ドリトル先生の競馬
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第六幕その五
「なかったと思うよ」
「まあ先生はそうした人じゃないよ」
「自分勝手な人じゃないから」
「そこは安心していいわ」
「嘘も吐かないしね」
「誠実な人だから」
「そうであったらいいね、酷い場合は」
先生は皆に八条学園高等部乗馬部の人達が遊んでいるのを見ながらそのうえで動物の皆にお話しました。
「自分が潰した話を仲間の人が再開したいから来てくれと言ってね」
「来なかったのね」
「そうなのね」
「うん、そこで自分のことで悩んでいて」
それでというのです。
「来なかったとか言ってたよ」
「自分が悪いのに?」
「自分がお話潰したのに」
「仲間の人が話を再開したいから来てくれって言ったのに」
「来なかったの」
「悩んでるって嘘をついてね」
しまも自分のことでというのです。
「その彼は後でとんでもないことをして居直って遂に皆から見放されたけれどね」
「酷い人ね」
「最低かも知れないね」
「とんでもないことをして居直るって」
「どんなことか知らないけれど」
「犯罪者自分の知り合いだったから職場の鍵を渡して盗難に遭わせたんだよ」
そうしたことをしたというのです。
「会社の悪事を見過ごせないとか言ってね」
「それも犯罪じゃない」
「泥棒を助けてるじゃない」
「会社の悪事って何か知らないけれど」
「それなら警察に言えばいいのに」
「実際は法律に触れることじゃなかったよ、けれどね」
それでもというのです。
「それでもそんなことをして」
「居直ったの」
「そうだったの」
「背信行為と呼ぶなら呼べって言ってね」
そう言って居直ったというのです。
「開き直ったんだ」
「それ訴えられるよね」
「犯罪だし」
「本当にとんでもないことしたね」
「弁解の余地がないよ」
「だから会社の皆が見捨てて家族もお友達も親戚もね」
周りの人全員がです。
「その時に絶縁して訴えられて」
「有罪だよね」
「開き直ってるし」
「どうしようもないよね」
「それじゃあ」
「有罪を受けて賠償金もね」
会社に対するそれもというのです。
「要求されて」
「破滅したんだ」
「そうなったんだね」
「まあ破滅しないとね」
「おかしくない人だね」
「実際に破滅したよ」
現実としてそうなったというのです。
「賠償金は財産全て差し押さえられて働かさせられて返済させられて」
「刑務所にも入った」
「そうなったのかしら」
「なったよ、それで刑務所から出たら」
その後はといいますと。
「禁治産者にされたよ」
「というか最初からだね」
「そうならない方がおかしいね」
「最初は皆知らなかったのかな」
「その人がそんな人だって」
「そうだろうね、こうした悩みはね」
その人のそれはといいますと。
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