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ヘタリア大帝国

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TURN37 マレー解放その八

「まだベトナムがある」
「そしてインドですね」
「インド洋まで勢力圏としないとな」
「ガメリカには対抗できませんね」
「そうだ。油断は出来ない」
「確かに。その通りです」
「とはいってもな」
 見れば東郷はいつもの飄々とした表情だ。
 そしてその表情でだ。こう言ったのである。
「力を張る必要はない」
「といいますと」
「勝てると思うことだ。慢心せずにな」
「待ち受けるエイリスの本国艦隊にもですか」
「戦力は充実してきている」 
 東郷はこうも言った。
「それもある。それにだ」
「経済圏が充実してきて、ですね」
「資源も技術もあがってきている」
 それでだというのだ。
「そろそろ新型艦も建造できるな」
「今は第三世代ですが」
「コストは安く出来るか」
「その研究は平賀長官が行っておられます」
「そうだな。それならな」
「はい、第四世代の建造もです」
 秋山が言う。
「そろそろ」
「視野に入ってきたな」
「その通りです。ですが」
「ガメリカに対抗するとなると」
「やはり第五世代の艦艇が欲しいですね」
「ガメリカ軍の艦艇は強い」
 東郷はこのことについても言った。
「それにだ」
「数も多いですからね」
「魚もそろそろ戦力的にな」
「限界ですね」
「水族館にj戻ってもらうか」
「その時もやがては」
「来る。アラビア、マダガスカルまで進出する頃か」
 あくまで順調にいった場合の話だ。
「そうなるとな」
「その頃には」
「もう魚からだ」 
 通常艦艇に替えるというのだ。
「そうしていこう」
「そうですね。それでは」
「艦艇は常に進化している」
 東郷は誰よりもわかっていた。そのことを。
「だからだ。その頃にはな」
「魚から艦艇に」
「替えていくか。とにかくだ」
「jはい、マレーも太平洋経済圏に入りましたね」
「引き続き四国に向かう」 
 東郷はいつもの調子で秋山に話す。
「それといよいよあの二人が戻ってくるな」
「平良提督と福原提督ですね」
「そうだ。あの二人も復帰するな」
「はい、既にこちらに向かっています」
「そうか。新たに二個艦隊が加わるか」
「戦力的には有り難いですね」
「そう思う。しかしな」
 だが、という感じでだ。東郷はこうも言ったのだった。
「平良だがな」
「そうですね。正義感があるのはいいのですが」
「それがいらぬ怪我につながる」
「良民を虐げる両班に後ろから刺されてでしたからね」
「あれには正直参った」
 東郷は難しい顔になっていた。
「有能な提督が一人いない状況にはな」
「はい、全くです」
「有能な提督は一人でも多く欲しい」
 これが日本の現状だ。中帝国との戦い以降の。
 
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