ソードアート・オンライン∼もう一人の英雄∼
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五話 セルムブルグ
前書き
更新これから一週間に一回ぐらいになると思います。
でも、宜しくお願い致します‼ それでは、どうぞ!
今、僕等の周りには少しだが人だかりが出来つつある。
エギルの店を出る時にアクのフードを被り忘れて、珍しい《月影の王女》のアクを見に来た人もいる。フードを被ったらいいと思う僕だがアク曰く
「ロア、人だかりの原因は私じゃない。それに、今更被ってももう遅い」
とのこと。え?じゃあ何が人だかり作っているかって?それは……
「このヒト達は素性はともかく腕だけは確かだわ。多分あなたより十はレベルが上よ、クラディール」
「な、何を馬鹿な!私がこんな奴等に劣るなどと……!」
と言うようなKOB副団長改めアスナと長髪護衛改めクラディールの二人が言い争いをしているのだ。因みにキリトはただ立って聞いてるだけ。
と、言うかアスナさん。腕だけってなんですか。腕だけって。
あと、クラディール。こんな奴等にアクが入っていたら僕、短剣でクラディール君を思いっ切り叩きつけるよ。
でも、突然アスナとクラディールの言い争いで聞き捨てならないことを聞いた。
「そうか……手前、たしか《ビーター》だろ!」
そうクラディールが言った。
「なっ」
僕は思わず声を漏らしてしまった。なぜならアクにとっては禁句だからだ。
アクとアクの親友は元βテスターで、ある程度のSAOの知識を持っている。キリトと同じか、それ以上の知識になるのかな。僕?僕は元βテスターじゃないよ。βテスターになりたかったのは覚えているけど。
そうこう考えていたらキリトが
「ああ、そうだ」
と無表情で肯定を示していた。答えるのもつらいだろうに。
アクの方はというと、行き場のない怒りを血が出そうなほどにぐっと手を握りしめて堪えていた。
キリトの言葉を聞いたクラディールは
「アスナ様、こいつら自分さえ良きゃいい連中ですよ!こんな奴と関わるとろくなことがないんだ!」
と言った。そしたら、今まで平静を保っていたアスナの眉毛が不愉快そうに寄せられる。
そして、キリト達はようやく集まってきていた野次馬達に気づいたようだ。
そしてアスナは、ちらりと周囲を軽蔑すると興奮の度合いを増すばかりのクラディールに向かって、
「ともかく今日はここで帰りなさい。副団長として命令します」
そう言うとキリトのコートの後ろベルトを掴んでつかつかと行った。
その時……なんか二人で楽しそうに喋ってた。
取り残された僕等はキリト達に早歩きでついて行った。
ちらりと後ろを振り返ってみるとクラディールが突っ立ったままキリト達を睨むクラディールがいた。あれ?もしかしてだけど僕等も睨まれているのかな?ふと、そんなことを考えてしまった。
アスナの家があるセルムブルグは六十一層にある美しい城塞都市だ。
余りにもきれいすぎて僕等も最初はここを拠点にするか迷ったけど、部屋がとんでもなく高価であり、とあるところに募金をしている僕等にとっては手が届かない所なんだ。
トコトコ進んでいるとキリトが両手を伸ばしながら深呼吸をし、言った。
「うーん、広いし人は少ないし、開放感あるなぁ」
「……右に同じ」
「僕もアクと同意見」
「なら君たちも引っ越せば」
「「「金が圧倒的に足りません」」」
肩をすくめ答えた僕等。するとキリトは表情を改め、遠慮がちに聞いた。
「……そりゃあそうと、本当に大丈夫なのか?さっきの……」
「……………」
多分クラディールともめた件の事だろう。
アスナはくるりと後ろを向くと俯いてブーツのかかとで地面をとんとん鳴らした。
「……わたし一人の時に何度か嫌なことがあったのは確かだけど、護衛なんて行き過ぎだわ」
そこら辺まで行った所でアクは女心がわかるのかうんうんと縦に首を振っている。
「要らないって言ったんだけど……ギルドの方針だから、って参謀職たちに押し切られちゃって……」
アスナはやや沈んだ声で話を続けた。
「昔は、団長が一人ずつ声を掛けて作った小規模ギルドだったのよ。でも人数がどんどん増えて、メンバーが入れ替わったりして……最強ギルドなんて言われ始めて頃から、なんだかおかしくなっちゃった」
言葉を切って振り向いたアスナはあの娘みたいに瞳にはどこかすがるような色が見えた。そういえば…あの娘、どうしているかな?生きてるかな?
はっとしたのはアスナの場の空気を切り替えるように明るい声だった。
「まあ、大したことじゃないから気にしなくてよし!早くいかないと日が暮れちゃうわ」
そう言って先陣をきっていくアスナの背中を追ったけど、彼女の背中はどこか悲しそうだった。
後書き
狼「物語の展開遅いなぁ」
ロア・アク「「お前が言うな」」
狼「し、仕方ないじゃないか!ぼ、僕だってもっと更新したいけど本業は学生なんだから!」
アク「それ言われたら何も……(ジャキン」
狼「そう言いながら剣を抜かない!ぐはっ」
ロア「………(グサッ」
狼「や、やめんかい……」
アク「言い残して」
狼「あ、あの、か、感」
ロア「どうせ『感想の方、よろしく』だよね。(グリグリ」
狼「ま、マジで痛いからやめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
アク「……ぶっ刺してやった(キリッ」
ロア「………よくやった。アク」
狼「やめでぇぇぇぇぇぇぇぇ」
ロア・アク「「また次回」」
狼「ロアの存在感がまあまあ消えぐふ」
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