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夢幻水滸伝

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第百三十六話 二度目の勝利その十二

「こっちでは雷を自由に操ることが出来る」
「ただ切るだけやなくてやな」
「そうした力もある、これで自分の龍に対抗する」
「そうか、しかしな」
「自分の武器は龍だけやないな」
「術もあるしや」
 言いつつ左手を前に出しその掌から氷の矢を放って中里を攻めつつ言った。
「そしてや」
「青龍偃月刀もやな」
 中里はその氷の矢をかわしつつ応えた。
「あるな」
「並のモンやとこの雷で終わりやが」
「自分はやな」
「これ位で倒せると思わんことや」
 無数の落雷が襲う中で言う、麒麟は見事なまでに動きその落雷達をかわしている。
「全くな」
「そやな、しかしな」
「それでもか」
「それは僕もわかってる」
 中里の方もというのだ。
「充分な」
「龍達の相手か」
「自分の龍達は虹、つまり光や」
 属性の話もここでした。
「光と雷の相性は普通やが」
「それでもやな」
「対抗出来る、そして自分にはな」
「自分自身がやな」
「向かう、それでや」
 まさにというのだ。
「今から勝ったるわ」
「言うな、その意気やが」
 それでもとだ、羅は中里を不敵な笑みで見据えて言葉を返した。
「我の武芸、そしてな」
「青龍偃月刀にやな」
「果たして勝てるか」
「自分も青龍偃月刀も確かに強い」
 橙色の龍が来た、しかし。
 雷が落ちてきてその龍を阻んだ、落雷は羅と龍達を攻めているが中里は守っている。攻防一体だった。
 その雷の中でだ、中里はさらに話した。
「しかし僕にはこの千鳥とや」
「童子切やな」
「それがある、それでや」
「おいそれとはやな」
「負けんで」
 このことを言うのだった。
「それは言っておくで」
「聞いたわ、ほなな」
「来るか」
「おう、そうしたるわ」
 麒麟は雷達をジグザクに素早く動いてかわしつつ凄まじい速さで空中を駆け己の主を中里の前に運んだ、そして。
 羅はその麒麟に乗ったまま鵺の背に乗る中里に対して間合いに入ったと見るや即座に青龍偃月刀を繰り出した。
 中里もそれを受け両者は再び切り合いに入った、その中で。
 羅は青龍偃月刀を繰り出しつつ中里に言った。
「この神具、相当に重い」
「二十キロ以上あるな」
「そやから普通は扱えん」
 あまりもの重さの為にというのだ。
「関帝やないとな」
「とんでもない怪力でこそやな」
「関帝は怪力の持ち主でもあった」
 身長は二メートルを超えていた、その体格もあってだ。
「そやから扱えた、そして」
「今は自分の神具やしな」
「我やからこそ使えてな」
 神具はそれぞれ持っている星の者のみが使える、だからこそ価値があるのだ。
「そしてや」
「その力もやな」
「全部引き出せる」
「そしてその力は」
「まさに一撃で山も真っ二つに出来る」
「そこまでのもんやな」
「その神具とな」
 それだけでなく、というのだ。 
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