地獄の訓練
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第五章
その訓練を見てだった、戦艦に乗り込んでいる水兵達が言った。
「航空隊の連中今日夜遅くまで訓練か」
「朝の早くからな」
「毎日だしな」
「あれじゃあ休む暇ないな」
「飯食う暇あるのかよ」
「俺達もきついってのに」
自分達もというのだ。
「戦艦勤務は地獄だって聞いてたけれどな」
「実際に訓練ばかりだしな」
「それも厳しいな」
訓練の厳しさで知られる帝国海軍の中でもというのだ。
「駆逐艦や巡洋艦でも結構だってのにな」
「戦艦なんてな」
「噂には聞いてたけれどな」
それがというのだ。
「もうな」
「本当に地獄だぜ」
「月月火水木金金で」
文字通りのそれでというのだ。
「目標もかなり高くてな」
「すぐに駄目出しだよ」
「そんな厳しい訓練でな」
「毎日毎日大変だぜ」
「飯は美味くても」
それでもというのだ。
「訓練訓練でな」
「毎日過酷だけれどな」
「その俺達から見てもな」
「航空隊の連中はあんまりだな」
「よくあんな訓練出来るな」
「耐えられるな」
「俺達でも無理だな」
あの訓練に耐えることはというのだ。
「山口閣下何処までやるんだ」
「あの人が率先してされてるしな」
「一体どんな厳しい訓練だ」
「何処までやるんだ」
地獄と呼ばれている戦艦に乗っている彼等も言うことだった、とかく海軍航空隊の訓練は過酷であった。空母に乗っている彼等は。
だが過酷なだけあった、それでだった。
山本は彼等の訓練を見て幕僚達に言った。
「あれならな」
「はい、あれだけの訓練をして」
「それを続けている」
「それならですね」
「時が来れば」
「必ず働いてくれる、今度の戦争は敵が多い」
あまりにもというのだ。
「それも強い相手ばかりだ」
「ですね、戦争になれば」
「日本は多くの強敵を一度に相手にせねばなりません」
「そうした状況になるので」
「だからですね」
「巨砲と水雷だけでなくだ」
そういったものに加えてというのだ。
「さらにだ」
「航空機ですね」
「そちらも必要ですね」
「この武器も」
「左様ですね」
「そして武器はだ」
それがあるならというのだ。
「強ければ強い程いい」
「だからですね」
「山口閣下は正しい」
「あの様に激しい訓練をすることも」
「そしてそれがだ」
その激しい訓練がというのだ。
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