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ドリトル先生の競馬

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第七幕その八

「人も馬も育っていかないよ」
「そうそう、命があるんだから」
 トートーが言いました。
「だからね」
「そして心もあるから」
 ジップはトートーに続きました。
「そうしたことも頭に入れてやっていかないとね」
「粗末に扱われたらね」
「私達だって嫌だし」
 チープサイドの家族も言います。
「そうした扱い受けたら」
「それだけでね」
「大事にしてもらってしてこそ」
 ガブガブが言いました。
「ちゃんとなるからね」
「お水も草も食べて」
 老馬は同じ種類だけあってお馬さん達をとりわけ見ています。
「休憩もしっかり摂らないと」
「そうして練習しないと」
 ホワイティは老馬の背中から言いました。
「よくないね」
「というか」
 ポリネシアが言うにはです。
「粗末に扱われたら壊れるよ」
「機械もそうだし」
 そうなるとです、ダブダブは言いました。
「さっきものもってお話したけれど」
「何でも粗末に熱かったら」
 それこそと言ったのはチーチーでした。
「すぐに駄目になるよ」
「そんな生徒を消耗品とかゴミみたいに扱う先生なんて」
「日本には結構多いけれど」
 最後にオシツオサレツが二つの頭で言います。
「最後誰もいなくなるよ」
「そんな人についていく人いないから」
「皆の言う通りだよ、人も生きものも馬もね」
 全てと言う先生でした。
「大事にするものだよ」
「それが人の在り方よね」
「正しい」
「至らないと思って殴ったり蹴ったり罵ったり」
「駄目と思ったらすぐに切り捨てたり」
「そんな態度だとね」
「誰もついていかないから」 
 皆もこのことはよくわかっています。
「そんな先生って自分のことしか考えていないね」
「部活がいい成績だったら自分の評価や評判もよくなる」
「それだけしか考えていない人だね」
「だから生徒も使い捨てに出来るんだね」
「何とも思っていないから」
「本当に残念なことに」
 先生はとても悲しいお顔になって言いました。
「日本にはそんな先生が結構いるね」
「そうだよね」
「イギリスと比べて多いよね」
「先生の犯罪って多くない?」
「生徒の人を殴ったりとか」
「表に出るのは一部だっていうし」
「だとしたらどれだけ悪いことしてるのかしら」
 皆もそのことが気になりました、日本の学校の先生達にどれだけ問題のある人が多くてその人達が悪いことをしているのか。
「先生とは全く違う世界の人達よね」
「どう考えても」
「まるでヤクザ屋さんみたいな」
「そんな人達がいるね」
「ヤクザ屋さんはいつも警戒されて何かしたら捕まるけれど」
「先生は違うから」
 ヤクザ屋さんみたいに警戒されることはないというのです。
「先生様って言われたんだよね」
「聖職者とも」
「牧師さんや神父さんみたいに」
「そんな風にも」
「牧師さんや神父さんでもおかしな人いるのに」
「神様にお仕えする立場でも」
「そうでもない先生が聖職者とか」
 それはと思う皆でした。
「おかしいし」
「神様にお仕えしていないのに」
「何が聖職者なのか」
「それも疑問だよね」
「日本では神様や仏様のことを学んでいなくても」
 そうして心を磨いていなくてもというのです。 
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