オズのハンク
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第十一幕その五
「それか宮殿にいるわ」
「エメラルドの都の」
「どちらかよ」
「そうか、まあ縁があったのなら」
それならとです、ラー神はトロットの返事を聞いて述べました。
「今日ここに来るだろう」
「だからその時になのね」
「おもてなしをしよう、さてそろそろお祭りがはじまるから」
それでとです、ラー神はまた言いました。
「ピラミッドの住人達が来たぞ」
「人間やマミーに」
ハンクも彼等を見て言います。
「スフィンクスに神々もだね」
「そうだ、皆来ている」
「アヌビス神も来られてるけれど」
ハンクはこの神様を見てこうも思いました。
「入り口の番は」
「大丈夫だよ、あの石のスフィンクスがいるのだから」
「ああ、あのスフィンクスだね」
「そう、彼がいてくれるから」
「入り口の番はだね」
「アヌビス神も入り口に異変があればすぐに察して」
そしえというのです。
「すぐに戻るからね」
「だからだね」
「心配は無用だよ、アヌビス神はあそこにすぐに戻れるし」
「どうして戻るのかな」
「アヌビス神はジャッカルの頭を持っているね」
このことから言うのでした。
「だから駆けるとね」
「ジャッカルみたいに速いんだね」
「むしろジャッカルより遥かにだよ」
それこそというのです。
「駆けられるからね」
「入り口まであっという間になんだ」
「戻れるからね」
それでというのです。
「心配は無用だよ」
「だからアヌビス神もだね」
「毎年お祭りに参加しているのだよ」
「さて、それでは」
今度はメジェド神が楽しそうに言ってきました。
「いよいよ踊って飲んで食べようね」
「そういえば貴方どうして踊るの?」
トロットがメジェド神に尋ねました。
「一体」
「この身体でだね」
「ええ、やっぱり足でだね」
「タップダンスは大の得意でね」
それでとです、メジェド神はトロットに答えました。
「この身体で自由にね」
「踊るのね」
「手がなくても不自由しないって言ったね」
「ええ、神通力があるから」
「ものは持てなくても」
「自由に使えるから」
「だからね」
それでというのです。
「手は使わなくてもいいし踊りもね」
「足で出来るから」
「不自由していないよ」
「そうなのね」
「どんな身体でも踊れるじゃないか」
メジェド神はトロットにこうも言いました。
「そうだね」
「そうね、言われてみれば」
実際にとです、トロットも頷きました。
「人の手足があってもなくても」
「踊りは出来るよ」
「そうよね」
「だからね」
それでというのです。
「僕も踊るんだよ、そして飲んだり食べたりもするけれど」
「内臓をよね」
「食べるよ、ホルモンもレバーも」
そのどれもというのです。
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