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ヘタリア大帝国

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TURN38 獅子団その三

「陸戦隊もまた一つの軍だと仰って」
「それでなのですか」
「そうです。陸軍ができました」
「成程。そうなのですか」
「最初はそうでもなかったのですが時代が経るにつれです」
 日本は困った顔で述べていく。
「ああして。仲が悪くなりました」
「特に今は凄いですね」
 トンガが見てもだった。その状況は。
「山下さんは生真面目な方ですから余計に」
「あと陸軍さんは食事も違いますね」
「はい、それも気になりますね」
 香港妹とマカオ妹はそのことを指摘した。
「陸軍さんは粗食ですね」
「白米と少しのおかずとお味噌汁だけですから」
「あれは昔からです」
 日本は陸軍の食事についても話した。
「陸軍さんは伝統的に武人としての意識が強く」
「それでなのですか」
「ああしてですか」
「はい、武人は贅沢をしてはならないと」
 それでだというのだ。
「そのうえでなのです」
「だからああしてですか」
「異様に質素なのね」
 インドネシアとマレーシアは日本の話を聞いて納得した。
「確かに美徳だけれど」
「悪いことではないわね」
「そしてです」
 さらにだとだ。日本は話す。
「海軍さんの食事は贅沢だと批判されます」
「あれ位普通ですよ」
 こう言ったのは台湾だった。
「どう見ても。というか日本の平均的な食事ですよ」
「それはそうなのですが」
 それでもだとだ。話す日本だった。
「陸軍さんは贅沢がお嫌いなので」
「それでなのですか」
「はい、そうです」
「私は陸軍の方にはいつもよくしてもらってますが」
 台湾にとってはいいことにだ。しかしなのだ。
 彼女から見ても日本帝国の陸軍と海軍の仲の悪さはどうしても無視できずにだ。困った顔で言うのだった。
「どうにかしたいですね」
「というか山下さんが一方的に怒ってるから」
「それが一番問題ニダ」
 台湾兄と韓国妹が言う。
「それを何とかすれば違いますよ」
「あの人さえ静かになれば双方の対立もかなりましになるニダ」
「そうですね。実は対立の激化は最近ですし」
 以前からそうだったが最近は特に酷いというのだ。
「山下さんがもう少し東郷さんと打ち解けられれば」
「凄く無理ある的な?」
 香港はすぐにこう言った。
「あの二人。というか山下さんが東郷さんと仲良くするというのは」
「はい、私も考えられません」
 日本自身もだ。難しい顔で述べる。
「そうしたことは」
「東郷さんは何とも思ってないんですよね」
 台湾兄はこのことを指摘する。
「本当に。むしろ好いているといいますか」
「あの方は卑しい人間や邪な人間を嫌われます」
 日本は東郷のこの本質を把握していた。
「そうした意味では山下さんと同じですが」
「遊び人ですからね」
「逆に山下さんは遊ばれることはしません」
「修行に学問ばかりですね」
「元々。あの方は代々軍人の家系でして」 
 日本は山下のことをだ。他の国家達にさらに話した。
「厳格に育てられ。祖父の方は陸軍元帥でした」
「ああ、それでなんですね」
「ああして余計に生真面目なんですね」
「そうです。家柄で軍人、長官になったと思われない様に」
「人一倍努力され生真面目に生きておられる」
「そうなのね」
 インドネシアとマレーシアもわかった。そのことがだ。
「それでああいう性格になられたんですか」
「周囲の見方を覆そうと」
「士官学校でも成績は常に完璧でした」
 このこともだ。日本は話した。
 
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