曇天に哭く修羅
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第二部
申し出
前書き
流れが原作と変わりませんね。
修業をさっと終わらせてとっとと親善試合まで行きたいところなんですが。
_〆(。。)
刺客を撃退した《立華紫闇/たちばなしあん》はボロボロになった《クリス・ネバーエンド》の元に駆け付けて様子を確かめる。
「一人で大丈夫よ」
立ち上がった彼女はふらふら。
「クリス。お前は弱い。さっきの刺客は《エリザ・ネバーエンド》に比べたら『格』は二つほど落ちる。今のお前はそんな相手にすら手も足も出なかったんだ」
このままだとクリスは姉を超えられない。
【日英親善試合】でエリザと戦える状態にまで持っていくどころか【代表選抜戦】を勝ち抜いて選手になれるかどうか。
「俺の弟子になれ」
「私は媚びない。すべきことじゃないわ。そんなことを『強い女』が……あれ? 強い女って誰? 私のことじゃあ……ない?」
クリスは今まで強い女に拘ってきた。
そんな女になることを。
しかしそれは誰を指しているのか。
「教えてやるよクリス。お前の言う強い女ってのはエリザだ。間違いないと思う」
クリスは紫闇の言葉に絶句。
「証拠になるかどうかは解らないけどクリスとエリザには共通点が多い」
人に譲らない尊大な性格。
威圧的で居丈高な振る舞い。
認めた人間としか関わらない付き合い方。
そして髪型だ。
指摘されたクリスは自身の金髪に手をやる。
「私が無意識に彼奴の……エリザの真似をしてたって言うことなの……?」
「トラウマで敵わない相手だからそいつに近付く。同じように強くなろうとする。俺も少し前まで《江神春斗/こうがみはると》を意識してあんな風になろうと頑張っていたから」
紫闇の師である《黒鋼 焔/くろがねほむら》や《永遠レイア》もそれを見抜いていたので紫闇に忠告してきた。
『君は立華紫闇だ。江神春斗じゃない。それを忘れないでくれ。でなければ君は江神の劣化コピーにしかなることが出来ないから』
『理想を表面だけなぞったって本物より劣る。良い部分を取り入れて自分の活かしたい部分と合わせるんだ。上手く行けば自分だけの力で戦うより強くなれるよ』
紫闇は二人の話を胸に刻んでいる。
「今の私はエリザの真似事。彼奴の劣化コピーを止めなきゃ成長は出来ない。確かに一人でそれを成すのは難しいわね。仕方ない、か」
クリスが手を差し出す。
顔はそっぽを向いているが。
「俺はクリスに幸せを掴んでほしい。輝いてほしい。望むものを得てほしい。だからお前の手伝いをさせてくれ。強くなる為にも」
紫闇はクリスの手を握る。
「頼りないし、きっと微力だろうけど、ほんの少しだけ期待してあげるわ馬鹿師匠」
後書き
_〆(。。)
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