魔法少女リリカルなのはStrikerS~赤き弓兵と青の槍兵
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本編
十六話~見守る者たち
side ティアナ
オフィスでのデスクワーク中、部隊長に呼び出しを受けた。
「実は今日本局に行くんやけど、ティアナも一緒に来るか?」
「本局に……ですか?」
「今日会う人はフェイト隊長のお兄さん、クロノ・ハラオウン提督なんや。執務官資格もちの艦船艦長さんや。将来のためにこういう偉い人と会う経験しといたほうがいいと思ってな。一緒に来る?」
こちらとしては願ってもない事。もちろん私は
「はい!同行させていただきます!」
二つ返事で付いていくことにした。
……………………………………………………
「ついたで、ティアナ」
着いたところは次元航行艦、『クラウディア』の艦内。
「ようこそ、クラウディアへ。僕が艦長のクロノ・ハラオウンだ」
「査察官のヴェロッサ・アコースだよ。よろしく~」
出迎えは二人。クロノ艦長御自らとは驚いた。
「で、はやて。そちらは……?」
「ティアナ・ランスター二等陸士であります!」
「ティアナは六課のフォワードリーダーで執務官志望なんよ。それでクロノ君に会っとくか~、って」
「そうか。それより、臨時査察を受けたそうだが……」
「即時査問は回避したよ。しばらくは大丈夫そうや」
「立ち話もなんだし、そろそろ移動しないかい?」
アコース査察官の一言で私たちは移動した。
side はやて
着いた先は艦長室。そこで私は驚くべきものを見た。
「クロノ君が、ケーキを……!?」
「相変わらずのオーバーリアクションだな……」
「僕の自作ものだよ。甘さ控えめだからね」
「なるほど、納得や」
椅子に座り、ケーキとお茶をもらう。
そして、食べる。本人の言う様に甘さの抑えられたものだ。しかし……
「ロッサ、もうちょいやね。士郎の方が上やな」
「お、少し辛口の評価だね。それにしても、あの彼はそんなに上手なのかい?」
「上手いなんてもんやない。アレを食べた時、私は初めて料理で完全敗北を味わった……!」
「それはまた、すごいな………」
と、話が脱線しすぎた。ティアナは驚愕の表情でこちらを見ているし。
「ティアナ、だよね。コレはあんまり気にしないで。僕ら三人で集まるといっつもこうだからさ」
「は、はぁ……」
「なぜ僕を含める………」
「え?」
「クロノ君何言うてるんか?」
「僕がいなくても君たちはそんな感じだろう!」
「いや、クロノ君は大事なアレだからね」
「そう、大事なアレや」
「アレってなんだよ……」
ロッサを見ると、いかにも『考えてること同じでしょ?』という顔をしていた。まあ間違いなく同じだろう。そうして私は口を開いた。
「「ツッコミ」」
「やっぱりか!」
やっぱり同じだった。
…………………………………………………………………………
おバカ騒ぎを追えて本題に入る。
「そうそう、君も座りなよ」
「いえ、自分はここで……」
「じゃあさ、ケーキ、いるでしょ?」
「いえ、自分は……」
「じゃあ、お土産にあげるから六課のみんなと食べてよ。ね?」
「は、はい……ありがとうございます」
これはロッサとティアナの会話だが、本題はこれではない。断じてこれではない。
大事なことなので二回言いました。
(今回の事は前線にも?)
(予言関連はぼかしてあるよ。地上本部が襲われる可能性がある、という事だけや)
(なるほど、それより僕はあの男のあの時の発言、あちらの方が気になるんだが……)
(あれは結局よくわからんのよ……ほかの三人はよく聞こえてなかったみたいやし)
(そうか……)
クロノ君の気になる発言、とは聖王教会での会談の時のことだ。
カリムに協力をお願いされた時、近くにいた私にギリギリ聞こえるくらいの声で
「この予言が俺たちを呼んだのかもしれねぇな……」
と呟いていたのだ。解散後、部屋を後にしたなのはちゃん達三人の後を追おうとすると、クロノ君がこのことを私に話した。それで後で聞いてみる、といったのだが……
単刀直入に聞いても答えてなどくれるわけがない、というのは重々承知だったのでそれとなく
「なんで私がマスターに選ばれたんやろうな?」
と、聞いたのだ。
そうしたら
「俺たちの幸運がないからだろ」
とはぐらかした答えが返ってきたのだ。
で、人の事を疫病神みたいに言うな!といったら、
「ステータスがマジでそうなんだって!嘘だと思うなら見てみろ」
といわれ、マスターの権利の一つであるというステータス透視、そのやり方を聞いてみると………
(でも、わかったことはあるよ)
(ほんとうか?)
(あの二人、幸運がない)
(……………は?)
(マスターにはサーヴァントのステータスを見る能力があるんや。それでみたら幸運が最低クラスやった)
(どうでもいい情報だな………)
ほかにも筋力や敏捷などわかったことは多いのだが、ここでは省略する。
(てなわけで収穫はなしや)
(いやまて、てなわけでな意味わからないから!)
(も~、クロノ君のいけず~)
(いけず~、じゃない!)
(あっ!忘れとった!!)
(なにかあったのか!?)
(いや、こっちの話や)
(そんなどうでもいいこと念話で伝えないでもっと有用なことを話してくれよ……)
(だが断る!)
(そんなところでジョ●ョネタを持ってくるな……)
(クロノ君、ジョジ●わかるんか!?あとで語ろ!!)
(………はぁ)
そんなこんなで時間は過ぎて行った………
side エリオ
僕はフェイトさんとキャロと先日の事件の現場での調査に向かっている
「地上本部にテロ行為………ですか?」
「あくまで可能性の話だけどね」
「確かに、管理局の魔法防御は鉄壁ですけど、ガジェットなら……」
「そう。対処しづらい。管理局法で質量兵器の保有は禁止だからね」
「質量兵器……?」
キャロは知らないのかな?
「質量兵器は質量物質をぶつけたり、爆発させたりする魔力を使わない兵器の事だよ」
「それって………」
キャロが言いたいことは大体分かった。
「士郎の出す剣がそうじゃないか、ってことでしょ?」
フェイトさんが先に聞いてくれた。
「はい……」
「アレは、魔力で構成してる武器で、爆発したのはその魔力を暴発させてるんだって」
「っていうことは……?」
「一応は魔法兵器に分類される、って士郎は言っていたよ」
余談だが、衛宮士郎の剣に関して言えば魔力で構成されてはいるが、材質の複製を行うために魔力を使っていて、剣の形になったときはすでに本物の剣と変わりのないものになっている。そもそもが宝具という質量兵器(笑)なスペックを持つものであるので、ロストロギア扱いで違反、の方が正しい判断であるだろうが。
「そうなんですか……」
「質量兵器って子供にも扱えてしまうようなものもあるんですよね?」
「そう、扱いやすい危険な力。それが質量兵器の一番怖いところ。管理局創設当時から質量兵器、並びにロストロギアの規制を続けてきた。でも、色んな意味で武力は必要。さて、どうしたでしょう?」
この答えは簡単だ。隣のキャロはわかっていないみたいだが。
「クリーンで安全な力として魔法文化が推奨されました」
僕の言葉にはっとなるキャロ。
「正解。魔法の力を使って、管理局は今の体制を整えた。各世界の浮かぶ次元空間に本局、発祥の地ミッドチルダに地上本部を置いた。それが約75年前」
「あっ!新暦の始まりですね!」
「そう。で、その時に管理局を切り盛りしていたのが」
「彼の三提督ですね」
「と、歴史の話はここまでにして、ガジェットが出てくるようならレリックが絡まなくても出動があるからね」
「「はい!」」
ガジェットの相手はだいぶ慣れてきたし、ランスさんからもだんだん実戦的なことを教えてもらえるようになってきた。頑張ろう!
side ランス
俺がいるのはミッドの首都クラナガン。非番なので(デスクワークから逃げただけ)街をぶらぶらしている。目線の先には管理局地上本部。
俺は聖王教会でのことを思い出していた。
……………………………………………………
「情報源が不確定という事もありますが、管理局崩壊という事自体が現状ではありえない話ですから」
「そもそも、地上本部がテロやクーデターにあったとしても、それが原因で本局まで崩壊、言うんは無理があるし……」
「本局も警戒の強化はしている。しかし」
「問題は、地上本部なんです」
「ゲイズ中将は予言を信用していない。特別な措置は取らないそうだ」
「異なる組織が手を取り合うのは難しい事です」
「協力の申請も内政干渉や強制介入に言いかえられてしまうし……」
「ただでさえミッド地上本部の発言力や武力は問題視されてるのに……」
「だから、表立っての主力投入はできない、と」
「すまないな。政治的話は現場には関係ないんだが……」
「せやから、裏ワザ気味でも地上で動ける部隊が必要やった」
「地上本部が本腰を入れるか、本局と教会の主力投入まで前線で持ちこたえる」
「そう。それが六課の意義や」
「もちろん、任務以外のご迷惑はおかけいたしません」
「それについては大丈夫です」
「八神二佐から確約をいただいていますので」
「では、改めて聖王教会騎士団騎士、カリム・グラシアがお願いいたします。危険も伴い、華々しくもない任務ですが、どうか協力していただけませんか?」
「全力をかけて」
「承ります」
「………」
「ランス?」
「あ、ああ。すまねえな。考え事してた。話は聞いてたぜ」
「では……」
「いいだろう。赤枝の騎士の誇りのもとに、その任務承る」
「ありがとうございます!」
……………………………………………………
地上本部の崩壊から本局崩壊まで繋がる事態。
常軌を逸した存在である俺でさえ何が起こるか分からねえが、これだけは言える。
この事態を止めるために俺はここにいる。その時は………
宝具の使用も必要になるかもしれない。それだけは確かだ。
そうして俺は踵を返した。
side スバル
「よ~し、お~わりっと」
作業を終え、席を立つ。廊下に出ると士郎さんとばったり会った。
「おや、スバルか。仕事は今終わったところか?」
「はい。士郎さんは?」
「私は……」
と、昼の休憩を告げるチャイムが鳴った。
「む、少し遅れてしまうな」
「どこかに行く予定だったんですか?」
手元を見れば、何やら大きめの荷物が。
「これから寮でなのはとヴィヴィオと昼食だ。食堂で昼食をつくっていたら、作りすぎたのか思いのほか時間がかかってな」
どうやらこの荷物は三人のお昼ご飯らしい。そして今の言葉の中の一言を私は聞き逃さなかった。
「作りすぎちゃったんですね!ならあたしも食べるのお手伝いしますよ!だから一緒に行ってもいいですか?」
「あ、ああ………」
若干引きつりながらも了承をもらった。ゴリ押しの勝利!
……………………………………………………………
道中、気になっていたことを聞いてみた。
「そう言えば、ヴィヴィオってこれからどうなるんですか?」
「一時的にだが、私となのはで預かることになった。なのはが保護責任者、私が後見人だ」
「そうなんですか~」
ヴィヴィオ、二人に懐いてるから喜んでるだろうな~
side なのは
「そろそろパパ戻ってくるね」
「ほんと?パパかえってくる?」
その時、部屋のドアが開いた。
「戻ったぞ」
「おかえりなさい」
「あっ、士郎君おか……え、り……?」
「おっじゃまっしま~す!」
なぜかスバルも一緒だった。
………………………………………………
「そういうことだったの……」
「ああ。それにしてもなぜさっきは不機嫌だったんだ?」
「別に不機嫌じゃなかったよ?」
最初スバルがいた時に驚いた私を見た二人がばつの悪そうな顔をして
「なぜ怒っている?」
だの
「おじゃまでしたか?」
だのと聞いてくるから驚いただけだって説明したらスバルが申し訳なさそうに理由を話してくれた。
ホントに驚いただけなのに………
「ママ、パパがおねえさんといっしょだったからおこってたの?」
ヴィヴィオまでこれだ。私そんなに怒った顔してたのかな………
だが、そんなことも士郎君の料理が出されてからはみんなの中から吹き飛んでしまった。
なぜか重箱(しかも四段重ね)が出てきて驚いた私とヴィヴィオとスバルだったが、中身を見たらもっと驚いた。
一段目には唐揚げ、卵焼き、ミニコロッケ、ポテトサラダ、きんぴら、野菜炒め、ミートボール、エビフライなどがぎっしり詰まっていた。
二段目にはサンドウィッチ。卵サンド、カツサンド、コロッケサンド、生ハムサンド、イチゴジャムサンド、などが。
三段目はおにぎりが。具は食べてのお楽しみらしい。
そして四段目にはデザート。アップルパイがきれいに切り分けられて入っていた。
ちなみになぜおにぎりとサンドウィッチが一緒に入っているかというと
ヴィヴィオがサンドウィッチを食べてみたい、と言っていたからだそうだ。
おにぎりは私たちの分、という事で作ったらしい。………どう見ても作りすぎだが。
「あまくておいしい」
「ほら、ヴィヴィオ。口の周りにジャムが付いているぞ」
イチゴジャムサンドを食べるヴィヴィオの口周りを拭く士郎君。なんだか本当にお父さんみたい……
「このエビフライ、おいし~い!」
「ソースが自家製だからな」
相変わらずすごい………
と、かくいう私も
「このおにぎり、ツナマヨだ~。なつかしいな~」
「なのはさんにも子供のころがあったんですか!?」
「君も見ただろうが……」
「あははは…………」
スバル………もう忘れてるよ……
そんなこんなで大絶賛の昼食は残さずいただきました。…………おもにスバルが。
side ティアナ
アコース査察官からデータを受け取る。
「ティアナ、だよね?君から見てはやてはどうかな?」
「優秀な魔導士で、優れた指揮官だと思います」
「うん、そうだね。はやてとクロノ君、僕の義理の姉、カリム。三人は結構古くからの友人同士でね。その縁で僕も仲良くさせてもらってるんだけど……」
「はい。存じ上げています」
「古代ベルカ式魔法の継承者同士だし、何より、はやてはいい子だ。いたずらはするけど、根はとっても優しいしね」
「はい」
「僕にとって、妹みたいな存在なんだ。だから、心配でね……。レアな魔法や強力な戦力、人を引き付ける牽引力。そういうものを持つってことは、同時に孤独になっていく、という事でもある」
「はい……」
「そう言う人は、確かに必要とされる。でも、それはその人ではなく、力そのものが必要とされている、という事なんだと僕は思う。まぁこれは極論だけどね」
「わかります。そういう力を持つ人には重圧やさみしさが常に付きまとう……」
「そうそうそれそれ!つまり、僕が言いたいのは……部隊長と前線隊員として、上司と部下としてだけじゃなく、人として、女の子同士として、接してあげてほしいんだ。はやてだけじゃなく、君の隊長さんたちにもね」
この人は、本当に部隊長の事を大切に思っているのだろう。それがひしひしと伝わってきた。だから、
「はい。前線一同、心がけていきます」
そう、答えた。でも、だからこそ気になった。
あの二人のこと………どこかで一歩遠慮しているような、そんな二人。
最近射撃の訓練をつけてくれるようになった、家事が得意で気配りのうまいあの人。
普段は仕事をさぼったり、人をからかったりしているが、いざという時は見えないところからサポートしてくれるあの人。
そんな二人にも、もっとそうやって接していこう。そう、思った。
side クロノ
二人が帰った後、ヴェロッサと共に六課の部隊データに目を通す。
「それにしても、はやては身内と部下に恵まれているな」
「そうだね。ティアナもいい子だったしね。でも……罪の意識は消えていない。はやては相変わらず生き急いでるように見えるよ」
「この件が片付けば、はやての指揮官適性は立証される。闇の書事件についても、言えるものは少なくなるだろう。なのはとフェイトが付いているとはいえ、こちらでもサポートはしてやらないとな」
「おいおい、本局が表だって動いちゃダメだろ。僕に任せてよ。査察官って立場は秘密行動に向いてるんだからさ」
こいつには世話をかけっぱなしだが……
「すまないな、頼む」
それでも、やっぱり頼れるのはこいつだけだった。
side ゲンヤ
マリエル技官の検証データ。そいつを確認するが……
「間違いねぇか」
「はい。襲撃してきたボディスーツの子たち………最新技術で作られた戦闘機人に間違いありません」
嫌な予感はあったが……やっぱり、まだ続いていたか……。
「マリーさんの解析データを六課とすり合わせないといけないんですが……」
ギンガの声にも若干の動揺が見て取れる。こいつもあの事を思い出したようだ。
あいつの……クイントの命を奪った『戦闘機人事件』を。
「そいつは俺が直接行く」
「わかりました。八神部隊長、お戻りは八時過ぎだそうです」
「マリエル技官はどうする?」
「私もご一緒します。最近スバルにもあっていませんから」
「そうかい。じゃ、時間まで自由にしていてくれ。ギンガ、任せたぞ」
「はい。マリーさん、休憩室の方へ」
「うん!」
二人が出て行った後、一人物思いにふける。
「まだ、なんも解決しちゃぁいねえんだよな……」
side フェイト
「へぇ~二人がママとパパになってくれたの」
「そいつぁ良かったな」
「うん!」
ヴィヴィオから今日の出来事を聞いた。
「で、はやてちゃんの計らいで私も少しオフシフトが増えることになったから……」
申し訳なさそうななのは。言いたいことはわかってる。
「大丈夫。新人たちの事は任せて。ヴィータもいるし、私も協力するから」
「フェイトちゃんただでさえ忙しいのに、ごめんね」
「これくらい平気だよ。そこのサボりの常習犯も協力してくれるし」
「ん?誰の事だ?」
わかってない犯人。その事実を突きつける。
「「ランス(君)だよ」」
なのはとセリフが被った。
「は?俺?」
「貴様以外にこの中でサボる者がいるか?」
ランス、思考中。
「………いねぇな」
「でしょ?ちゃんと協力してね」
「もの教えんのは得意じゃねぇんだがな……」
「だったら書類仕事やる?私の分も」
「……わぁーったよ。やってやる」
でも、なんだかんだで満更でもなさそう。エリオとキャロの事も可愛がってくれてるしね。
「フェイトおねえさん、おにいさんとなかよし?」
今の会話を聞いたヴィヴィオがそんなことを聞いてきた。
「おう!抱き枕にされるほどだぞ」
まだ根に持ってるの……?
「だきまくら?パパ、なあにそれ?」
「だっこして寝る、少し大きめの枕の事だよ」
「へぇ~。おにいさんはまくらだったの?」
「ヴィヴィオ、それはちょっと違うよ……」
「………???」
はてなマークを浮かべるヴィヴィオ。
「つまりは、お姉さんはお兄さんが大好き、ってことだ」
「ラ、ランス!ヴィヴィオに変なこと吹き込まないでよ!!」
「じゃあわたしもママとパパだきまくらにする~」
ヴィヴィオの中に謎の方程式が生まれた。
この後、ヴィヴィオの誤解を解くのに30分かかった。
side スバル
本局に言ったティアを除く三人での夕食中、ヴィヴィオの話になった。
「ヴィヴィオ、なのはさんと士郎さんが親代わりになったんですか」
「すごい至れり尽くせりですね……」
確かに。あの二人が両親なんて少し羨ましいかも……とか思ってみたり。
「でも、二人だってフェイトさんの被保護者でランスさんにも可愛がってもらってるよね?」
「それは、そうですけど……」
そこで、ふと気になった。
「そう言えば、二人にとってフェイトさんってお母さん?それともお姉さん?」
「私は、優しいお姉さん、かな……?」
「僕は……どっちだろう?難しいかも……」
「へぇ~。じゃ、ランスさんは?」
「「お兄さん!」」
即答だった。フェイトさんの時は結構悩んでたのに。
「そう言えばフェイトさんはエリオ君が弟なのと子どもなの、どっちが嬉しいのかな?明日聞いてみようよ」
「キャ、キャロ!お願いだからやめて!」
「???」
そんな二人の会話を聞いて、私も思い出していた。
母さん………。ちっちゃかったからよくは覚えてないけど、すごく優しかった母さんの事を。
side ギンガ
六課に向かう車中で、私は考えていた。
あの事件は終わっていない。母さんを殺した、戦闘機人事件は。
ブリッツキャリバーを握りしめ、母さんのためにもこの事件は必ず解決させる。そう決意した。
後書き
十六話で~す。
クロノはツッコミ。これは譲れなかった。
そしてこれが年内最後の更新となります。
新年は幕間からやってこうかな~と考えています。
それでは皆様よいお年を~
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