ヘタリア大帝国
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TURN40 雨の少女その七
「な、何だよこれって」
「どうかしたんですか?」
「このビーフンもな、滅茶苦茶美味いじゃねえかよ」
「えっ、どれも普通のお料理ですよ」
フェムは驚いているベトナムにこう答えた。
「皆が食べている」
「ベトナム人っていつもこんなすげえご馳走食ってるのかよ」
「ですから。皆食べてますよ」
「凄い豊かな国なんだな」
「あの、イギリスさんの食生活って一体」
「塩と酢で味付けしてな」
調味料はこれだけだった。
「焼くか煮る。これだけで充分だろ」
「お店もそうですか?」
「揚げるのもあるぜ」
調理方法だけの話だった。
「皆そうして食ってるぜ」
「あの、サンドイッチとかは」
「あんなのパン切って何か挟むだけだろ」
イギリスの考えるサンドイッチはこんなものだった。
「そうだろ。それだけだろ」
「はあ、そうなんですか」
「しかし。ベトナムは料理が美味いのかあんたが料理上手なのは」
「私普通ですよ」
「そうなのか!?」
「私、イギリスさんの食生活が真剣に心配になってきました」
フェムもそうなるイギリスの食生活だった。何はともあれだ。
作戦会議が行われてだ。イギリスは二人に言った。
「雨が降れば敵の攻撃は半減するんだ」
「はい、その通りですね」
「そうだ。けれどな」
ネルソンにこのことを言ったのだった。
「それは俺達も同じだからな」
「我々もですか」
「敵がそうなら味方もなんだよ」
「そうですか。そうなりますか」
「だからな。ベトナムでの戦いはな」
「長期戦ですね」
「そうなるからな」
言うのはこのことだった。
「それを狙ってのことなんだよ」
「そうなのですか。長期戦になればですね」
「こっちは後ろにインドの諸星域とアラビアがあるからな」
エイリスのインド洋方面の植民地だ。特にインドだった。
「そこからの戦力はもう集結かけてるからな」
「その戦力が来たところで」
「数で押す。そうしような」
「そうですね。戦いはですね」
数だとだ。ネルソンもそのことはわかっていた。
そしてそこからだ。こう言ったのである、
「数ですからね」
「ああ、だからな」
「太平洋軍を長期戦に引き込み」
「若しくはあんたのバリアを装備させた艦隊と合わせてだ」
フェムのだ。その艦隊とだというのだ。
「こうすれば敵の攻撃は大抵効かないだろ」
「はい、ほぼ無敵です」
「長期戦という選択もあるしな」
「そうした選択もありますね」
「どっちにする?ここは」
「長期戦もいいですがドクツのこともあります」
ネルソンは強い声で述べた。
「長期戦が過ぎるとあの国が動いた時にです」
「戦力を振り向けられないっていうんだな」
「そう思いますが」
「それにインドやアラビアの独立派が付け込んで来るか」
「そうしたことも考えられますので」
だからだ。長期戦も過ぎればだというのだ。
「私としてはです」
「短期戦か」
「それでいきたいのですが」
「そうだな。そっちの方がいいか」
イギリスはネルソンの横の席に座っていた。そこでだ。
真剣に考慮する顔でだ。こう言ったのである。
「ここはな」
「はい、我々の敵は日本だけではありません」
深刻な顔になってだ。ネルソンは述べた。
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