよ」
その博打打ちの桜子が笑って言ってきた。
「そうしたらね」
「逆にだな」
「負けるんだよ」
「慾を出せばそこで目が暗むか」
「そうなってね」
「逆に負けるな」
「強い人は欲を出さないんだよ」
博打においてというのだ。
「実際にね」
「そして勝つな」
「ギラギラしたものがなくて」
「落ち着いているか」
「それでね、勝っていくんだよ」
「そうだな、あと今は賭場はヤクザ者がやっているが」
英雄はその博打の話をさらにした。
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