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レーヴァティン

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第百五十九話 美酒その八

「一番いい商売はな」
「いいものをそれに相応しい値で売ることぜよ」
「そうだ、だからだ」
「わし等もそれを目指す」
「そうしていく、どんどん売る」
 まさにそうしていくというのだ。
「俺達はな」
「それが正しいぜよ」
「その様にな、それとだ」
「どうしたぜよ」
「東のことは密偵を贈ってな」
 その様にしてというのだ。
「常にだ」
「調べていくな」
 密偵即ち忍の者である耕平が応えた。
「そうしてくな」
「そうだ、そちらもな」
「常にやってくな」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「あちらのことも知っていく」
「そうせんとあかんな」
「さもないとな」
「内政が整ってな」
「豊かになり進出する時もな」
 まさにその時にというのだ。
「敵を知らないで何が出来るか」
「その通りや」
 まさにとだ、耕平もこう答えた。
「我もそれはな」
「言うつもりだったな」
「そやった、ほなな」
「忍の者達をだ」
「東に送るな」
「そうしていく」
「いいことでござる」
 まさにとだ、智も言ってきた。
「是非東のことをでござる」
「調べていく」
「そして時が来れば」
「調べたことに応じてな」
 そうしてというのだ。
「進出していく」
「左様でござるな」
「さて、しかし」
 英雄はここでこうも言った。
「やることは多い」
「内政のことも」
「非常にな」
「左様でござるな」 
 智も否定せずに応えた。
「まさに、これまでも内政はしていたでござるな」
「今は腰を据えて行うことにした」
「領土全体を刷新するかの様に」
「幕府も興した」
「そして統治の仕組みも築いていく」
「このこともあってだ」
 それでというのだ。
「今はな」
「やることが多いでござるな」
「まさにな、あと俺は将軍だが」
 英雄は自分が今は征夷大将軍であることも話した。
「お前達はな」
「元老でござるな」
「それになってもらっている」 
 幕府のそれにというのだ。
「大老よりも上にあってだ」
「国の最高顧問でござるな」
「十二人共な」
 まさにというのだ。
「そうなてもらっているからな」
「役割も責務も大きいでござるな」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「それは言っておく」
「承知しているでござる」
 これが智の返事だった。
「拙者達も」
「そうだな、元老は老中の上にいるからな」
 だからだというのだ。 
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