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夢幻水滸伝

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第百三十三話 高度を下げてその十

「戦局はわからないですし」
「そうなるんやな、やっぱり」
「そうですし」
「出来れば」
 茅も言ってきた。
「向こうの神星の人三人全員何とかしたいけど」
「それは難しいと思うですし」
 郁は腕を組み首を捻って答えた。
「どうしてもですし」
「それはやな」
「やっぱり神星の人達の力は圧倒的ですし」
「うちの羅さんと施さんにしてもそうやし」
「日本もそれは同じですし」
「紫さんと中里さん、芥川さんは」
「めっちゃ強いのは間違いないですし」
 このことはもう間違いないというのだ。
「そやからですし」
「この度の戦は」
「ここは棟梁さん達の采配通りに」
「一騎打ちはしないことですし、もっとも僕ちんは」
 郁は自分の本音も話した。
「一騎打ちは得意でないですし」
「それを言ったらおら様もや」
 茅は郁に自分もと答えた。
「プリーストやからな」
「だからですしな」
「それでや」
 どうしてもというのだ。
「一騎打ちはな」
「苦手ですしな」
「格闘戦自体が」
「プリーストなら当然ですし」
 基本格闘及び戦闘を担う職業でないからだ。
「仕方ないですし」
「そういうことか」
「そうですし、しかし」
 郁はここで敵軍である日本軍を見た、そしてだった。
 その軍勢の上に八岐大蛇とその背にいる綾乃を見てごくりと息を飲んだ、そしてそのうえでこうも言うのだった。
「紫さんがおられるですし」
「あの人の強さは凄い」
 王もその綾乃を見て言う。
「ほんまに」
「ご自身の術の威力も絶大ですしが」
「それだけやないな」
「八岐大蛇が」
 彼女の神具でもあるこの八つ頭の大蛇がというのだ。
「怖いですし」
「八つ頭の大蛇で」
「その頭から術と炎や吹雪をどんどん吐くですし」
「日本の特撮のあれか」
 屈がここでこう言った。
「三つ頭の金色の」
「あの宇宙から来た龍ですしな」
「龍っつうか西洋のドラゴンか」
「そっちですしな、外見は」
「そやな、あれも強いが」
 映画を観ていると、というのだ。
「大蛇の頭は八つで」
「その分さらに強いですし」
「しかも術も使うし」
「まさに戦略兵器ですし」
 そこまでの強さを持っているというのだ。
「紫さんも怖いですしが」
「ここは」
 陳が考える顔で言ってきた。
「僕の瑠璃瓶で撃っても」
「結構な一撃になると思いますよ」
 それは否定出来ないとだ、莫が答えた。
「確実に」
「そうやね、やっぱり」
「ですが」
 それでもとだ、莫は陳にさらに話した。
「致命傷にはです」
「ならへんで」
「攻撃は続きますし」
 それにとだ、莫は話を続けた。 
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