ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
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ROCKMANX
VAVA
シティ・アーベル セントラルハイウェイ
ミサイル攻撃によって打撃を受けたシティ・アーベル。
その破壊された大通り『セントラルハイウェイ』の上から一人のレプリロイドが作業用の機械である『ライドアーマー』に乗って眺めていた。
「・・・・・・・エックス、何故お前なんだ・・・・」
ミサイル発射数時間前
元イレギュラーハンターVAVAは、命令違反などを理由に留置場の独房に入れられていた。外からわずかな振動が感じられる中、彼は特にすることもないため、スリープモードに切り替えようとしていたところだった。
そんなとき、彼の部屋の扉が開いた。外にはシグマが立っている。
「・・・・・フン、直々にこの俺を処分しに来たというわけか。」
ここに来る機会はそのくらいしかない。彼は、サーベルを展開するとVAVAに斬りかかる。
「くっ!」
VAVAは、無駄な抵抗と分かっていながらも自分の腕についている拘束具を利用して防御しようとする。しかし、シグマは、VAVA本人ではなく彼を拘束していた拘束具を壊した。
「なっ!?何の真似だ!?」
「力を貸せ、エックスを倒す。」
「エックスを倒すだとっ!?」
「そうだ。ひいてはそれが我々の進化につながるだろう。」
シグマの思わぬ発言にVAVAはおかしく思った。
エックスを倒すのが進化につながる?
いつも引き金を引くのを躊躇う甘ちゃんハンターを倒すために力を貸せ?
いくらシグマとは言えランクが下のハンターを倒すためだけに自分を解放するなどあまりにおかしなことだ。
「・・・・・・フッ、フフフフフ・・・・何を言い出すかと思えば。あのいつも悩んでばかりの甘ちゃんハンターが何をしてくれるというのだ!!」
「悩む・・・・・・そう、悩むことこそ他のレプリロイドにはない特殊な能力だ。甘さ故にエックスは悩み、深く考え、通常のレプリロイドが達しえない結論にたどり着くのだ。だが、エックスは本来の力に気づいていない。」
「そのエックスの力を引き出すために自らイレギュラーになるというのか?」
「そうだ。」
「俺にもその手伝いをしろと?」
「だから、ここに来た。」
「・・・・狂ってやがる。」
シグマの目的を聞いたVAVAは、面白くなさそうに言う。だがシグマはそんなVAVAの態度を気にする様子はない。
「強制はしない。誰にでもできることではない。」
シグマはそう言うと独房の外に出る。
「自ら狂う事が出来なければな。お前の装備は、外にある。その気があるのなら好きにするがいい。」
「・・・・・・・・」
シグマはそう言い残すとその場から離れて行った。
そして、現在に至る。
「・・・・・・悪いが世界を変えるのはエックスではない。この俺だ!!」
VAVAは、ライドアーマーに乗り込み、その場から飛び降りていった。
シティ・アーベル セントラルハイウェイ
エックスは、ゼロに運ばれた後にミサイルの攻撃から運よく免れたDr.ケインの修理によって意識を取り戻した。意識を取り戻すなり、エックスは急いで現場へと急行していた。ゼロとケインには、もう少し休んだ方がいいと言われたもののこうなったのは自分の責任だと感じとり、二人の言葉を押しのけて破壊された高速道路を移動しながらメカニロイドをバスターで撃ち落としていく。
『エックス!そのエリアの暴動もイレギュラーが誘導している可能性が高いわ!』
「誘導・・・・やはり、シグマか!」
オペレーターの通信を聞いたエックスは、万全とは言い難い状態でありながらも確実に暴走メカニロイドを破壊しながら移動していく。
しかし、自分が破壊した覚えのないメカニロイドの残骸まで見えた。
シグマの反乱によって大半の特A級ハンターは、組織から離脱してしまっている。それ故にだれがやったのか見当がつかなかった。
しばらく移動していくと見覚えのある人影が見えた。
「貴様・・・・・・VAVA!!」
エックスが見たのは、脱走して行方を暗ませていたVAVAだった。
「よう、エックス。シグマに踊らされている気分はどうだ?」
「貴様もシグマの反乱に加わっているんだな!?」
「反乱?・・・・・クッククク、そんなこと知ったことか!」
「!?」
「俺はな・・・・・お前が気に食わないだけだ!行くぞ!エックス!」
VAVAは、ライドアーマーを操作してエックスに襲い掛かる。エックスは動きの鈍いライドアーマーの短所を利用して、うまく回避しようとする。
「甘いぞエックス!俺のライドアーマーを他の量産型と一緒だと思うな!!」
「なっ!?」
ライドアーマーのパンチがエックスの腹部に直撃する。エックスは後方へと吹き飛ばされる。
「ゴフッ!!」
「コイツは、俺専用にチューンアップした奴だ。並のライドアーマーよりもパワーもスピードも桁違いだ!」
「くっ!」
エックスは、必死の抵抗でバスターを発射する。
「ほれほれどうした?お前にしては全然当たらんぞ?」
「くっ・・・・・・」
現在のエックスは、病み上がりで万全な状態でない上にダメージを受けてしまっている。今の状態ではVAVAの動きを見切るのは極めて困難な状態だった。
「フン、所詮エックスはこの程度か。」
VAVAは、弱っているエックスをライドアーマーの腕でつかみ上げる。
「ぐうぅ・・・・・・・」
「これが可能性か・・・・・・シグマの奴は誤ったようだな。これでどちらが真に優れたレプリロイドかどうか明らかじゃないか。」
ライドアーマーの腕は今にもエックスを握り潰さんばかりとしている。
「ぐわあぁぁぁぁ!!!」
「世界を変えるお前じゃない!この俺だ!VAVAだ!クッハハハハハハ!!!」
「ぐ・・・・ど・・・・・ドラえ・・・・・・」
その直後、赤い光弾がエックスを掴んだ腕を破壊した。
「何っ!?」
VAVAは、光弾が飛んできた方を見る。よく見るとゼロがバスターをチャージしながらこちらに向かってきていた。
「エックス、大丈夫か?」
ゼロは、エックスを庇いながらバスターをVAVAに向ける。
「クッ・・・・・ゼロ!貴様ほどのハンターがどうしてエックスに肩入れする!?そいつはたかがB級ハンターに過ぎん!」
「VAVA・・・・今のお前はイレギュラーだ。俺はハンターとしての義務を全うしているまでだ。」
「ちっ。」
VAVAは、ゼロのチャージショットを避けると高速道路から飛び降りる。
二人が道路の下を見るといいタイミングで旗艦兼空中要塞デスログマーが離陸しようとしているところだった。
VAVAは、デスログマーから二人を見下ろしながらその場から離脱していく。
「・・・・イーグリードまで堕ちたか。これで大半の上級ハンターがイレギュラーになったに等しいな。」
ゼロは、そう言うと跪いているエックスの方に戻る。
「くっ・・・・俺の力じゃ奴等には勝てないのか・・・・・・」
エックスは自分の無力さを呪った。
「エックス、いつまでもミサイル基地の件で自分を責めるのはよせ。あれは俺の責任でもあるんだ。それにお前はまだ万全じゃなかったんだ。気に病むな。」
「・・・・・・でも、VAVAには敵わなかったよ。これじゃあどの道シグマを倒すこともできない。」
「確かに今のお前じゃシグマを倒すのは無理だ。しかし、お前には戦いの中で成長する能力がある。」
「成長する能力?」
「あぁ。俺は少なくともそうだと確信している。お前は戦えば戦うほど強くなれるはずだ。俺よりもな。俺はそれに賭ける。だが、今のお前には、修理が必要だ。一回ハンターベースに戻ってじじいに直してもらえ。じじいの方も心配していたからな。」
「ゼロはどうするんだ?」
「俺は、もう少しシグマの足取りを追ってみる。後で連絡する。」
ゼロはそう言うとその場から去ろうとする。
「・・・・・・・ゼロ。」
「ん?」
「ありがとう、君のおかげで少し気が楽になったよ。俺もケイン博士に直してもらったら急いで合流するよ。」
「・・・・フッ。そういうのは照れるからよせ。」
ゼロは笑みを浮かべた後走り去っていき、エックスは一旦ハンターベースへと戻って行った。
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