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猫がいたので

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第三章

「だからね」
「それでだね」
「そう、ゆっくりとね」
 今はというのだ。
「回復させましょう」
「それじゃあ」
 息子も頷いた、そうして彼はまずは入院する中で治療とリハビリに専念し。
 無事退院した、退院すると。
「ニャア」
「只今きな子」
 玄関に迎えてくれたきな子にだった、拓也は笑顔で応えた。
「久し振りだよね」
「ニャア」
「俺退院したから」
 きな子に笑顔で言った。
「暫く家にいるから宜しくね」
「ニャンニャン」
「学校の勉強の方も頑張りましょう」
 後ろから母が言ってきた。
「入院中もやってきたけれど」
「家でもだよね」
「やっていきましょう」
「サッカーも大事だが勉強もな」  
 父も言ってきた。
「恰好つく位のものがないとな」
「駄目だよね」
「ああ、だからな」
「勉強もだね」
「やっていこうな」
「うん、俺頑張るよ」
 こう言ってだ、そうしてだった。
 拓也は自分の部屋に戻った、そうして学校に通える様になるまで自宅で頑張った。普通に歩ける様な訓練もしつつ。
 学校の勉強もしていった、その中で彼は普段は明るかったが。
 やはりこれまで通りサッカーが出来ないかもと思って暗くなる時もあった。だがそうした時にいつもだった。
「きな子が来てくれてね」
「それでなのね」
「声かけて一緒に遊んでくれて」
 食事の時に母に話した。
「気持ち明るくさせてくれるよ」
「そうなのね」
「だから俺頑張れるよ」
 母に笑顔で話した。
「それで絶対にね」
「サッカーをなのね」
「出来る様にね」
 これまでの様にというのだ。
「頑張るよ」
「そうしてくれるのね」
「うん、絶対にそうなるよ」
「頑張ってね」
「きな子と一緒にそうしていくよ」
 明るい笑顔での言葉だった、そしてだった。 
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