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CM猫

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第二章

 そうしてクラスに入った、そしてこの日のうちにだった。
 猫達の飼い主募集の貼り紙が校内で貼られた、峠谷はその貼り紙を見つつそうして早く飼い主が見付かればと思いつつだった。
 猫達を暇があれば見た、教師と生物部の面々に世話をされている猫達は周りを警戒しつつも三匹寄り添っていた。猫達の性別は三匹共雄だった。
 峠谷は正直飼い主が見付かるか不安だったが。
 次の日のホームルーム前彼より一年上の高校でも有名な美少女佐伯綾乃がクラスに来て彼にこう言ってきた。茶色の肩まで完全にかかる髪の毛はさらさらとしていて光沢がありはっきりとした星が中に幾つもある様な大きな目に透き通る様な白い肌で八重歯のある口である。背は峠谷より二十五センチ程低く小柄だ。
 その彼女が彼に言ってきた。
「猫ちゃん達飼い主は見付かったのかしら」
「三匹共実は」
 残念な顔でだ、峠谷は答えた。
「見付かっていないです」
「じゃあ三匹共貰っていい?」
 綾乃は峠谷にこう申し出た。
「そうしても」
「三匹共ですか」
「ええ、うちは母子家庭で妹と三人暮らしだけれど」
 それでもというのだ。
「お父さんが交通事故で死んで保険金とか入ってて」
「それで、ですか」
「お金あるし」
 父が亡くなったことは不幸でもというのだ。
「その分。だから生活には困ってなくて」
「猫ちゃん達もですか」
「飼えるから。お母さんの実家のお祖母ちゃんも助けてくれるから」
「だからですか」
「ええ、いいかしら」
「お願い出来ますか」
 すぐにだ、峠谷は綾乃に申し出た。
「あの子達可愛がってくれますか」
「ええ、じゃあね」
「宜しくお願いします」
 こうしてだった、猫達は。
 綾乃の家に引き取られた、峠谷はこれで一件落着だと胸を撫で下ろした。これでこのことは終わったと彼は思ったが。
 数年後彼は高校を卒業し地元の大学に通う様になっていた、千曲川のある長野県は広く地域によっては家から通えなかったが幸い電車通学出来る距離の大学の合格出来たのでそちらに通っていたのだが。
 ある日家のテレビを観ている時にCMが流れたが。
 そのCMに猫達が出ていた、その彼等が。
「えっ、まさか」
「どうしたの?」
「いや、この猫達な」
 一緒に観ていた妹に話した。
「俺が高校の時に拾った猫達だよ」
「そうなの」
「ああ、間違いない」
 キジトラ模様の猫に黒猫、そして白黒の猫だ。間違いなかった。
「三匹共揃ってるんだな」
「そうなの」
「先輩が引き取ってくれたけれど」
「今CMに出てるのね」
「そうだよ」
 見ればキャットフードのCMで三匹共そのキャットフードを食べている、キジトラと黒猫は可愛い顔で食べているが白黒はすまし顔である、その対比もよかった。
 峠谷はどうして猫達がCMに出ているかと思ってだった。
 綾乃、猫を預ける際に携帯の連絡先を交換していた彼女に電話をかけた。すると綾乃にこう言われた。 
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