ヘタリア大帝国
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TURN38 獅子団その九
「それじゃあね」
「では一緒に食おうぞ」
「何か悪いね」
「悪くはない。平和に落ち着いて暮らす」
今度はこう言う長老だった。
「あんたはそれが好きじゃからのう」
「戦いはね。あまり好きじゃないよ」
「しかし軍を率いはするのじゃな」
「うん、総督だからね」
総督はその地域の統治全体を統括する。その中には軍事も入っているのだ。総督の権限は大きいのだ。
「そうするよ」
「ならばか」
「そうなんだ。だから太平洋軍が来たら出撃してね」
そうしてだというのだ。
「戦うよ」
「そうするのじゃな」
「何度も言うけれどアボリ人達には迷惑はかけないから」
それはくれぐれもというのだ。
「安心してね」
「済まんのう、気を使ってもらって」
「総督だから当然のことだよ」
彼等を戦争に巻き込まない。それもだというのだ。
「だからこのことは気にしなくていいよ」
「左様か」
「じゃあオーストラリアさんもね」
「トルカちゃんも呼んで、でごわすな」
「羊料理だよね」
「それとジャガイモでごわす」
オーストラリアはにこりと笑って答える。
「それもあるでごわすよ」
「皆で一緒にね」
「食べるでごわすよ」
こうした話をしてでだった。
「四人で」
「ううん。そういえばトルカってね」
総督はその姫のことを長老とオーストラリアに言った。
「前から思ってたけれど」
「どうしたのじゃ?」
「気力とか体力とか消耗してるのかな」
こう言ったのである。
「時々疲れてる感じがするけれど」
「うむ。大怪獣だけでなく怪獣はじゃ」
「やっぱり疲れてるんだ」
「怪獣は人とは違う」
長老が言うのはこのことだった。
「それを操るとなるとな」
「気力や体力を使うんだね」
「怪獣姫は代々そうした特別な力を持っている」
「それ故に」
「そうじゃ。しかしじゃ」
「無理をするとなんだね」
「それはわかるな」
「うん。それはね」
総督もよくわかることだった。このことは。
「わかるよ。じゃあ大怪獣はできるだけ刺激しないで」
「そうすればトルカも消耗しないで済む」
「そうだね。じゃあ太平洋軍に事前に言っておくのは」
「いいことじゃ。トルカにとってもな」
「僕はね。仕方ない時もそれはあるけれど」
ここでは政治家として話す総督だった。総督故にだ。
「出来る限りね。犠牲は出したくないから」
「それでトルカもじゃな」
「トルカさんにも言うよ。出来るだけ苦労はさせないようにするから」
「済まんのう。何かと気を使ってもらって」
「いや、僕もそうしたことは好きじゃないからね」
だからだとだ。総督も返事を返す。
「そうしているからね」
「そうか。ではじゃ」
「おいどんの料理を食べるでごわすよ」
四人でだとだ。こうした話をしながらだった。
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