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夢幻水滸伝

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第百三十一話 琉球を出てその十一

「だからでおじゃる」
「ここはやな」
「二人に声をかけるでおじゃるよ」
「それがええな」
 中原は夏目のその言葉に同意して頷いた、そうしてだった。
 二人で彼等のところに行ってそのうえで声をかけた、すると田中も宮沢も意外といった顔で二人にこう言った。
「ここでお会いするとは」
「予想していなかったですだ」
「こうしたこともあるな」
 中原は彼等に笑って応えた。
「たまたま同じ場所に遊びに来てな」
「会うことも」
「そういうことですか」
「そや、実は僕等はこうした場所が好きで」
「今も楽しんでいるでおじゃるよ」
 夏目は彼等に笑顔で話した。
「そうしているでおじゃるよ」
「そうですか」
「それでここで」
「そうでおじゃる。起きた世界でも動物園に行っているでおじゃる」
「学園の中の」
「そちらにも」
「他の動物園にもでおじゃる」
 八条学園の敷地内にある動物園だけでないというのだ。
「行っているでおじゃる」
「そうですか、ほな大阪の」
「天王寺動物園でおじゃるな」
「あちらにもですね」
「何度も行ったでおしゃる」
「そうでしたか」
「水族館も好きでおじゃるが」
 それでもというのだ。
「やっぱり動物園でおじゃる」
「そこがですか」
「一番好きでおじゃる」
 こう自分の趣味を話すのだった。
「何といっても」
「それで今もですね」
「ここで楽しんでいるでおじゃるが」
 それでもとだ、ここで彼は言うのだった。
「君達もおじゃるな」
「おら動物好きでして」
「僕はこっちの世界の琉球の面白い生きもの見たくて」
 田中も夏目に話した。
「ここに来ました」
「それで二人で、でおじゃるか」
「二人でそうしたお話して」
「意気投合してで、おじゃるか」
「はい、今ここにいます」
「このヤンバルクイナとか」
 中原はこの世界にもいる琉球独特の飛ばない鳥を見て話した。
「見ていてええな」
「そうですね」
「ほな今から四人で」
「見ていきますか」
「そうしていきましょう」
 田中も笑顔で頷いた、そうしてだった。
 四人で動物園の中を巡った、その中で宮沢はこんなことを言った。
「起きた世界ではテストがあってだ」
「自分成績は」
「それなりに自信があるだが」
 それでもとだ、宮沢は田中に答えてこうも言った。
「んだとも」
「ああ、勉強自体は」
「いつも人の倍勉強してだ」 
 そうしてというのだ。
「成績維持してるだ」
「そうやったんか」
「中々苦労してるだ」
「そういえば成績は星の人は皆大体ええけど」
 中原は田中と宮沢の話を聞いて言った。
「井伏君と山本君も工業科で中の上で」
「悪いのは玲子ちゃん位か」
「あの娘はまたスポーツ特化で」
 つまり勉強とは全く無縁だというのだ。 
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