ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
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イレギュラーハンター
シティ・アーベル上空
大型メカニロイド『ビーブレイダー』高速移動型内部
『降下地点マデ後、45秒。』
「・・・・・」
『聞こえるか、エックス。目標の有効射程距離に入り次第すぐに叩け。』
「・・・・・・・・」
『・・・・・エックス。』
「・・・・・・グウ。」
『エックス!』
「はっ、はい!?」
しまった。うっかり居眠りをしてしまった。
俺は、人間の頃学校の先生に怒られていた時のように思わず反応してしまった。
『間もなく降下地点に到達するな?』
「は、はい!」
『目標が射程距離内に入り次第、お前の射撃で目標を行動不能にするんだ。いいな?』
「わかりましたシグマ隊長!」
『うむ。』
俺が生まれ変わってこの世界に来てから随分時が経った。
次に意識を取り戻した時は、ライト博士の姿はもうなかった。俺の発見者であるケイン博士の話によると俺は約百年近くメンテナンスカプセルの中で封印されていたと言う。
後でわかったことだけど俺の正式名称は『ロックマンX』でどうやらあのゲームのロックマンの後継機らしい。
それからしばらくしてケイン博士が俺の設計データを基に『レプリロイド』を開発・生産され、社会はレプリロイドと人間の共存する世界へとなった。
しかし、その後レプリロイドの中で人間に危害を加える「イレギュラー」が発生、そのイレギュラーの捕縛・破壊を目的とした「イレギュラーハンター」が結成された。
俺は、その中の第17精鋭部隊に所属することになった。ちなみにハンターランクは「B」。どうも甘いところがあって他のメンバーからは嫌な目で見られることが多い。
上司であるシグマ隊長と同僚で先輩であるゼロはそこまで強く言わないんだけどね。
『降下地点、到着。』
ハッチが開くとその真下には俺の住む街「シティ・アーベル」が小さく見える。
俺の任務は、上空から暴走しているメカニロイドを空から狙撃して行動不能にすることだ。
地上ではシグマ隊長たちが部隊を率いて待機している。
「・・・・・行くか。」
俺は、ハッチから飛び降りると地上に向かって降下し始める。
そう言えば昔、偶然見つけた首長竜の卵をから孵して、白亜紀の世界を旅した時こんな感じで滝からドラえもんと一緒に落ちたんだっけ?あの時は運が良かったのか『交通安全のお守り』でよく無事で済んだな・・・・普通なら大怪我どころか死んでいたかもしれないことだったな。
今、思い出すと懐かしいものだ。
だんだん町が大きくなるにつれて俺は右腕をバスターへ変形させ地上に向けてチャージを始める。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ハンター試験とかの時は思わず相手を撃つことに戸惑う事があったけど今回はメカニロイド、躊躇わずに撃つことができる。右腕からバチバチと音が鳴る。どうやら限界までチャージしたようだ。
「一発で決める!!」
俺は、地上を徘徊している暴走メカニロイドに向かってフルチャージショットを放った。
上空からの狙撃にメカニロイドは地面へと叩きつけられ、沈黙する。
(手応えあり・・・・・)
威力を弱めてバスターを発射し、俺は近くのビルに飛び移って地上に着陸した。
「B中隊、突撃!」
エックスの狙撃を確認したシグマは、沈黙したメカニロイドの確保に移る。
「行くぞ!確保するクワッ!」
ペンギン型のレプリロイド アイシー・ペンギーゴは隊員を引き連れてメカニロイドの方へと向かっていく。
だが、その直後メカニロイドは何事もなかったのかのように動き出した。
「「「なっ!?」」」
思わず隊員たちは唖然とする。
「あの攻撃を受けて何ともないのか!?」
ペンギーゴも同様に驚く。メカニロイドは脚部を動かし、彼らの方へと向かっていく。逃げ遅れた隊員は奴に押しつぶされる。
「くそ!奴の足を止めるんだ!!」
「ゼロ、そちらから目標のメインジェネレーターを確認出来るか?」
状況を見た上でシグマは、近くに待機している赤いレプリロイド ゼロに通信を入れる。彼の視点でメインジェネレーターは確認できるもののそれはメカニロイドの胴体の下で近づかなければならなかった。
「ダメです!奴の動きが早くて近づけません!!」
その間にも隊員がメカニロイドに捕まり別の部隊へと投げ飛ばされ被害は広がって行く。
「喰らえ!!」
ペンギーゴは、口から冷凍弾「ショットガンアイス」を発射してメカニロイドの脚部を凍らせる。他の隊員たちもワイヤーを発射して動きを封じようとするがメカニロイドのパワーは相当なもので氷が砕け始めた。
「なんてパワーだぁ・・・・・」
ペンギーゴは思わず表情を顰めた。
「隊長!奴のパワーは想像以上です!地上援護に回ります!」
俺は、地上に着くなり通信を聞き、急いでペンギーゴのチームに合流しようと走っていた。しかし、現場に到着しようとしたとき隊員の一人が捕まってしまっていた。
「た・・・・助けてくれ!」
「野郎!」
一足来るのが遅かった。
「くっ!」
俺は、バスターを奴の脚部に向かって撃つ。しかし、メカニロイドは工事などの作業用として頑丈に作られている。そのため、通常のバスターでは歯が立たない。メカニロイドは今度は俺たちに向かって襲い掛かってきた。
「いつまでも好き勝手にやらせるかよ!!」
ゼロはバスターを構えながら突っ込む。
バスターから放たれた光弾により関節を破壊したため、メカニロイドはバランスを崩し、メインジェネレーターが見えるようになった。
「あっ・・・・・・」
「ジェネレーターだ!」
俺は、すかさずバスターで照準を定めようとする。だが、そのすぐ近くには捕まった隊員がいる。外せば彼の命が・・・・・・・
「エックス!ジェネレーターだ。ジェネレーターを撃つんだ!!」
ペンギーゴが言うのは尤もだった。でも、俺の手が震えて目標をうまく定められない。
俺はのび太だった頃、射撃だけは得意だった。
シューティングゲームに関してはスネ夫やジャイアンにも劣らなかったし、狙いを外したことはない。
だが、それは敵を容易に狙える時の方が多かった。
誰かを盾にされた時のことはあまり考えたことがない。
故に撃つのを躊躇ってしまう。
「早くしろ!エックス!!」
「くっ!」
俺は、バスターをチャージさせながらメカニロイドに向かって走って行く。
「何をするつもりだエックス!?」
突然の俺の行動にペンギーゴは唖然とする。
メカニロイドは、まだ動く脚部で俺を潰そうとするが紙一重に避け、スライディングでジェネレーターの真下へと転がり込む。
「ここなら!!」
俺は、ジェネレーターの真下でバスターからチャージショットを発射した。
事件は、メカニロイドが機能を停止したことによって幕を閉じた。
幸い怪我人は少なく、捕まった隊員も無事救出することに成功した。
ペンギーゴは、俺に何か言いたいようだったが事件が解決したこともあってそのまま現場を後にして行った。
俺は、ホッとしながら運ばれていく隊員を見送るとシグマ隊長が来た。
「エックス。」
「シグマ隊長。」
「今回はご苦労だったな。」
「は、はい!」
シグマ隊長を前にして俺は背筋を伸ばして言う。
「だが、エックス。お前の射撃能力なら回り込まずともあの場でジェネレーターを撃つことができたはずだ。」
「・・・・・・・・」
「仲間を危険にさらしてしまう確率はほんの数%に過ぎない。違うか?」
「はい、シグマ隊長。私は・・・・・」
「いいか、エックス。我々イレギュラーハンターには、引き金を引くのを躊躇ってはならない時がある。」
「・・・・・・」
「それが力なき者の剣となり、盾となる我々の定めだ。忘れるな。」
「・・・・はい。」
「うむ、損害状況の確認を終わった者から撤収!」
「「「はい!!」」」
俺の返事を聞くとシグマ隊長はほかの部隊に損害状況の確認を指示して現場から去って行った。
「・・・・・・」
「大活躍だったじゃないか。」
「ゼロ。」
俺は、後ろから声をかけてきたゼロの方を見る。
「どうした?せっかく大活躍したのに元気がないじゃないか?」
「いや、そんなでもないさ。また、撃つのをためらっちゃったからさ。」
俺たちはそんな会話をしながら拠点であるハンターベースへと戻って行く。
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