| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

GATE ショッカー 彼の地にて、斯く戦えり

作者:日本男児
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第10話 イタリカ戦 後半戦

 
前書き
オリジナル怪人とは別に主人公、千堂の怪人態を5月末まで募集します。ドーパント、ゾディアーツ、ショッカー怪人のいずれかでお願いします。

アイディアは感想欄、またはメッセージにお書きください。  

 
『NEVERが来るところ…それは必ず地獄になる』


世界統治委員会でミュージアム代表の園咲琉兵衛が言った言葉である。


そして今、イタリカの平原は盗賊にとって文字通り地獄と化していた。



「オラァ、オラァ」
 

堂本剛三はロッドを振り回して向かってくる盗賊達をなぎ倒していく中、NEVERのスナイパーである芦原は向かってくる盗賊に対して援護射撃を開始する。


「ゲーム・スタート」


芦原はアサルトライフルであるG36を盗賊に向かって構え冷徹に引き金を引く。

盗賊達は次々と放たれる銃弾の撃ち抜かれて絶命する。


「くそ!!なんでこんな目に!?」


そう言って剣を持った盗賊はすぐさま剣を芦原に突き出して突撃するが芦原はその盗賊に向けて引き金を引き、放たれた銃弾は左胸を撃ち抜く。
盗賊は力なく跪くが芦原は更に眉間に撃ち込んで息の根を止める。


「ゲーム・オーバー」




別のところではNEVERの女性メンバー、羽原レイカが盗賊と戦っていた。


「へっ、小娘が!取り囲んで殺っちまえ!!」



盾でレイカの周囲を取り囲んで突進してくる盗賊を素早い身のこなしでジャンプし、ヒラリヒラリと避け、盗賊達にまとめて回し蹴りを食らわして気絶させる。



それを見て恐れをなした盗賊の女性が逃げる。その女性は腕や手首辺りに羽が生えていた。彼女はセイレーンだった。


するとある程度走ったところで突然―


「逃さないわョ♡」


彼女の前にNEVERのサブリーダーである泉京水が現れてオーバーな動きをしながら立ちふさがる。


「ウッ、ウワァ!!変なオッサンだ!」



「あんた!言ってくれたわネ!レディに対してサイテーの侮辱を!ムッキーーーー!!!」


京水は酔拳のようにクネクネと動きながらで怒りを表すと素振りを見せ、どこからともなく鞭を取り出す。


「悪い子には!お仕置きよォーー!」

 

そして鞭を使って足元を締め上げて転倒させる。するとセイレーンは固い地面に頭を打ちつけて気絶してしまった。


「ふん!レディに侮辱を言った罰よ♡」



それらの惨状を後方から見ていた盗賊団の首領は驚き、部下達は慌てふためく。


「何だよ!?アイツら何者だ?」


「うろたえるな!こうなったらあれを出せ!!」


首領は冷静に部下に指示を出す。


「分かりやした!!」


部下は後方に下げてあった幕のかかった数台の馬車の荷台の幕を下ろす。


「グルルルル…」
「ヴィヒヒ……」


中にはオークやゴブリンが数十匹入っていた。


「フハハハハ!数十匹の怪異の群れだ!これには奴らも敵うまい!」


部下は檻の鍵を開けてオークやゴブリン達を外に出す。


「さぁ、行け!奴らを皆殺しにするぞ!生き残った奴も俺に続け!」


「「「ウォォォーーー!!」」」
「「「ヴィヒィィーーーー!!!」」」


怪異と生き残った盗賊達は首領を先頭に半狂乱でNEVERの面々に突撃する。



遠目からそれを確認したNEVERのメンバーは1箇所に集まって懐からガイアメモリを取り出す。それもただのガイアメモリではない。一般的なドーパントメモリとは違って装飾のないクリスタルパーツで出来ており、端子の色が青みがかっている。


「ウォーーー!いくぞーーー!!!!」


『メタル!』



「そろそろこの子の出番ね」


『ヒート!』



「じゃあワタシも♡いこうかしら♡」


『ルナ!』



「ゲーム・スタート」


『トリガー!』


克己を除くNEVERのメンバーはメタル・ドーパント、ヒート・ドーパント、ルナ・ドーパント、トリガー・ドーパントに変身する。



そこからは戦闘というより虐殺だった。


ヒート・ドーパントはオークを火だるまにし、ルナ・ドーパントは腕を伸ばしてゴブリンの数匹まとめて空高く投げ飛ばし、メタル・ドーパントは盗賊の体を殴りつけて穴ボコにする。


「何故だ!?何故なのだ!?こんなはずではっ」


オークと共に突撃した盗賊団の首領はうろたえる中―


パァン  


盗賊団の首領の眉間に穴が空いて倒れる。


「ゲーム・オーバー」


芦原ことトリガー・ドーパントの精密射撃で首領は息絶えた。




盗賊団とオーク、ゴブリンの勝ち目はゼロ。


そんな中、生き残った盗賊とオークとゴブリン10匹程が固まって克己の方に突撃する。

オークと盗賊らはこう思っていた。
克己以外のメンバーは怪物に変身したのに克己は人間の姿のままだから1番弱いに違いないと。そして、どうせ死ぬなら1人でも多く敵を道連れにしてやろうと。

それが大間違いだということも知らずに―。

 

「フッ、なめられたもんだな。豚なんかに向かってこられるとはな」


克己はオークと生き残りの盗賊達を睨みつけながらロストドライバーを懐から取り出して腰に着けた。
そしてドライバーから自動的にベルトが伸びて巻き付いたのを確認すると次にエターナルT2メモリを取り出した。


『エターナル!』


「変身!」


克己は起動したエターナルメモリをロストドライバーに突き刺すと白い鎧が克己の体を覆って青い衝撃波が迫りくるオーク達を吹き飛ばす。


大地にクレーターができ、その中央に黒いマントをたなびかせる白い仮面の騎士がいた。


仮面ライダーエターナルである。


そしてエターナルはドライバーからエターナルメモリを抜き取り、自身のコンバットナイフ型の専用武器…エターナルエッジのスロットに挿入した。


『エターナル・マキシマムドライブ!』


エターナルエッジを包み込むようにして青い炎が発生する。


「踊れ、死神のパーティータイムだ!」


そう言うと大道克己……仮面ライダーエターナルはエターナルエッジを空中で振るい、青い炎の斬撃をオークの集団の方に向けて飛ばす。オークの集団に直撃した青い炎は弾着と共に爆発した。


オークは殲滅され、盗賊の方も数人程度の捕虜を残して全滅した。




この戦いをイタリカの城壁から眺めていたピニャとその仲間達、フォルマル伯爵家の顔ぶれは呆然としていた。


「ピニャ殿下……私達は悪夢でも見ているのでしょうか?」


「こんなの……もはや戦いではない……虐殺だ……」



その後、オ・ンドゥルゴ基地から来たヘリにNEVERのメンバーは強制的に乗せられ帰っていった。それをよそに千堂らは捕虜を1箇所に集めて拘束していく。


そんな千堂の元にイタリカの住民の1人が駆け寄ってきて尋ねる。



「あんたらいったい…どこの軍隊かね?」


「私達はショッカーです」



「しょっかー……」




その後、千堂ら率いるショッカー第1小隊はフォルマル伯爵家の面々と交渉した。主な内容は帝国領であるイタリカとの停戦、そしてイタリカの今後についてである。
謁見の間で千堂は1枚の書類を当主ミュイに渡した。その書類にはショッカー側の停戦条件が書かれていた。伯爵家の面々は戦々恐々とショッカーの提示してきたイタリカとの停戦の条件内容を読む。



1.治安維持の為、ショッカー防衛軍はイタリカ及びフォルマル伯爵領内に進駐する

2.フォルマル伯爵家は存続するが当主のミュイは11歳である為、ショッカーが派遣する教師から15歳までの義務教育を受けること

3.イタリカではショッカーの法律が適用される

4.今回の捕虜の権利はショッカーにあるものと認めること

5.ショッカーの企業とコダ村避難民の運営するオ・ンドゥルゴ生活組合はフォルマル伯爵領内とイタリカ市内で行う交易において関税、売上、金銭の両替等に負荷される各種の租税一切を免除される

6.オ・ンドゥルゴとイタリカまでの往来の安全を保障すること



ミュイを始め、フォルマル伯爵家は驚く。彼らからすればショッカーの提示した条件は寛大過ぎたからだ。王族は追放、或いは処刑して民は軒並み奴隷化するのが当たり前のこの世界の戦争の常識からすれば"超"好条件もいいところであった。


しかしそんな"超"好条件に異を唱える者が1人だけいた。
 

「なっ、何だこれは!?!?」


ピニャは立ち上がって叫んだ。3つ目や6つ目の条件に関して異論はないがそれ以外はイタリカを占領するものであり、帝国の"皇女"として飲めるものではなかった。ましてやイタリカは帝国の交易の主要都市であり穀倉地帯としての役割も担っている。ここを失えば最悪、帝国が干上がる可能性があるので絶対に譲ることができなかったのだ。


「何か問題でも?」


千堂はピニャの方をジロリと見る。千堂からすればこれはショッカーとイタリカとの交渉であるわけなので本来、帝国の皇女であるピニャが介入する道理はないと思っていた。


「問題大アリだ!治安維持の為に進駐するとあるが実際にはイタリカが占領されるということではないか!?こんなもの到底飲めない!!」


「"姫様"、お忘れですか?我々ショッカーと帝国は戦争状態にあるのですよ?これぐらいの要求は当然です」


「し、しかし……」


「不満があるようなら我々と戦いますか?それならそれで我々は構いませんが……」


千堂はにこやかに微笑みながら冷徹に言い放つ。


(拒んでも武力で占領するというのか…先程の力を振るわれたらイタリカなぞ容易く陥落してしまう)



ピニャは説得を諦めて悔しそうに書面に自身のサインをした。その下の空欄に領主であるミュイのサインもし、ショッカー側の代表として千堂もサインする。ショッカーとイタリカの"話し合い"はその場で終了した。



「それでは当主ミュイ様並びにフォルマル伯爵家の皆様、我々ショッカーとイタリカの末永い友好を期待します」


にこやかに千堂は微笑むと部下を引き連れて謁見の間から出ていった。




千堂の微笑みがフォルマル伯爵家の面々にはこれからの希望に満ちたものに見え、ピニャには帝国を滅ぼさんとする悪魔の微笑みに見えた。 
 

 
後書き
次回予告

オ・ンドゥルゴ基地へ帰投中にピニャの騎士団と遭遇してしまった千堂達、協定のことなど知らない騎士団は千堂に暴力を振るう。
そのことを謝罪しにピニャはオ・ンドゥルゴ基地に向かう

次回、乞うご期待!! 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧