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夢幻水滸伝

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第百三十六話 二度目の勝利その四

「芥川はこうして攻める」
「それでやな」
「狐の方はな」
「ああ、あいつが息を吐こうが術を使おうが」
「神通力を出してもやな」
「任せるんや」
 こう主に告げた。
「ここはな」
「そうさせてもらうで」
「わしとあいつの実力は五角、そしてな」
「格闘ではやな」
「自分の方が上や」
 芥川よりもというのだ。
「そやからな」
「勝てるな」
「こうした勝負は僅かでも実力が上やと」
「それが紙一重でもやな」
「出てな」
 そうしてというのだ。
「勝敗を決するんや」
「そうしたもんやな」
「それでや、この勝負はや」
「自分の勝ちやな」
「そや」
 まさにとだ、こう言ってだった。
 白澤は音の息を放った、それは超音波となり九尾の狐を襲った。
 芥川は分身の術、そして素早い動きで如意棒と矢をかわしている。そこに狐めがけて白澤の音の息が来たが。
 狐はそれを自身の神通力をぶつけて相殺した、そうしてから己の主に言った。
「なあ、これはな」
「ああ、下手せんでもな」
 芥川は狐に言葉を返した。
「やばいな」
「これがあいつの切り札か」
「弓に如意棒や」
「これだけ強いとはな」
「強いのはわかってた」
 まさにとだ、英雄も言葉を返した。
「ほんまにな、けどな」
「それでもやな」
「強いからってな」
 それでもというのだ。
「諦めるか」
「その選択肢はないな」
「まして最初からや」
 それこそとだ、芥川は狐に笑って話した。
「僕が何も考えなしで戦うと思うか」
「そんなご主人やったらな」
「それならやな」
「わしも色々言うてるわ」
 こう自分に乗る主に話した。
「そうしてるわ」
「そうやな」
「ほなここはやな」
「あいつの武器は弓と如意棒や」
 この二つのことはもう最初から頭に入っていたというのだ。
「どっちも遠距離からも放てる」
「そやな」
「それに術も使う」
「六将星の中では遠距離攻撃を得手にしてる、如意棒を持っての接近戦も出来るが」
「それでもやな」
「得意なのはそっちや」
 遠距離攻撃だというのだ。
「それで戦う奴や」
「そやな」
「そうした奴相手の闘い方もある」
 芥川は狐に確かな声で話した。
「ちゃんとな」
「そうか、見せてもらうで」
「今からな、白澤は任せるからな」
「そっちはな」
 まさにとだ、狐も答えた。
「安心せい、わしがおるからな」
 まさにというのだ、狐は言いつつ今度は白澤が放ってきた吹雪霧の術を神通力で相殺した。返す刀で自分はマグマの霧を放ったがその霧は白澤が神通力で消された。両者の実力は明らかに互角であった。 
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