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夢幻水滸伝

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第百三十二話 北西へその九

「蓬莱においてな」
「大軍で、ですか」
「囲んで押し潰す」
「そうしますか」
「大砲と術も使って」
 こうしたものもというのだ。
「もう圧倒的な数と火力で押し切るんや」
「まさに数ですね」
「何度も言うけどな」
「勿論蓬莱に乗り込む前に空と海でもそうする」
 羅も言ってきた。
「空船でも軍艦でも数は圧倒的や」
「そやからですね」
「空と海でもな」
「とかく数ですね」
「それで押すんや」
 羅も同じ考えだった。
「一に押す、二に押すって感じで」
「それが一番かと」
 軍師の巴がまた言ってきた。
「こちらは大軍、そして敵に強い武器があるなら」
「こちらの一番の利点を使うことやからな」
「大軍を用い」
「そうするんや」
「それでいきましょう」
 巴は軍師として羅に応えた。
「是非」
「ほなな、では飯も食って」
「身体も休めて」
「日本との戦に勝つで」
 それに、とだ。こうした話をしてだった。
 中国軍は崑崙に乗って日本軍が乗り込んでいる蓬莱に向かっていった、両者は琉球の北西で衝突しようとしていた。
 その中で綾乃は中里と芥川に話した。
「そろそろやね」
「ああ、仕掛ける時はな」
 まさにとだ、芥川は話した。
「いよいよや」
「そやね」
「考えられる限りのことをしてな」
 芥川は綾乃に真剣な顔で話した。
「そして勝つ」
「戦はそうしたものやね」
「そういうこっちゃ、それでや」
「今回はやね」
「僕とな」
「僕がやな」
 中里も言ってきた。
「やるんやな」
「そや、敵は絶対に一騎打ちは避けようとする」
 芥川は中国の考えを読んで中里に話した。
「敵の星の数は神星の二人を入れて二十二人やが」
「こっちは五十人や」 
 無論神星の者を入れてのことだ。
「二倍半近い」
「それだけおるからな」
「南洋との戦では一騎打ちもやって」
「星のモンを軍勢の方にも回してな」
「それも勝因になったやろ」
「それでやな」
 中里は芥川の話をここまで聞いたうえで話した。
「中国としてもやな」
「それを避けてな」
「もう軍勢同士の戦にもってくか」
「星のモンを軍勢に入れてな」
「あの時はな」
 中里は南洋との戦を脳裏に思い出しつつ芥川に話した。
「敵の星のモンを一騎打ちで封じて」
「残った星のモンを軍勢同士の戦に投入した」
「星のモンの力を軍勢同士の戦に投入したらな」
 相手の星の者達は封じたうえでだ。
「相当に有利になるな」
「特に僕等神星のモンはな」
「それでやな」
「中国側もそれを見てな」
「一騎打ちを避けるか」
「そうする、しかしな」
 その中国側の考えをというのだ。 
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