ドリトル先生の競馬
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第一幕その八
「今一着の馬は赤くて大きいね」
「立派な馬ね」
「サラブレッドでもとりわけ見事な体格ね」
「足も速かったし」
「特別な馬みたいだわ」
「赤兎馬みたいだね」
先生はこうも言いました。
「そうだね」
「あっ、赤くて大きいから」
「確かにそうね」
「あの馬赤兎馬みたいだよ」
「三国志に出て来るあの馬」
「呂布や関羽が乗っていた」
「その三国志にしても」
先生は笑顔になっています、そうして言うのでした。
「登場人物を美少女にするなんてね」
「あれ凄いよね」
「あんなのとても考えないよ」
「どうやってあんなこと考えたのか」
「戦国時代でも国家でも元素記号でもそうするし」
「擬人化も日本で凄くなって」
「美少女化なんかもするなんてね」
本当にとです、先生は笑ったまま皆にさらにお話しました。
「普通はしないね」
「確かにね」
「そうだよね」
「そこから一大ジャンルにもなったし」
「そんな発想も出来るんだから」
「日本人の閃きは驚くものだよ」
「僕にはとても無理だよ」
しみじみとして言う先生でした。
「ああした何でも美少女化する閃きはね、センスもね」
「あるよね」
「独特なものが」
「日本人には備わってるね」
「そしてその閃きにはね」
「僕達にはないね」
「どうしても」
動物の皆も思うことでした。
「鉄道だってそうしているし」
「声優さんが声をあてたりしてね」
「鉄道が出来た当初誰が考えたかな」
「鉄道の美少女化も」
「それはないね、馬にしても」
つまり競馬でもというのです。
「やっているしね」
「競走馬の美少女化だよね」
「あれも人気あるよね」
「そっちでもやったし」
「あと美少年化もしてるね」
「戦国大名や幕末の人で」
「やっているね、坂本龍馬さんなんか」
幕末の有名人のこの人はといいますと。
「実際の写真よりもね」
「凄い美形で」
「まさに美少年」
「あと新選組もそうだね」
「実際より凛々しいかもね」
「そうしたら女の子に人気が出るらしいんだ」
美少年化すると、というのです。
「これがね」
「そうなんだ」
「じゃあ逆にだね」
「美少女化したら男の子に人気が出るんだね」
「これ簡単な理屈だね」
「そうよね」
「うん、けれどそれを閃くことは」
まさにというのです。
「コロンブスの卵だね」
「そうだよね」
「思いつくには苦労するよね」
「中々思いつかないわよ」
「美少女化も美少年化も」
「そのどちらも」
「どうしても」
「そこはね、それであの馬も」
一等になった赤兎馬に似たその馬もというのです。
「そのうちにだよ」
「美少女になるかも知れないんだ」
「それでアニメにもなる」
「そうなるかも知れないんだ」
「若しかしたら」
「そうなるかもね、日本だと」
この国ならというのです。
「既に競争馬はなっているからね」
「イギリスじゃ絶対にないしね」
「歴史上の人物の美少女化とかも」
「競走馬もね」
「チャーチルさんを美少女とか?」
「ビクトリア女王を美少年とか」
皆思う限り言ってみました。
「エドワード黒太子が美少女だったらどうなるかな」
「ロビンフッドは案外ありかも」
「リチャード獅子心王にしても」
「若しかしたら」
「色々考えると面白いね」
「そうだね、この発想は」
まさにと言った先生でした。
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